今日は勇んでOgre You Assholeのライブへ。
前回は12月の2部構成で行われたときだったが、1時間ほどのショートセットだったのでどうしても物足りなさがあったのは正直なところだが、とは言え仕方ないかというところであった。
今回のライブは元々3月に開催予定だったものが延期されてしまって今になったわけだが、結果的に私にとっては好都合であった。
昨日は私の誕生日であったが、この1週間がめちゃくそ忙しかったので、せめてご褒美くらいあってもいいいじゃないか。
祝ってくれる人があるじゃなし、一人仕事終わりの重たい頭を抱えて酒を飲んで過ごしたのだ。
明日からしばらく引きこもるよ。
さて、最近のアルバムはある種向こう側感のある彼らだが、ライブではますますジャム感というか、シューゲイザーとはちょっと違うけど歌パートよりも演奏パートで好き勝手にやっており、ともすればファン置き去りのようなライブが常態化しつつある。
それでも彼らがすごいのは、その世界観に引きつける圧倒的なライブ力だろう。
音源とは全くと言っていいほど違う音楽をライブではやっている。
今回は会場はO-EAST、考えてみたらいつもリキッドだったので、このキャパで彼らのライブを見るのは初めてかもしれない。
まあ、どっちにしろ久しぶりのライブだ。
ただ楽しみ。
今回はセットリストもこれまでとかなり変えてきており、最初の曲が”他人の夢”である。
是非歌詞を調べてみてみて欲しいけど、彼らなりに今の状況を鑑みてのセレクトかな、とか思ったり。
彼らの音楽は、、元々社会性を感じるものではないと思うし、歌詞も抽象的というか観念的というか、そういうものが多いと思うが、文脈がハマると急に状況を抉り出すような感覚になるのは、彼らの作家性というものだろうか。
選曲についても、かなりそこは意識的だったんじゃないかなという気がするが、先にも書いた通り歌っている時間よりも演奏でぐんぐんしている時間の方がいつも以上に長かった。
それと同時に、いつもとは違う意味でのアグレッシブさというか音の強さみたいなものがあった気がする。
彼らの音源は穏やかでスカスカな曲が近年は特に多いけど、ライブは反面ノイズ的な轟音の渦巻くような音像が凄まじいわけだけど、そうした要素はもちろんありつつ、音の一つ一つがすごく主張してくるようなそんな印象だった。
言葉にするのは難しい、ニュアンス的なところもあるんだけど、そんな感じがしたんですね。
緩急の付け方も見事だし、言い方が正しいかわからないがダンスミュージック的な演奏だった。
音源とはアレンジもなにも変わりまくっているので、曲によっては歌を聞いてようやく気がつくこともあるくらいなのだけど、曲間を見事につないでいく様みていると、めちゃくちゃ練っているなと唸らずにはいられない。
もっとも聞いている時はそんなことよりもとにかくずっと気持ちよくて、本当に時間という概念がぶっ飛んでいく。
本編は実質1時間半くらいだったんだけど、途中時間が飛んでたんじゃないかと思ったくらい圧倒いうまであった。
本編ラストの曲は新曲だろうか、彼らの近年の曲とはだいぶ様子が違ったが、歌詞が轟音の中で聞き取れなかったのでよくわからなかったけど、凄かった。
いやもうね、全部凄かったの。
その後アンコールでは、会場のサイドステージで演奏が始まり途中から徐々にメンバーが本ステージに写っていくというちょっと変わった演出。
サイドステージではスピーカーではなくアンプからしか音が出ていないので、迫力はもちろんだいぶ違うが、逆にこういうものかと思っていたら演出でおおとなんだかにやけてしまった。
曲は彼らの代表曲の”ロープ”のロングver、20分くらやっている。
プログレか。
しかし、最後まで最高でした。
ライブの価値っていろいろな側面があって、もちろん目の前で好きなアーティストのパフォーマンスがみられるという素朴な楽しみはある。
他方で、やっぱり馬鹿でかいスピーカーで爆音で聴くからこそ体中に響いてくる音がリスニングではなくそれとは異なる体験になるのはとても大きなところだと思う。
重低音は心臓に響いてくるし、ギターノイズは頭を掻き回してくる。
途中、ギターの人の風貌も相まって一瞬Bo Ningenばりのノイズをかましてきてグラグラしてしまった。
これって家でスピーカーで聴いていてもえられない経験だし、会場だからこそなんだよな、やっぱり。
久しぶりに忘我の境地にもなれて、最高に楽しかったな。
その余韻に浸りながら酒を飲んでこの文章を書いているが、芸術は須く生で体験するべくものだと改めて思ったね。
変な配慮なんてしなくてもいい世の中に、早くなるといいね。