今日は仕事も早くに切り上げて筋肉少女帯のライブへ。
私が青春時代に毒されたアルバム『レティクル座の妄想』リリース30周年記念ライブということで、SNSで告知を見かけて、川崎のチケットを抑えた。
が、後からよく見たら月末にリキッドでもやる予定だったようだ。
そっちの方が物理的に近いのでこっちにすりゃ良かったな、と少し思ったが後の祭りだ。
私の個人的な思い出は以前以下の記事に書いている。
高校生だった当時、このアルバム収録の"蜘蛛の糸"を部室で友人たちにしこたま紹介していたが、今にして思えば少し心配されていたかもしれないなと思う。
まぁ、キャラ的にネタとして捉えられていた可能性もあるが、いずれにせよあの時に出会っていなければ、今は違う未来にいたかもしれない。
そんなわけでいざ川崎。
今回は指定席ということで、椅子も設置されており好例者の多くなってくるライブにおいてはナイスホスピタリティだ。
道中オーケンの衣装を模した特攻服的な物を着込んだ人もまあまあいるし、バンドのキャリアを反映したようなそれなりの年齢の人に混じって私より若い子も散見された。
いつの時代にも暗い子はいて、そんな彼らにとって響くところがあったのだろうと当時後追いで聴いていた私は思ったものだ。
ちなみに私が高校生だった当時はオーケンは特撮をやっており、筋少はうっちーとおいちゃんの2人体制だった頃のはずだ。
既に解散していると思っていたので、こうしてまたこんなところでライブを観ているなんて、当時は思いもしなかったものだ。
いうてライブ見るのは3回目くらいなんですがね。
ツアー初日なのでセトリは詳しくは書かないが、基本的にはツアーテーマであるこのアルバムからの曲が中心だ。
この間久しぶりに音源も聴いていたのだけど、改めて聴いてみると当時より演奏など歌以外にも耳がいくのだが、そうするとかなり重厚感のあるギターだったり、転調しまくる曲だったり、思い切り歌謡曲だったりと、めちゃバラエティに飛んでいる。
その上歌詞の世界観もかなり強いので、やっぱり相当変わったバンドだなと思う。
オーケンの歌詞はともすればコミカルなところもある中、演奏チームはガチだからな。
ギターの橘高さんはメタル界隈ではかなり有名、オリジナルメンバーでもあったエディはクラシック畑のプロピアニストとしてアルバム出してる。
ドラマーだけはサポートだが、セットも多く手数も多いラウド系ドラマーだ。
おいちゃんもかっこいいギター弾いてるし、うっちーは渋いベースをかましている。
昔から演奏力の高さも評価されていたバンドではあったが、そんな人たちがオーケンを面白がりながらやってきたんだろうなという感じもする。
不思議なバンドである。
とりあえず、ライブはかっこいいという話である。
ところでMCが長いで有名なオーケンだが、今日も絶好調展開していた。
もはや漫談の域に達しつつあるが、とはいえ今日は特に見切り発車感が強かってようにも感じたね。
還暦も間近に控えているので、その所作は徐々におじいちゃん化している。
元々猫背なので、余計にそう感じてしまうが、特に1曲おいちゃんが歌っている時は、ペンライトを持ってウロウロしており完全に徘徊である。
それでも許されるのがこの男である。
当時の思い出話も本当かどうかもよくわからないが、面白かったからそれでいいか。
ちなみにライブは2部構成のようになっていたが、第2部は実質トークショーであった。
最近こんな感じなのか。
せっかくの熱量を積極的に下げていくスタイルだが、客も基本大人なので自己責任で盛り上がっている。
中年てのは強いんだよね。
そんなこんなで、なんやかんやアンコールもやって終演となったのだが、丸っと2時間だ。
時間の割にそんなに曲はやってないが、楽しいライブでしたね。
最近ライブの楽しみ方みたいな話が話題になっていて、個人的にもあのみんなで手を上に上げて前後するみたいなやつなんなんだろうと思っていたのだが
、筋少のライブではある意味そういう様式美を楽しみに来ている人が多く、またバンド側もいい意味でビジネスライクにそれをやっている感じがあって、こういうあり方もあるよなと思ったり。
それこそ昨日はクラフトロックで彼らのキャリアより遥かに若いバンドたちを見たわけだが、そこの客層とは全然違う属性の人たちなんだろうけど、結局それぞれでしかないからね。
まぁ、乗り方はほとんど一緒だけど。
数年前に"50を過ぎたらバンドはアイドル"という曲をリリースしているが、それ出せるのはオーケンだけだ。
ファンのほとんどはわかっているし、なんならバンド側もメンタルも実はそんなマインドなんじゃないかと思っていて、それは別に悪いことではないんだよね。
彼らのようなあり方も、一緒に歳をとってくれるバンドとして、ここからのファンはもう離れないだろうね。
今日はこの曲やってないけどね。