音楽放談 pt.2

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久しぶりに映画を映画館にみにいく ーThe Killer

今日は久しぶりに映画を劇場へ観に行った。

 

私はDavid Fincherの映画が好きなんだけど、目下最新作だ。

 

元々はNETFLIXにて放映されていたものを、一部映画館で上映となったらしい。

 

すごいな、ネトフリ。

 

以下ネタバレも含むので、未見の方は要注意です。

 

 

この物語は、タイトル通り殺し屋が主人公だ。

 

彼は腕利の殺し屋で、ただ粛々と自らのミッションをこなすプロだ。

 

しかし、ある仕事でミスを犯してしまい、それがきっかけとなり復讐を果たすというのが大枠のストーリーだ。

 

彼は常に心拍数を測るためのApple Watch?をして、計画通りに、思いつきで行動をしない、感情に流されない、とマントラのように唱えている。

 

常に一定のリズムで自分にとってのベストを尽くすためのリズムを持っている。

 

精神の集中のために音楽を聴くのも常なのだが、The Simthが大好きだ。

 

私はSmithはアルバムはもちろん聞いたことがあるけど、そこまで熱心なわけではない。

 

しかし、その世界観くらいは多少は知っているので、殺し屋がSmith?という不思議はあった。

 

ただ、観終わってみればそこはかとなくなるほどと思わないではない。

 

 

物語は小立てているような構成で進むが、冒頭はミッションの失敗。

 

ターゲットが来るのをひたすら待つ日々にいい加減痺れを切らしかけた頃にようやくその時が訪れるが、その焦るが故かターゲットではない対象を狙撃してしまう。

 

その前段でも、彼はささやかな”不安”を口にする。

 

端的にいえば、相手に直接的に手を下す方がいいという話だが、その悪い予感が的中した格好だ。

 

 

そこから事件が転がり始める。

 

ミッションを失敗したことで、彼に制裁が降るのだが、それは最愛の恋人への非道な暴行であった。

 

幸い命は取り留めたものの、彼は怒りに燃えて報復に出る。

 

まずは依頼主、秘書、暗殺者を運んだタクシーの運ちゃん(ただの不運でしかない巻き込まれ)、そして当事者たち。

 

相手も殺し屋なので、綺麗に完遂というわけにはいかないが、彼は見事に仕事を果たす。

 

 

フィンチャーらしいスタイリッシュな演出も満載だが、正直映画としては非常に淡々とした展開だった。

 

ただ、ちょっとずつ彼の人間らしさではないけど、この世の理不尽みたいなものを表しているような展開は面白かった。

 

まず、彼がマントラのように唱えていた仕事前のあれこれについては、徐々に意味をなくしていき、むしろ彼の感情やその場の判断に基づく展開が強くなっていく。

 

音楽を聴いていたのに後半では効かなくなり、血圧を常に測っていたスマートウォッチを外し、挙句彼の仕事前の呪文はターゲットのセリフでかき消されるのだけど、最後まで彼は油断することなく見事暗殺を成し遂げる。

 

ハッピーエンドかどうかはわからないが、とりあえず恋人も回復を観せ、束の間かもしれない安らぎの時間を迎える。

 

 

映画全体にあったのは、人生における不安の払拭というのはあったのかなと。

 

彼は殺しというミッションを確実に遂行するための独自のリズムを持っているが、それが覆った瞬間に気が気で無くなる。

 

また最後のターゲットとなった存在は結局殺されることはなかったが、彼が与えたのは一生に残る不安だ。

 

いつ何時狙われるかわからないという不安を与えることで、一生影に怯えることになったわけだ。

 

ターゲットの一人の殺し屋との会話でも、その辺りはわかりやすく表現されていた。

 

また、劇中ではThe Smithの曲が11曲使われていたらしいが、そのことを軸に考察している人もあり、やはり曲の内容を踏まえてもその観点は間違いなさそうだ。

 

かなりバイオレンスなモチーフではあるが、現代社会でもとにかく不安に苛まれる毎日、その不安は結局のところは消えることはないにせよ、その不安にどう向き合うかが幸せの第一歩だったりする。

 

ま、そんなテーマかはわからないが、いずれにせよフィンチャーらしい展開と皮肉に溢れたセリフなども、個人的には楽しめました。

 

また、今回も音楽を担当したトレント&ロスもいい仕事をしていたので、それをいい音響で聴けたのもよかったね。

 

あまり映画を積極的に観にいく方ではないが、たまにいくとやっぱり音響も手伝って楽しいですね。

 

テレビ画面では味わえあい体験って、やっぱり大事ですよね。