気づけばこのブログ記事もこれで1000記事目。
ダラダラとした感想だったりを垂れ流し続けているだけだが、よくもまあ続いているものだ。
何気にコアなジャンルにおいては検索上位表示も取れており、一部のマニアにはご覧いただいている様だ。
既に始めてから実は10年以上経っているが、たまに思い至った時に書く程度なので義務感がないのがいいなだろう。
ところで、そもそもなんで始めたのかをかんがえると、私は音楽の専門的なことはわからないし、まして技術論なんか語れない。
だけど、音楽を聴いていてえもいわれぬ感覚を味わったり、それで元気になったり慰められたりということが多分にあったので、それを自分なりに言葉にできないかというのがそもそものモチベーションであった。
中にはようわからんぜ、というものもあったけど、その上で自分なりにどう解釈するかというのが自分なりの挑戦だったわけだ。
それは今も根本は変わらないと思っている。
さて、先日来twitterである企画をやっている人がいて、そのフォロワーを中心に盛り上がっていた。
何かというと、名盤と呼ばれているが理解できない作品というもの。
一時名盤ガイドなんかをみて、そうしたアルバムを一生懸命聴いていた時期があったので、挙げられる作品の半分くらいは知っていた。
さらにその中には割とすぐにハマったものもあれば、ある時ふとええやんけ、となったもの、そして今に至るもよくわからないものと、やはりそれぞれである。
歴史的名盤と呼ばれるくらいだから何かしらすごいに違いない、と信じて私なりに色々聴いてはみたけれど、つまるところわからんものはわからん、という結論にしか至らなかったものは数知れず。
そんな人はやはり世の中に少なくなくて、企画の趣旨としても別に歴史的名盤をいいと思えなくたって良いじゃない!というところで、別にあんなの過大評価だ!とかいうことが言いたいわけでもないし、斜に構えて悪口言ったれ、というわけでもないのは要注意だ。
とかくオタクという人は、そうでない人に対してやけにマウントを取りたがるし、この企画でもこのアルバム理解できないとか意味わからん、みたいなコメントをしている人が少なからずいるが、そういう奴がそのジャンルを狭める元凶なんだとなぜ気付かないのか。
これは音楽以外でもある話で、新日本プロレスの今日の成功を支えたブシロードの社長と、オタクが文化をダメにすると明言しているのは有名な話だ。
何せオタクの集まるカードゲーム会社だからね。
ともあれこうして改めて観ると、聴いていた当時を思い出して面白い。
それこそ世界的権威になっているRadiohead、私は一番好きなアルバムは『KID A』なんだが、やはり理解できないアルバムで上位であった。
私も理解できているかは知らないが、ちょうど世を儚んでいるような時期に聴いたので、世界観がずっと入ってきただけなんだと思う。
正直今はほとんど聴かないし。
最初に聴いたのは『OK Computer』だが、これの方が初めよくわからなかった。
でも、ある時ふとええやんけとなって、こちらは今でもたまに無性に聴きたくなる。
とにかく怒ってんな、というのよく伝わってくる。
あと、歴史的名盤とか言われても必ずしも必聴でもないし、何なら人には積極的にはお勧めできない作品も多い。
レディへやJoy Division、Nine Inch Nails辺りは特にそう思うものな。
またロックで歴史的名盤と言われる代表格の一つがMy Bloody Valentineの『loveless』だが、このアルバムは割と聴いてすぐにいいねと思ったが、とはいえハマることはなかった。
1曲目は好きだけど、全体として聞くことってあまりなかったのだが、フジロックで彼らのライブを観た時に急にこのアルバムで何がしたかったかを理解できた様な気がしたものだ。
以来、このアルバムを聴く時は爆音にする様にしている。
しょっちゅう聴いているわけではないので、ご近所さんにはそんなに迷惑かけていないはずだ。
