ただ緩やかに流れるだけに曲に癒されるばかりではない。
その背景にある大きなものが重要である。
全てを包み込むような、ホワッとした空気が満ちている曲こそ、まさに癒し系。
しかし、そんな軽い言葉で括るにはあまりにも申し訳なくらい、本当にすばらしい曲を書くバンド、それがSuper Furry Animalsである。
偉そうに書いてみたが、まだ2枚しか聴いたことないんだけど。
「Hey! Venus」「Phantom Power」の2枚。
今回は後者について。
このアルバムを買ったのはついこの間であったので、まだちゃんと聞き込めてないんだけど、1曲目、女性ヴォーカルで入り「Hello Sunshine」ではじまるこの曲からして、ふっと空気が満ちるような思いがする。
全体的に緩やかな曲調が続くのだが、とにかく暖かくて心地いい。
洋盤なので、歌詞にはまだ仔細に目を通してないんだけど、言葉のリズムもすごく心地良いペースで流れる。
暗がりでロウソクの向こうから静かに語りかけてくるような感覚がすごく良い。
正直言って、アルバムについてあれこれ書けないんだけど、最近こういう音楽がすごく好きで。
精神的に追い込まれているとき、しんどいときほどしみてくる類いの音楽である。
派手さのない音楽だけど、すごく高揚するし、勇気づけられるような感覚がする。
このフィーリングはなんだろう、と探ってみると、やっぱり精神的な疲労感、すり減っている感じなどが浮かぶ。
同時にその原因となるものあるときは否定し、またあるときは肯定するような、そんな感じであろうか。
あるがままを認めつつ、それでいて前へ進むことをそっと促してくれるような、そんな絶妙な温度。
頑張れとは言わない。
おつかれさまとも言わない。
辞めて良いとも言わない。
やるしかないともいわない。
だからこそ、そこには温かさがあって、明るさがあって、癒される感覚があって、希望があるのである。
こういう音楽は、まさに良い音楽と呼べる類いのものであろう。
ほんと、なんだか助かるよ。