音楽放談 pt.2

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天国でアロハ -筋肉少女帯人間椅子

 

青春時代の呪いというのは恐ろしいもので、その後の人生に多大な影響を無責任に残して、消えない爪痕を刻んでくれる。

 

私は元来素直で真面目でお茶目な少年であったが、ある時期から徐々に鬱屈、そこで素直に青春パンクでも聴いていればよかったものを、事もあろうにオーケン本に傾倒、さらにラジオを当時やっていたことでアングラな趣味に足を突っ込む羽目になった。

 

その後ビジュアル系などの当時流行っていた音楽を聴いていたはずなのに、凡そ爽やかさや青春とはかけ離れた趣味に没頭していったのであった。

 

田舎の高校生だった私は、少ないお小遣いを手にブックオフに行っては安くなったCDや本を買い漁っていたのだが、その当時によく聴いていたのが筋肉少女帯だ。

 

そのつながりで人間椅子も少し聴いていたんだけど、最初に聴いたのは『無限の住人』という、同名漫画のインスパイアアルバムという。

 

後で知ったが、暫く廃盤で入手困難となっていた様で、ファンの間でもコアな作品と評されていたとか。

 

ちなみに、今ではフェイバリット漫画の一つとなっているのだから、人生何が起こるかわからない。

 

ともあれ周りからはマニアックな奴だと罵られたりはしなかったが、とりあえず変わったやつとよく言われた。

 

今思い返しても、好きなものが流行っているものではないだけで至ってありふれた高校生男子であった。

 

 

それから時間が経って、今ではあまり筋少は聴いていない。

 

最近のアルバムは全くノーチェックだ。

 

理由は音楽的な趣味が変わったのもあるが、やっぱりあの時の気持ちが蘇ってしまうのよ。

 

嫌いになったわけじゃないけどね。

 

なので、あんなに聴いていたバンドだがライブを観たのは一度きりだった。

 

どこか引いたところから観ていたんだけど、没頭はできなかったな。

 

ちなみに、人間椅子はそこまでしっかり聴いていなかったので、今ではこちらの方がフラットに聴いている。

 

なんならインストアイベントで写真撮ってもらっちゃったりして。

 

自慢しても誰にも羨ましがられないが。

 

 

そんな最近ではすっかり距離のできてしまったバンドだが、今日は人間椅子との対バンということで、久しぶりに行ってみようと。

 

チケット代はちょい高いし、アナログフィッシュのライブとも被っていたが、ここは敢えて行こうと。

 

ここまで歳をとるとさすがにもう少しあの頃とは距離を取れる様になるものである。

 

彼らも50代のバンド、客層もなんやかんやそこらがメインなので、今日は指定席だ。

 

ゆっくり大人のメタルを聴こうじゃないかとね。

 

ところで会場は渋谷のLINE CUBE、昔は渋谷公会堂と呼ばれていた会場だが、私はこの会場は初めてだった。

 

知らんかったのだが、こんなに広いのね。

 

しかも3階立てで、縦にも。

 

3階席だった私は、まさかこんな距離でこの2バンドを見る日が来るとは思っても観なかったな。。

 

 

さて、まずは人間椅子である。

 

ライブは今回で3回目である。

 

音源についてはそこまで熱心に追いかけているわけではないが、彼らのライブがすごいのは知っているので普通に楽しみである。

 

オズフェスへの出演もあり、今では海外にもファンがいるようで、今日も外国の人をちらほら見かけた。

 

音楽自体はデビュー以来変わっていない。

 

ひたすら我が道を行っているし、実は作品のリリースもかなりハイペースで、つくづくすごいなと思う一方で、単に音楽が好きなんだろうなと思うが。

 

彼らはスリーピースながら、ライブでも音圧が凄まじく、そもそもオタク気質も手伝ってか演奏は上手い。

 

ドラマーのみ結成当時からちょくちょく変わっていたが、近年は中島ノブさんですっかり定着しているし、この人はこの人で何気に進化しているらしいからこれまたすごいことである。

 

セットリストについては近作からの曲が多く、私はわからないものが多かったが、そんなことは関係なく良かった。

 

ドゥームともシンクロする様な重たい展開の中でプログレ的な転調しまくりで、曲あたりも長い。

 

しかし、ずっしりと重い曲も多くある中で、今日は割とポップな曲が中心であった。

 

そして今日はイベントということもあり、お約束のカバーも披露。

 

筋少の"孤島の鬼"をカバーしたのだが、普通にマッチしていてカッコよかったな。

 

この曲も久しく聴いていなかったので、懐かしさも感じながら聴いている展開。

 

元々4人の演奏で奏でる曲だが、3人でも十分に成り立っていたどころではなかった。

 

さすがクリムゾンのカバーをかますバンドである。

 

