音楽放談 pt.2

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音楽の音楽的なもの -ナツフィッシュ

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今日は2年ぶりとなる夏の恒例ワンマン、アナログフィッシュのナツフィッシュであった。

彼らは毎年特定の時期にいくつかの恒例ワンマンをやっており、2月はKyoto To Tokyoというレア曲ワンマン、10月10日は魚の日ということでTownmeeting、そしてこの時期がナツフィッシュだ。

昨年はライブ活動の一時休止をしていたので見送られたのだけど、今年は無事開催となった。

しかも明々後日25日には新譜の発売もあり、今日はその先行販売もありましたね。

ファンとしては満を辞しての開催だし、東京でのライブも結構久しぶりなので、楽しみだったね。


ライブ活動休止期間を経て以降はサポートにRyo Hamamotoさんを入れて、かなりロック的なアレンジのライブとなっていた。

音源ではむしろ非ロック的な音楽を展開しているため、そのコントラストは非常に面白いんだけど、今日もロックなアレンジ満載であった。

ライブ定番曲もしっかりやりつつ、あまりライブでやっていなかった曲や、新譜からの曲も演奏されたので、相変わらず満足度は高かった。

中でも”戦争がおきた”のアレンジががっつり変わっており、はじめそれと気がつかなかった。

『最近のぼくら』では『Rock Is Hermony』収録の”公平なワールド”が不穏なアレンジで再録されていたが、それとは真逆なベクトルである。

もともとは淡々として静かな曲なのに、ポップで明るくなっているのが驚いた。

テーマとしてはとても重たいものなんだけど、曲だけ切り取ったら普通にかっこいいロックソングである。

これがアレンジの面白さだろう。

また新しいアルバムに収録の”Time”という曲はもうだいぶ前からライブでは演奏されていたんだけど、当時のアレンジとはだいぶ変わって、やはりアップテンポな感じになっていた。

今の彼らのモードが現れていると言っていいだろうね。

まさに代表曲の”アンセム”も、ここ数年は健太郎さんのヴォーカルが少し穏やかな感じになっていたんだけど、今日はかつてのような明るくて勢いのある歌い方になっていたので、やっぱりこの曲はこうだよね、と思ったものだ。

全体にそうした若さというか、そういう歌い方になっていたから、彼らの表現のベクトルが向いている方向もよく分かるよね。

「僕らはただのロックバンドです」と最後に言い放ったのは復帰後間もなくのライブだったと思うけど、まさに彼らは今そういうスタンスなんだろう。


音楽を聴いていて面白いなと思うことの一つが、同じ言葉でもメロディやアレンジが違うだけで響き方が変わるということ。

彼らは社会性が高いバンドの部類だと思うけど、一方で歌っていることはごくありふれた日常だったり、普遍的な葛藤だったりで、聴く人を選ぶようなものではない。

文学性も高いと思うけど、素直に受け取っても十分に意味はわかると思うし、楽しめるはずだ。

それをこうも多彩に音楽的な味付けをされて届けられると、やっぱり感動したりするんだよね。

ていうか、そんな小難しいことを置いておいても、ライブ中の彼らはいつもとても楽しそうだし、政治的なアジテーションなんてもちろんないからただいい曲を楽しく聞けるから、本当に時間を忘れる。

今日も都合2時間半くらいだったけど、あっという間だったな。


これから新譜も聞くんだけど、こんなに次の作品が楽しみなバンドは最近珍しい。

もちろん好きなバンドはたくさんあるんだけど、こと音源でこうも期待しているのはあまりない。

別に発売日にこだわらないし、なる早で、くらいの感覚なんだけど、彼らの曲は早く聴きたいもの。

すでにアルバムは11枚目とかになると思うんだけど、それでも作品ごとに進化している。

音楽的な面では幅を広げているし、歌詞においては本当に見事に深みを増していっている。

彼らももう40代のアーティストになるけど、それだけのキャリアでまだ行くかというところでも素直にすごいと思うし。


9月にはまたワンマンがあるので、それも楽しみ。

何度行っても彼らのライブは楽しいし、新作はいつも楽しみだ。

日本にこんなバンドがいてくれるのが本当に私は嬉しいね。