音楽放談 pt.2

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ジョンとポールなアナログフィッシュ

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三連休の最終日、アナログフィッシュのライブである。

 

今回は2部制で、健太郎さん曲オンリーと下岡さん曲オンリーでそれぞれ開かれるというか企画ライブ。

 

実に16年以上ぶりとの事。

 

普段は交互に曲を織り交ぜているのでそれぞれのカラーが出ていて面白いのだけど、こうして片方だけに寄せてのライブがどうなるのか、ソロライブもやっているけど、アナログフィッシュとしてはあまりない機会なので感じ方含めてどうなるか楽しみだった。

 

 

まずは健太郎さん会。

 

ロディアスな代表曲満載だし、あまり政治的な色の強い歌詞は少ないので、バンドにおけるキラキラサイドだと思っている。

 

歌メロも強いので、シンプルに楽しめるライブだろうなと思っていたけどやっぱりそうだった。

 

ライブ定番の比較的代表的な曲を網羅しつつ、"世界は幻"のような普段やらない曲も。

 

ただ、改めて思うがタイアップ系の曲は健太郎さんボーカルばかりだね。

 

"スピード""Showがはじまるよ""Radio Star"など、全部やってくれたんだけど、声質が強いし伸びやかだからやっぱり映えるよね。

 

ちなみに、ここ最近私は体調がフィジカル、メンタル共によくなくて、正直始まってすぐはなかなか入り込めずにいろんなノイズが頭の中を巡って仕方なかったんだけど、ライブが進むにつれて素直に楽しめる状態になっていったのですよ。

 

別に問題が解決したわけではないが、少なくとも気持ちが少しでも救われた感じがして。

 

健太郎さんの歌詞はともすればうじうじして自己嫌悪にまみれたようだ内容も多いんどけど、ライブでの彼は一貫してポジティブな空気を放っている。

 

それに救われるような思いがいつもするんですよね。

 

今日も最高でした。


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ちなみにライブ中では一曲州一郎さんが歌う場面も。

 

Beatlesの"O Bradi O Brada"の日本語verという。

 

普段コーラスは当たり前にしているが、やっぱり新鮮だよね。

 

あきらかにお祭りしようなほのぼのした歌い方がなんかよかったね。

 

また、アンコールではお互いの楽曲交換ということで、"抱きしめて"の健太郎さんverも披露された。

 

下岡さんの場合はどこか朴訥とした歌い方が全体的に柔らかいムードにしてくれるので、楽曲のイメージもそうした印象になるんだけど、健太郎さんが歌うと力強さもあり、単純に歌唱力があるのでまた違う味わいが出てこれまためちゃくちゃよかった。

 

今度こういう楽曲交換で企画アルバム出してくれないかな。

 

ライブでもいいけど。

 

あと余談だが、浜本さんがNine Inch Nailsの『Pretty Hate Machine』のTシャツを着ていて、図らずも昼間これ欲しいなぁ、とか思って見ていたので、やけに気になってしまった。

 

 

そんなわけで転換のために一旦外へ。

 

時間が微妙に空いたので近くでラーメン食べながら待つことに。

 

而してのち時間となったので再入場。

 

 

今度は下岡さん曲のセットリストだが、こうして完全に楽曲を分けてライブやるとほんとに別のバンドだよなと思う。

 

本人たちも言っていたけど、なんで一緒にやってんだろうね、なんて下岡さんが冗談めかして言うのを少し焦ったような悲しそうな顔にもみえた健太郎さん。

 

まあ、このバンドが解散することは多分ないだろう。

 

それはともかく、健太郎さんは割とストレートなロックンロールなライブだったのに対して、ヒップホップにも傾倒している下岡さんなので、より実験色もあるライブに。

 

"はなさない"ではカセットでやるDJ卓みたいのでノイズも出したりして、まだまだやりたいことたくさんあるんだろうな、なんて言う野心も感じたり。

 

やはり言葉が強いのだけど、特に『荒野』からの曲は"チアノーゼ"とかもやったんだけど,パンチ力あるな。

 

また"平行"も演奏されて、考えてみたら多分この曲をライブで聴いたのは2回目くらいな気がする。

 

いずれにせよシリアスな顔にさせる展開だ。

 

しかし、多分その辺りはかなり意識してだろう、言いたいこと、今表現したいことは前半で固めて、中盤以降は近年の曲や、逆に初期の曲を演奏しつつ、なんと3曲も新曲を披露。

 

ただ、曲調は初期の感じに近かったのでお蔵入りの曲とかなのかと思ったんだけど、歌詞はいかにも最近の表現なので、今は立ち返っているたいみんぐなのかもしれない。

 

ともあれ、久しぶりの"Town"や"Hellolも演奏されて、まさに過去と未来を行き来しつつ、その上で今を提示したような野心的なセットリストであった。

 

もっとも、もっと野心的だったのはこのシリアスな空気を見事に引き裂いた健太郎さんの掛け声と州一郎さんの"イエローサブマリン音頭"だ。

 

健太郎さん会の曲を聴いて模試やと思っていたが、本当にやるとは。

 

明らかに空気が変わったのが面白かったんだけど、彼らがバンドを解散しないだろうなと思う理由はこういうバランスにあると思っている。

 

 

下岡さんはインタビューでもしばしば健太郎さんのことをロマンチストと表現しているけど、実際歌詞を聞いてもそれが鮮明で、現実に向かわせる強さが下岡さんにはあるが、夢を見させてくれるのは健太郎さんなのかなという感じもしている。

 

SNS』がアルバムとしてはそれが一番顕著に出ている作品だと思うけど、こうしてライブで感じるものを鑑みても個人的にはそんな印象だ。

 

それぞれの世界がちゃんとあるし、100%どちらに偏っているわけではもちろんないから、どちらのライブも物足りないとかの感覚はないんだけど、でもお互いが交互に展開するライブの方が、やっぱりアナログフィッシュだなと感じる。

 

もしイエローサブマリン音頭がなかったら、ちょっとシリアスになりすぎたかもしれないし。

 

それはそれでいいんだけどね。

 

ともあれ、下岡さんは既に次のフェーズに入っているらしく、曲自体はデビュー時に近いテイストで、歌詞は今を更に深めていくような表現なので、引き続き楽しみだ。


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そして注目のカバーは、意外や"Fine"を演奏。

 

健太郎さん本編でも演奏されたので、その意味でも意外だったし、もう少し歌いやすい曲もあるのにあえてこの曲を選んだ意図が気になるところだ。

 

ひょっとしたら、下岡さんの中で欲しているまっすぐなロックンロールテイストが、この曲とそれを演奏する健太郎さんからはほど走っているので、次の作品に向けてこの感じが欲しかったのかもなとか思いつつ。

 

つい叫び出しそうな健太郎さんがちょっと面白かったけど、ともあれ曲もキャラクタも色々違う中で、このバンドのバランスがどこにあるのかが見えたような思いだ。

 

 

今回のツアーから、セルフカバーアルバム第2弾もリリース、新譜に近いくらいアレンジを変えているので嬉しい限りだ。

 

昔の曲もしょっちゅうアレンジ変えているので、他のバンドのカバー含めて企画版の宝庫である。

 

来週は延期になったビルボードの遅れてきた夏フィッシュだ。

 

本当にずっとライブとかやってるな。

 

ファンとしては嬉しい限りだ。