また、古典の部類ではやはりプログレは出てくる。
クリムゾン、フロイド、YESのアルバムが出てきたが、私はクリムゾンとフロイドは今でも聴く。
特にクリムゾンはライブにも行くくらい何故か好きなんだ。
初めて聴いた高校生当時、音楽経験もほとんどなかった中で、当時読んでいたオーケンのエッセーで出てきたので興味を持ったわけだ。
当然理解できたわけじゃなくて、こういう音楽があるんだな、という感じで探る様に聴いていた。
まぁ、半分は厨二病丸出しだったのでやたら大仰な歌詞を理解した気になりたかっただけかも知れないが。
しかし、いくつかのコメントにもあったけどフロイドはプログレとしては聴いてなかったな。
この企画では日本の作品も等しく登場するが、ゆら帝の『空洞です』がゆら帝初体験だったので、それほど違和感なく、なんならいいやんと思って聴いていたので、それ以前のアルバムを聴いた時に逆にびっくりした記憶だ。
普通に追いかけていた人からしたら、そりゃ理解できなかっただろうな。
またはっぴいえんども2枚とも登場、確かに地味だし、私も最初に聴いた時は思った以上に普通っぽいなとさえ思った。
しかし、このアルバムも程なく好きになって、大学の時には夏休みによく聴きながら中庭でボーッとするのが至極だったね。
似た様なコメントしている人がいて勝手に共感したものだ。
そんな感じで自分の思い出も参照しながら見ているのがとても面白く、他方でそういえばこのアルバム聴かずじまいだった、と言ったものもあったので、そうした気づきもあってなおよかったな。
で、そんな中でやっぱりかと思いつつ、私もいまだによくわからないアルバムの代表格が、キャプテン・ビーフハーフの『Trout Mask Replica』である。
改めて思うが、ジャケットからして既に意味がわからない。
やたら目を引く赤ベタでナマズ男がヨッ!て感じで手を上げている。
どういう世界観なんだろうか。
そして音楽も最初からフリーキーで、ボーカル、ベース、ギター、ドラムがみんな揃って揃える気ないみたいな展開で面食らう。
プロデュースは幼馴染というFrank Zappa、こちらはこちらで難解な作品を連発しまくった哲人と呼ばれた存在である。
そのおかげなのか知らないが、アルバム通してどこをどう聴けばいいのかさっぱりわからない。
しかも70分以上とCDのキャパ限界まで詰め込まれている。
さらにこのアルバム、準備自体は数ヶ月かけて練っていったが、レコーディング自体はほぼ1日で1発録りだったそうだ。
私もたまに手を出して、あえて身を任せたり、メロディーを探してみたり、自分の中にある引き出しの類似点を探してみたりと色々な聴き方をトライしてみたが、結局よくわからんという結論に辿り着いた。
でも、やはりたまに聴いてやりたくなる。
なんなんだろうかね。
ともあれ、どれだけ向き合って、こちらが理解しようと努めてもあかん時はあかんのね、ということがわかるので、自ずから人間関係のストレスも薄くなってくる。
わからんものはわからんのだから。
そんな感じで,寄せられるコメントも含めて結構じっくりみてしまった。
私はわからないのは自分だけじゃなかった!ていう安心感みたいなものは別に覚えなかったが、他方でこの瞬間わかったみたいなコメントで共感できるものがあったり、反対に理解できなさについてのコメントも同様である。
またやっぱり飛び出る俺はすぐにわかったけど、みたいなコメントとか、なんか知らんがやたら自己主張強めのリプをしている人もいて、ちょっと苦手な種類の人たちも散見されたね。
人生損してる、ていう切り口で何か勧めてくる人って、はっきり言えば嫌いなんですよ。
名盤ガイドみたいな企画は個人的には好きだし、初めてのタッチポイントにもなるからいいと思っている。
しかし、そんな他人の決めた序列を持って謎にマウントを取ろうとしてくる奴らは要らない。
趣味ってのは楽しむためにやるものである。
また時間を見つけて古典も洗ってみよう。