音楽放談 pt.2

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懐かしさと本質 -Kyono

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季節はすでに秋から冬へ。

 

まだギリギリ10月だが、今年は何かにつけ流れが早いね。

 

ライブイベントがご無沙汰になって久しいが、配信でも見られるのは嬉しい今日この頃。

 

特にライブバンドと呼ばれるような、本当に音楽を生業にしている人たちは音源自体がなかなかないので、特にそれを感じる。

 

でも、やっぱり会場でワッと盛り上がりたいよね。

 

 

先日Kyonoもソロ名義で2枚目のアルバムをリリースした。

 

Takeshiに比べると寡作にも思えるが、考えてみればWagdug名義で2.5枚(1枚はリアレンジなので)、TCLで2枚、EPだがコラボで1枚、そしてソロ名義で2枚なので、なんだかんだコンスタントに作品をリリースしている。

 

いずれも彼の魅力であるヴォーカルをしっかり堪能できる一方で、音楽的には一貫してハードコア、彼の音楽的志向が色濃く出ていると思う。

 

ただ名義によってやはり少しずつ違って、Wagdug Futuristic Unityは活動初期ということもありいろんな要素がある。

 

1stはバッキバキのデジタルハードコア的な曲が占めていたが、2ndはバンドサウンドであった。

 

TCLは複数ヴォーカルのバンドなので、マイクリレーもありKyonoカラーばかりではにないが、1stはパンク色が強く、2ndはメタル的な要素が強かったように思う。

 

そしてソロ名義も満を辞して、という気もしたがむしろなんでソロ出さなかったんだろう、というところもあるけど、そのあたりはインタビューなどで述べられている。

 

 

私はThe Mad Capsule Marketsからのファンなので、彼らの音楽活動は割とちゃんと追っている。

 

Motokatsuさんのバンドは聴いてないけど。

 

マッドの魅力は攻撃的で激しい曲の中にメロコア的なキャッチーでポップなメロディがあって、ハイファイな音の中でKyonoの咆哮が炸裂している絶妙なバランスにあると思っている。

 

今聴いても余裕でかっこいい。

 

それこそSlipknotは数あるモダンメタルと呼ばれるバンドの中で圧倒的な成功を手に入れられたのは、ヴォーカルのコリーの存在がめちゃくちゃ大きかったと思っているんだけど、マッドについてもTakeshiの音楽的な才能や曲自体の良さはもちろんあるんだけど、そこにKyonoのヴォーカルが乗ることで圧倒的な存在感を示したと思っている。

 

それはAA=を聴くとどうしても感じてしまうところだったりする。

 

Kyonoの活動でもそれを感じるところがあって、曲や音楽的なバリエーションはやっぱりTakeshiの方が強いんだなと。

 

実際ソロ1stについては、好きな音楽だけど、個人的にはあんまり刺激を感じることはなかった。

 

私のような旧来のファンにとっては嬉しいけど、どこか突き抜けない感じというか。

 

全体に「やっぱりKyonoはこういう音楽が好きなんだな」なんて思う一方で、アルバムラストのアコースティックな曲が一番いいなと思ったものだ。

 

実はKyonoの書く曲はヴォーカルメロディが優しいのだろう。

 

今回の2ndを作るにあたり、アコースティックアルバムを作ろうという構想も一時はあったというが、個人的には次は是非作って欲しいと思っている。

 

多分、めっちゃいいアルバムできるんじゃないかと思う。

 

 

ともあれ今回の2ndである。

 

前回同様、feat.も迎えており、前回は割と若い連中が多かったが、今回はDragon AshのKjと10-FeetのTakumaなので、マッド直系の世代である。

 

いずれのコラボも彼らをイメージして曲を作ったというだけあって、いずれも非常にハマっている。

 

Kjとの曲は前半は静かなメロウパート、サビではバーンと弾ける構成で、それこそ”公園へあと少し”の曲構成を想起させるともっぱらひょうばんだ。

 

またDAの”日はまた登る”という曲をKyonoが好きだということもあり、そんな風味もある曲だ。

 

Takumaについても、こちらはよりメロコアっぽい感じかなと思うけど、非常にポップでらしさもありつつ、コラボ曲としてはよくできている。

 

全体的な印象は1st同様に、やっぱりKyonoってこういう感じ好きなんだな、と思うわけだけど、よりマッドぽさみたいなものを感じる曲も多くなった。

 

かといってレイドバックしたわけではなくて、肩の力も抜けた曲が多くて、聴いていてとてもいい気分にさせてくれる。

 

曲の展開の中で、マッドっぽいなと思う例の展開やリフがあるんだけど、そこはTakeshiの曲でも感じるので、彼らが共感していた音楽っていうのがそれぞれのソロ活動からも見られるのは、なんだか嬉しいような気持ちになってしまう。

 

彼の曲は全てそうなんだけど、攻撃的なサウンドの割りに歌詞がめちゃくちゃポジティブ、そのポジティブさもチェアフルなものというよりは、今よりもいい未来を願う、祈るみたいなそういう感じかと思っている。

 

だから嫌な気持ちにならないんだよね。

 

この点も2人の共通点でもあって、面白いなと思うのだ。

 

また、特にKyonoの方が強いなと感じるのは、どこか切なさというか、そんな思いをさせるメロディがあると思っていて、それは個人的な経験と紐づいているだけかもしれないけど。

 

 

だいぶ涼しくなってきたこの季節に聴くにも非常にいい感じの爽やかさと、気分を高揚させるアッパーな展開も併せ持っているので、このアルバムは非常に力作だと思う。

 

最近のハードコア系バンドが好きな若い子にも是非聴いてみて欲しい作品である。

 

でもやっぱり、Kyonoの声はいいですね。


KYONO 「SAILING THE LIFE」 Full Ver. Official Video