今週の木曜日はアナログフィッシュの久しぶりの単独ライブであった。
20周年を記念した企画ツアーの一環で、基本的には対バン企画であったが、今回は前回のRedClothに続きデビュー当時の会場でのライブという趣向、セットリストも『KISS』から『Rock Is Hermony』までの楽曲に絞ってのライブであった。
昨年くらいからサポートで入っている浜本さんも今回は不在で、久しぶりの3人でのライブというのも不思議と新鮮に思える。
さらに打ち込みの同期もない、まさにデビュー当時のギター、ベース、ドラムのトリオである。
会場は下北沢Shelterということでかなりギチギチであったね。
「心は24歳だけど、体は41歳です」というやや自虐のMCから始まって、1曲目は"BGM"からであった。
この曲は今でもライブでちょくちょく演奏されるのでレア感はそんなにないけど、楽曲のみずみずしさがこの日を象徴しているようでよかったね。
そしてここからのセットリストが熱かった。
これまで結構ライブには足繁く通っているし、過去曲をやろうというコンセプトでやっているKyoto To Tokyoというライブにもここ何年かは毎年行っているにも関わらずライブでは聞いたことのない曲が満載なんだけど、今回はそれらをバンバン演奏してくれた。
2曲目から"City""Living In The City""チンパンジー"などレア曲満載。
さらに"Queen""ハーメルン""処刑台に立って"などやや重たい曲もばっちり決める。
その上"Iwashi""Town"" 紫の空"ときて、ここで一旦MCを挟んで"Ticket To Ride"。
昔の曲って改めて聞くとめちゃくちゃ複雑というか、展開がぶっ飛んでいる。
下岡さんも苦しそうにギターを演奏していたり、序盤は歌詞を飛ばしたり、最近はサポートの人もいれていることもありここまでがっつりギターを弾くライブも久しぶりだろう。
歌のキーも高いので、大変だったらしい。
その後もアルバムリリースツアー以来という"月の花"、バンドverの"ナイトライダー2"、そして"僕ったら"も演奏された。
これは痺れたね。
かなりいい曲だと思っているんだけど、ライブではほとんど演奏されていないから。
ラストに向けては"Hello""Magic" "アンセム""スピード"と演奏して本編は終了となった。
私は最近はやはりリリースの若いアルバムを集中的に聞いているが、やっぱりかこの曲もいいんだよな。
面白いのは、『KISS』はみずみずしい希望に満ちたような曲から今につながるようなミニマルな曲まで幅広く収録されている。
『Rock Is Hermony』はなんとなくメジャー感があるというか、そういうスケールがある。
アルバム未収録の曲の方がラフさと好き勝手感があって何気に漏らしてはいけない名曲もたくさんだ。
正味2時間弱くらいのライブだったが、今ではほとんど演奏しない曲も満載だから、改めて練習したんだろうなというのがよくわかるし、最近の曲はアンコール含めて一切演奏しないという潔さも素晴らしい。
埋もれさせるには勿体無いしね。
まあ、演奏する彼らはしんどいと思うけど。
ともあれ、やっぱりファンとしてはこういうのは本当に嬉しいし、しみじみ「いい曲だな・・・」なんて思って聞いていた。
何よりやっぱり楽しそうな彼らの姿がとてもいいんだよね。
普通の仕事でもなんでもそうだけど、熱を持ってやっている人と話すのはすごく楽ししい刺激的でもある。
こうしたエンタメの世界では、演者が本気かどうかってものすごく重要だと思っているので、それを自然に演奏やライブの佇まいから出てしまうような彼らはやはり魅力的である。
いけるライブは基本全て足を運んでいるんだけど、何回見てもいいし、同じ曲でも何度聞いてもいいし、どうにも聴きたくなることがある。
あの空間が幸せなんですよ。
好きな音楽の好きな理由はいろいろあって、曲が好き、歌詞が好き、このフレーズが好き、声が好き、人によって、アーティストによってそれも違うけど、彼らについては私は本当に全部好きだね。
20周年の聖地巡礼、最後は秋葉原での単独で、そこではインディーズ時代の曲で構成するという。
これも楽しみ。
今後も出来る限り新しい曲も書いて欲しいし、元気にライブも続けて欲しい。
活動のスタンスや、キャラクター含めてとても良心的で素晴らしく、楽曲も歌詞もめちゃくちゃ高レベルなので、是非もっと多くの人に聞いて欲しい存在である。