今日はアナログフィッシュの結成20周年記念ツアーの最終日であった。
東京でのライブはほぼ毎回行っているけど、いつ聴いても、いつのライブも彼らは素晴らしい。
図らずも実は23 周年なのではないかという疑惑が健太郎さんから暴露されるも、ともあれこれで一旦の一区切りだ。
ここ二回の東京でのライブは過去曲を演奏してきたが、今日は最近の彼らのセットリストで臨んだ。
代表曲をはじめ、今の彼らに取って意味のある曲が多数披露されつつ、またライブではちょくちょく演奏されていたリアレンジ曲のEPも発売され、そこに収録されている曲もあり、ほとんど新曲のような状態なのでそうした目新しさもあった。
ちなみに今回はdogで、ライブで演奏されており今回のEPに収録されていない曲もあるので、vol.2はcatとかでリリースされるのだろうか。
ともあれ、今回は新曲も2曲程披露されたが、いずれも特にギターがこれまでの彼ららしくない、それこそポストパンク的な感じであった。
本編ラストの曲など、Joy Divisionの"Disorder"みたいだったしね。
ここに来てこんなギアを上げてくるとは結構びっくりだったけど、彼ら自身が音楽をとても楽しんでいて、ライブでもそれがありありと伝わってくる。
だから、何時でも何度聴いても彼らのライブは素晴らしいのだ。
歌詞の意味とかも、私自身のその時の状況によって響き方が違うのも個人的に面白いんだけど、そんな中で彼らの矜恃というか、大きな信念みたいなものを感じたような気がした。
前にも一度書いたことがあるんだけど、彼らはやはり自分たちを明確にロックバンドと位置付けて、彼らが昔夢中になったロックンロールというものを信じているのかなと思った。
セットリストの3曲目にはまさに"ロックンロール"が披露されたわけだが、新曲を聴いてもライブ自体のアレンジや、先のリアレンジの曲たちを聴いてもあえてロックらしいロックをやろうとしてるのかなと。
何が正しくて何が間違ってるかなんていつの時代もわからないだろうけど、これだけ情報が氾濫している世界は多分かつてないだろうし、個人が強くなりすぎて逆に没個人的な世界観になっているようにも感じるわけだけど、そんな混乱した中では人は自分の信じるものにまずはすがるだろう。
その信じるものが足を止めるものか進めるものなのかは何を信じるかによるだろうし、その人自身の価値観によるだろう。
幸い、と言えるかもわからないけど、彼らの音楽には前に進む意志を感じるし、私はそういう精神に共感を覚える。
正しいか正しくないかでも、その先に確たる何かがあるわけでもないだろうけど、少なくともここに止まるよりはマシだと思うとき、彼らの音楽は私には心強く響くのだよ。
まぁ、そんな思いはファンが勝手に思っていれば良くて、彼らは彼らなりに、引き続き楽しんで音楽を作って、こうしてライブをやってくれたら、私は引き続き勝手に喜ぶだけである。
そう思える音楽を日本でやってくれている彼らに、ただ感謝するだけである。
余談だけど、今回の一連では様々な人からの祝福コメントが寄せられていたが、ラストはオードリーの若林だった。
元々若林が彼らのファンで、その縁で彼らのライブの出囃子を作曲している。
此の曲もいい曲なので、オードリーファンも要チェックだ。