音楽放談 pt.2

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数学的音楽 ―Mirrored

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かつて70年台初頭にプログレッシヴ・ロックというジャンルが幅を利かせていた時期がある。

ロックにクラシックやジャズの要素を持ち込み、即興性の高い非常にテクニカルで複雑な音楽をやっていたのである。

有名どころでは、かつてプログレ四天王と呼ばれたKing CrimsonPink Floyd、 EL & P、そして Yesあたりであろう。

中でも商業的に大成功を収めているフロイドは、プロレスラー、アブドーラ・ザ・ブッチャーが入場曲に使用していたたため、その筋の人には自ずと浸透していたかもしれない。

先日メンバーの一人が死んでしまったため、長年ファンが求めてきたオリジナルメンバーでの再活動は夢と消えたのであるが。

また、クリムゾンなどは今に至るまでまさにプログレを体現してきたようなバンドである。

個人的には一番好きなバンドである。

その首謀者であり、、むしろクリムゾンとイコールで結ばれるロバート・フリップは、ブライアン・イーノとも仕事をしているため、テクノというかアンビエント的な方面でも有名なのかもしれない。

ちなみに、Windows Vistaの起動音を作ったのはフリップである。

お持ちの方は、僅か2秒足らずに耳を傾けてみてね。


そうして一時は興隆を極めたものの、次第に敷居が高くなりすぎてしまい、パンクにより否定される事になってしまい、今やジャンルとしては過去のものという認識が強い。

しかしながら、ここ数年は得意の価値観の多様性により、より以上に複雑な音楽も受け入れられるようになり、彼らをリスペクトするアーティストも増えている。

Mars Voltaなんてまさにそうであるわけであるが、それでも売れているからすごい世の中になったのだろう。

彼らの音楽ももはや完全に向こう側な時もあるしね。

インプロヴィゼーションが延々栗出される展開は、はっきり行ってついていけない人の方が多かろう。


話は少し変わるが、そうした複雑な音楽の中でも、より構築的な音楽なんかも出ている。

ポスト・ロックと呼ばれる一団は、そうしたサウンド嗜好の強い奴らである。

むしろマス(数学的)・ロックというのか。

一時期単なるスタイル化した、といわれていたようであるが、最近ではまた評価されるバンドは増えてきている。

しかも、割とポップさを取り入れた連中も出てきて、注目集めている。


そんな中でも、昨年アルバムを発表して一挙に名をはせたのが、Battlesである。

新人のような登場だが、実はかなりテクニシャンが集まった超実力派のバンドで、デラテクである。

複雑に絡み合う音と音、微妙にずれたような音も混じっていたり、でもドラムはど真ん中で一定のリズムを確実に刻んでいる。

演奏中もサンプリングを駆使して大変忙しい連中なのであるが、そうして音を重ねまくるのでほとんど分けわかんないような感じもするんだけど、不思議とそうでもなく、そこはかとなくダンサブル。

特にシングルででた"Atlas"という曲は、まさにそんな曲である。

この曲の肝はなんといってもドラムである。

不規則なビートを刻みながら、他の楽器が複雑にその上で暴れまわるようなこの曲は、不思議なポップさを持っている。

彼らは基本的にはインスト・バンドなんだけど、加工してヴォーカルもはいっていて、それが奇妙な空間を作り出すのに一躍買っている。

ちなみに、ドラマーのシンバルは何故かやけに高い位置にある。

ライヴ中手を目一杯伸ばしてたたくその姿は結構面白いし、パフォーマンス的にもそこで曲の展開が変化したりするので、いいアクセントになっている。

その様子はPVでも見ることができるので、よかったらチェックしてみるよろし。


彼らはアルバム発表前に2枚のEPと1枚のシングルを出している。

日本版で全てカップリングされたものが入手できるが、それらと比べてもこのアルバムは全般的にポップである。

アルバムの構成も自分好みなので、アルバムとしてもかなり気に入っている。

特にラスト前の"T.I.J"なんて、それまでのドローン(といっても暗くはないけど)な展開から一転して、怒涛な展開は鳥肌モノですよ。

せわしなく動くステージングとともに、やはりライヴをみたいバンドである。



う~ん、前置きの方が長くなってしまった。

でも、聴けば聞くほどその構築性に、ノックアァウトだぜぇ。

こういう書き方をすると信憑性が薄れてしまうのは残念だが、すごいバンドですよ。