ラストはやはり"針の山"、この曲はやっぱりかっこいいですね。

 

時間にして50分強と短めであったね。

 

 

すこし休憩を置いて次は筋少である。

 

一度は実質解散したものの、復縁してからは精力的にライブに音源にと活動しており、一時はフェスにも登場。

 

そのおかげか若い層の開拓にも成功しており、人間椅子とは違う形で成功している。

 

しかし、昔音源を聴きあさっていた時にはオーケンの歌詞ばかり聴いていたんだけど、改めてこうしてしっかり曲なんかを聴いてみるとよく出来ている。

 

メタル的な様式美もありながら、J-pop的なわかり易い展開もある。

 

かと思ったら趣味全開のプログレ展開と、まあとにかく展開しまくる。

 

1曲目は"イワンのバカ"だったのだが、この曲はイントロは橘高さんの得意のソロギターでザ・メタルな展開、そこから筋少らしい疾走感のあるAメロ、そしてサビは実にポップで爽やか、開ける様な展開だ。

 

こんな曲だったんだなと改めて思う。

 

今日は流石に代表曲中心のセットリストで、"元祖高木ブー伝説"も演奏。

 

一見コミカルな歌詞だが、今聴いてもこのどうしようもない、自分で笑わないとどうにも救われないやるせなさみたいなものはなかなかである。

 

曲は人間椅子にも負けじのヘビー展開。

 

しかも静と動ではないが、転調も含めて展開がまたたいへんだ。

 

色々詰め込んだんだなと感じるが、そもそも彼らもプログレ大好きなので、やりたかったんだろうなと思う。

 

ちなみにこちらの人間椅子カバーは"ダイナマイト"、本家の鈴木さんボーカルの様なヘビネスさよりも、オーケンのちょっと狂気的なボーカルと、橘高ギターにエディの銀盤で独自色に仕上がっていてよかった。

 

てか、なんやかんや筋少も演奏力は高いんだよな。

 

橘高さんはメタル界では名の知れた名ギタリストで、エディはガチのクラシックピアニストで音源も出している。

 

オーケンは楽器は弾かないが文学賞作家である。

 

しかし、ステージングはある意味ネタのオンパレードみたいな感じで、こんなバンドあんまりいないよなと改めて感じた。

 

そして、オーケンのMCはやはり鉄板だった。

 

こちらも時間にして50分ほどだった取ろう。

 

次は合体バンドである。

 

 

休憩明けて出てきたのは、まずは橘高さんとうっちー、ノブさんと鈴木さんである。

 

どうやら彼らの対バンでは定番であるらしい彼らの好きなバンドのパロディ,カバーをやる遊び時間である。

 

まずはサバスのカバーとして、橘高さんがボーカルで歌う。

 

ちゃんと歌う。

 

ボーカルできますね。

 

そして遠目にはよくわからなかったが、次はKISSのオマージュ的なステージと、曲も演奏。

 

しっかり演奏しやがる。

 

そんなお遊びがあって、コラボで作った"地獄のアロハ"を演奏。

 

改めてこの曲のタイトル見ると意味わかんないな。

 

一応当時シングルは買ったが、こんな曲だったんだなと。

 

やっぱり好きなこと詰め込みまくっている。

 

その後は人間椅子の"りんごの泪"、筋少の"釈迦" を演奏。

 

オーケン、さすがにこの曲のサビは出ないか。

 

気がつけば3時間が経過していたが、あっという間でしたね。

 

2組とも演奏は上手いし、長さもちょうど良かったんだろうな。

 

ラストはアンコールで、改めて"地獄のアロハ"の別バージョンで幕となった。

 

 

今日は座りでゆっくり見たけど、いい時間だったな。

 

結構驚いたのが、近くに親子連れでおそらくお父さんの影響だと思うが、小学生くらいの女の子がいて、ずっと楽しそうに曲に合わせてはしゃいでいた。

 

そうか、人間椅子筋少も小学生女子にも刺さるんだな。

 

お父さんは見た感じ私と同世代くらいかな、という印象だったが幸せだろうね。

 

こうした親子連れだけでなく、割と若い女の子も一人できているようで、ファン層の広さに驚いた。

 

また、ペンライトが公式グッズでも売られており、50半ば過ぎたおじさんバンドのライブにして、なんだかほっこりするものがあった。

 

私はみんなで動きを合わせてあれこれするのがあまり好きではないのでやらないんだけど、アイドルのコンサートみたいにこの曲のここではこれ、みたいなのがあって、それはそれでこれくらいのキャリアのバンドとのそのファンには幸せな在り方なんだろうな。

 

楽しかったし。

 

次は6年後なのか還暦なのかわからないが、ともあれずっと楽しく音楽を続けてほしいね。


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