音楽放談 pt.2

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ロックなかっこよさを体現 ―Yeah Yeah Yeahs

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昔は男性ヴォーカルものしか聴かなかった。

何故かという確固たる理由があるわけでは無いんだけど、ただ当時は日本の奴ばっか聴いていたので、耳に入ってくる女性アーティストの歌はいわゆるこてこてのラヴソングであり、それは自分の中ではしっくりくる内容ではなかった。

そのため、自分は男なのだから男の書いた歌詞の方が理解できるし、第一かっこよくない、と思ったのであった。

若いね、俺。


しかし、時がたてば年をとる、年をとればそれなりに成長するのが人間である。

いつしかそうした変なこだわりというか、考えは違うのではないか、と思うようになった。

洋楽を聴くようになったのも大きいかもしれない。

少しではあるが、女性アーティストの曲も聴くようにはなった。

それでもやはり好きだと思えるほどのものはいなかったけどね。


そんな中、かっこいいやん、と私に思わしめた女性アーティストと出会った。

一人は以前既に書いた当時ASHのギタリストで、ソロを出したばかりのCharlotte Hatherley。

彼女についてはぶっちゃけヴィジュアルに一目ぼれがきっかけだったんだけどね。

で、も一人はYeah Yeah Yeah'sのカレン・Oである。


YYYsは、たしか2年か3年前のフジに来たんだけど、そのときのライヴの写真やインタビューを呼んで興味を持ったのであった。

調べてみると評価も結構いいので、これはひとつ、というわけである。

で、いやぁ、かっこよかった。

日本で女性ロッカーといういと単にいわゆる男言葉を使い、不良っぽいものばかりでアホ臭いんだけど、この人の場合とにかくエモーショナルで、女性的な色気もありながらぶち切れていて、最高だったね。

歌詞なんかを見ると、やはり女性的な感覚で書かれてあるわけだけど、英語だからよくわかんないしね。

それに、曲それ自体もかっこよかったので、バンドとしても単純に好きになった。


最初はやはりデビューアルバムから入ったのであるが、スカスカながら迫力のある演奏は、はじめ3人(演奏は実質2人)とはにわかには信じがたかった。

それだけの厚みもあったし、破壊力もあった。

でも、やはりそれ以上にカレン・Oのヴォーカルの存在感がそう感じさせていた部分はあったかもしれない。

いわゆる聞かせるタイプのヴォーカルではなく、とにかく感情を爆発させたようなその歌は、時に狂ったように激しく、時にか弱く儚げにも響き、そういう部分でも女性的であると思う。

でもだからといって、誰かにたすけてぇ~みたいな感じは一切無いし、変なナルシシズムもない、あくまで表出されたある種のらしさであるに過ぎにので、単純にすごいなとおもった。

友人に貸してみたら「このバンドはこのヴォーカルだけで勝だね」といっていた。


このアルバムの中でも群を抜いているのは、やはり"Maps"と"Y Control"であろう。

"Maps"は、あのNINのトレントも「名曲だ」と認めた曲である。

静かで、特に何か特別なことをしているわけでもない。

なっているのはギターとドラムと声だけである。

それでも、この曲は身震いがするような曲である。

このアルバムは総じて勢いのある曲が多く、ヴォーカルも切れまくっているんだが、この曲ではそうした曲とは違い、もっと深い、人には見せないようなところから出ているような声で歌われる。

サビの歌詞も「Wait, they don't love you like I love you」と、ヴォーカル同様非常に女性的なものとなっている。


で、"Y Control"は、疾走感のあるロックな曲であるが、私はこの曲はかっこいいので大好きである。

「かわいそうな女の子だったのよ」という歌詞だけ見ればいかにもナルシスティックやん、と思うかもしれないが、この曲でのヴォーカルにはきりっとした強さがある。

そう言う過去を笑い飛ばすような、というかね。

この2曲は連続しているんだけど、こうして聴いてみるとやっぱりその表現力という部分ですごいなあ、と思うのである。


多分このバンドは、私のような奴が聴いてもかっこいいと思うのだから、同じ女の人が聞いたらもっと強く共感できたり、あるいは憧れのようなものを抱くかも知れない。

下手なんちゃってロックを聴くくらいなら絶対にこちらを聴く方が良い。

ただ口汚いのがロックだと思うなかれ。

ロックとはあくまで自己表現の1手段であり、別に定義的なものではない。

自分をぶつける対象でしかなく、本質が無ければ他dのポーズになってしまう。

YYYsは本モノですよ。

来年初めには新譜も出るようなので楽しみである。


それにしても、最近はNY界隈のバンドが本当に、いいね。