音楽放談 pt.2

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変換期 -Digidogheadlock

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今年、ひょっとしたら一部の音楽ファンがLuna Sea主催のフェスでざわついたのではないだろうか。

かなり幅広い音楽性のバンドが出演するわけだが、その中にAA=とAce Of Psadeの名が。

前者はいわずもがな、後者はあのExileのイケメン、Talahiroがヴォーカルを務めるバンドで、メンバーがインディーラウドロックファンがざわつく豪華っぷり。

ギターはGlayのHisashi、ベースは元RIZEでも引いていたTokieさん、そしてドラムは元The Mad Capsule MartketsのMotokatsuである。

え、TakeshiとMotokatsuz?まじで!とにわかにざわめいたが、あいにく別日出演だ。

数年前にTakeshiとKyonoが同じイベントに出た際には、楽屋風景で一緒に写真を撮っていてファンはテンション上がったが、今回はそんな景色が見られるだろうか。


このように、いまだに再結成が望まれて仕方ないバンドがThe Mad Capsule Marketsであるが、同時に再結成はないだろうということはファンなら誰しも思っていることだろう。

解散の理由が明確に語られてはいないけど、あるインタビューで「マッドとしてのアイデンティティーがなくなった」という旨の発言をしていたことがあったし、TakeshiはAA=でベストアルバムもリリースして順調にキャリアを築いている。

KyonoはWagdugとTCLの2つをやっているが、最近は後者として様々なハードコア系のインディイベントでライブに忙しい。

彼はこういうスタンスの方が今は楽しいのかな。

Motokatsuはスタジオドラマーとして着実にやっている感じかな。

たまにこうしてイベントで一緒になる時にすこしざわついてみるくらいが、ちょうどいいのかもしれない。


さて、そんな彼ら、今聴いても余裕でかっこいい曲をやっていたのであって、最近のラウド系バンドに与えた影響は計り知れない。

今や超売れっ子ベーシストのKenkenや、Dragon Ashは言うに及ばず、Crossfaithも彼らが海外で活動している姿を見て視野に入れたというのはファンならご存知だろう。

ちなみに私が最初にして最後となった彼らのライブは2005年のサマソニだったんだけど、そこでCrossfaithのKoieもライブを見たらしい。

当時彼はまだ高校生とかそんなもんだと思うけど、そうやって夢はつながっていくんだろうん。


それはともかく、彼らがハードコアパンクから当時Atari Teenage Riotに始まったデジタルハードコアに移行する大きな契機となったのが『Digidogheadrock』であった。

その前のアルバム『4 Plugs』でもその片鱗は出てきていたわけだが、彼ら自身も一つの手応えを感じたというが先行シングル(になったのかな?)でもあった”Systematic”という曲。


打ち込みと生楽器の同期、さらに断片的な歌詞やアジテーティブなヴォーカルなど、彼らの後期キャリアの音楽性を象徴するようなものを形にした曲であったわけで、それにより彼らは大きく変容していく。


このアルバムは特に実験色の強いアルバムで、全編にわたって過渡期な感じが強い。

めちゃくちゃ骨太で、ガオウン、ていう感じのギターや、歪ませまっくった独自のベース音はこの頃に確立されたと言っていい。

Kyonoはメロディー的なパートはかなり少なくなっていくし、ドラムは打ち込みと生のダブルドラム状態。

ゴリゴリなサウンドは、曲展開含めて日本的なものからは逸脱していく。

荒々しさも満載で、このアルバムを彼らのベストにあげる声も少なくないし、ポップさとか完成度という視点も含めるとこの後のアルバムの方が当然上なんだけど、私はこのアルバムの男臭さとかゴリゴリとした力強さが大好きである。

歌詞も英詞メインになったのはこのアルバムからで、明らかに世界を見ている。

彼らが世界を意識し始めたのは、『Mix-ism』あたりだったらしいんだけど、このアルバムの政策によって現実味を帯びてきたんだろう。

海外で名をなすようになるのはこの次のアルバムからではあるが、すでに音楽的には世界に通じる強度が十分にある。

評価は分かれるかもしれないけど、個人的には絶対に外せないアルバムの一つである。


最近のハードコア系のバンドと比べれば音の密度や派手さはないし、全体的に地味なアルバムではある。

だけど、これがあったから今の日本の音楽は進化しているところは必ずあるし、何よりこの時期にこんなかっこいい音楽をやっていたバンドがあったのか、と思えるだけで同じ日本人として誇らしくもある。

日本のバンドナメンナヨ!と、彼らの音楽があれば自信満々に言える。

今聴いても色あせないハードコアスピリッツを是非感じて欲しいですね。