気づけば毎年恒例となっているイベントがあって、私の場合は大規模な何某でもないし、私的な何某でもなく好きなアーティストの単独とかプロレス興行である。
恒例にしてしまうと恒例であるが故に行かんといかんという観念に駆られてしまい、行きたいわけでもないのについ行ってしまう、なんていう因果に見舞われないとも限らないが、幸い私はそんなことはなく、毎度喜び勇んで足を運んでいる。
そりゃそうだ、そもそも好きなんだし、そこには1ミリの惰性もない。
素敵なことである。
そんな恒例イベントの一つがOgre You AssholeのLiquidroomでのワンマンだ。
コロナ以降は1時間強の2部制で行われている。
よく考えるとこの方が彼らにとっても身入りがいいのだろう。
ファンとしては2時間くらいたっぷり浸りたい思いはあるわけだが、彼らの音楽も大概凄まじいので実はこれくらいの時間ボリュームの方がいいのかもしれない。
昨年は別のライブとまさかの日程被りになってしまい行けなかったので、今年は無事足を運ぶことができたのであった。
ていうか、別の行っている時点で既に恒例になっとらんやんけ、という話はあるわけだが、ここでは詳しくは触れないでおこう。
さて、そんなオウガであるが、つい先月もD.A.Nとの対バンで日比谷の野音でも観ている。
そこで観た彼らは以前からまたモードが変わっており、まさかのダンサブル方面のアレンジが加わっており、展開もブレイクみたいなところを設けたり、楽器ではなくつまみをいじってみたりと演奏形態そのものも変わっている。
おやおや一体何事かと思いつつも、ライブ自体はやっぱり最高だぜ!とテンションが上がったものだ。
今回はワンマンということで、さらに磨き上げられたものを期待するわけだ。
会場もリキッド、しっかり音も出せるはずだ。
そして今日のワンマンもその方向性で展開、ラストもかつての定番”Rope”ではなく”見えないルール”の激烈ダンサブルアレンジだ。
演奏自体、歌は鳴りを潜めてインプロに近い展開があって、それが非常に心地いい。
以前の彼らのライブの音像は、音の渦がぐわーっと迫ってくるような感じだったと個人的には思っているのだけど、今はまた違う感じになっているのが面白い。
初期の曲も変わらず織り交ぜつつ、音源ではスッカスカな近年の曲群も爆音アレンジで、やっぱり彼らはライブバンドだなと感じる。
しかし、かつてのあの轟音の渦が恋しいのも事実、彼らも着々変わっていて、それがまたかっこいいから文句はないんだけど、あれにぶっ飛ばされる年末もいいのよ。
ま、そんなことは言っても仕方ない。
願わくばあの頃のライブをDVDとかにも落として欲しいな。
本当はかの野音がそうなる予定だったのかもしれないが、台風みたいな日だったもんな。
ともあれ、こうしてライブ見られるのはいいですよね。
2部制の第一部だったので、時間的にも早めに終わったので、帰ってゆっくり酒を飲んだのであった。
個人的恒例ライブは、残るは年末のTha Blue Herb、会場はもちろんリキッドだ。
先日見たばかりなので、このスパンで彼らの単独を見るのもなかなかないけど、嬉しい限りだ。
次のアルバムも楽しみである。