音楽放談 pt.2

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金は汚くない

先日、TOKIOの福島復興支援関連の活動に費用が支払われていた、と言ってニュースになっており、なぜかがっかりしたというような声が少なくない数で見られた。

 

もちろん、そんなの当然だろという声も同じくらいあったと思うけど、いずれにせよ何をやるにも金がかかるし、ただなんてものは世の中にはない。

 

まして彼らはタレントで、その存在でお金を稼いでいるわけだから、そんなのは当たり前である。

 

それに、本質的に復興の支援したいという思い自体は本物だろうし、それによって当の福島県にとってポジティブキャンペーンになっているなら何よりではないだろうか。

 

 

この件に限らずだけど、しばしば気になるのは、日本人の多くは今だにお金は汚いもの、いいことは無償でするべき、というような価値観を押し付ける人が少なくないということ。

 

押し付ける、とかいたのは自分でやるのは嫌だけど、他の人はそうするべき、という一面的な価値観だと感じるから。

 

その奥には、常に自分が損している、あるいはしたくないという思いが強いのかなと感じる。

 

それらは会社のためにサービス残業はするべきという人とか、人が頑張っているのに自分だけ先に帰るのはダメとか、そういう変な価値観にも通底するものだと思っている。

 

理由は?と聞いても、謎の連帯責任的なことを言うわけで、この価値観って何に根差しているんだろうかと本当に思う。

 

それこそフリーランスでやっている人たちの言葉でもあるのが、友達価格でやってとか、知り合いなんだから無償でやってくれ、ということを平気に言われることに腹がたつ、というものだ。

 

そりゃそうだ、それって要するにプロの仕事を舐めている発言でしかないからだ。

 

私も以前個人でやっている友人に仕事を依頼したことがあり、その人は特別価格でやりますよ!と言ってくれたが、そこは真っ当な価格でやってもらった。

 

理由は、サービスってのはお金を払ってでも欲しいと思うものであるからお金を払うわけで、それはきちんとするべきと思っているから。

 

飲食店とかでも同じで、金を取るのに云々という声はよくみる。

 

私も同じ気持ちになることはもちろんあるが、その店にああだこうだ文句をいうよりも、二度といかなければいいだけなのである。

 

よほど危害を加えられたのなら別として、その価値がないと判断すればその自由があるんだから。

 

なんか勘違いしている人って少なくないし、しかも本人はそれが当たり前だと思っている。

 

 

この手の話は先のTOKIO同様芸能の世界では特に多いようだ。

 

それこそコロナの件で顕在化したが、それでも多くの人が彼らは普段遊び歩いていて、好き勝手に生きているように見えるらしい。

 

会社に所属していないとか、ある意味では生活必需品ではないのでそう見えてしまうところもあるだろうが、一方で収入は安定しないから、結構リスキーな人生でもある。

 

そのあたりは元Moon Childのササキオサムさんが以前やっていたScriptというユニットの楽曲でもリアルに謳われている。

open.spotify.com

自由でいいね、なんて言われるがクレジットカードの審査も通らない、という嘆きと皮肉に溢れた結構名曲だと思っている。

 

それはともかく、歌でもなんでもお金儲けみたいなことを歌ったり、そのためにやるのは邪道だと思われる様だが、その辺りを真正面からぶった斬っているのはTha Blue Herbだ。

 

MCのBossはライブでも明確に自らの活動を「これは金儲けのためにやっている商売だ」と断言する。

 

ただ、それは耳心地いい表現ととにかくエンタメ精神溢れたわかりやすいライブを提供しているという話では全然ない。

 

ファンならまあ当たり前に知っていることだが、彼はデビュー当時からずっと自主レーベルでやっており、インディペンデントを地でやってきている。

 

その中で全国流通も得て、ライブでは全国津々浦々まで行くのでそのポスターはずっと剥がさずに飾られているとか。

 

音源は数年に1度、リリース後はツアーをやって、DVDでまとめ、というのがずっと続く彼らの活動だ。

 

そのライブのMCでしばしば「これは商売だ、安くないチケットを買ってきてもらっている、だからこっちもめちゃくちゃ練習して、ライブごとに改善してクオリティを上げていく」ということを話している。

 

正しいと思う。

 

確か4枚目のアルバムの時だったと思うが、価格が3000円以上と普通のアルバムと比べると少し高い価格帯になったことがあり、それに対して一部ファンから明らかに利益率上げていて云々というコメントがあがった。

 

それをみるとがっかりするというか、明らかに割高にした設定に云々というが、結局アーティストにとって音源が収益になるのは基本的には新品での販売のみだ。

 

中古市場に出回った瞬間に何度売買されても収益はもう上がらないのだし、彼らのように何枚もリリースする様なタイプのアーティストでもないし、ましてレコード会社に所属しているわけでもないインディペンデントだから、そりゃ自分たちの収益をいかに保っていくかを考えるのは真っ当な経営判断だ。

 

実際音源は最高なんだし、ライブも最高なんだし、DVDも最高だし、文句なんか1mmもない。

 

マーチについても欲しければ買うし、そうでもなければ買わないだけ。

 

直近ではDVDを2枚同時リリースしたが、私はどっちも公式先行で購入。

 

昨日は25周年ツアーのものを見たが、今夜はソロのライブを見る予定。

 

いい時間を提供してくれている。

 

この音楽が私にとって活力になっているのだから、とても大きな価値がある。

 

その活動のためには金がいる。

 

喜んで払うよ。

 

 

日本人もいい加減貧乏根性丸出しで、清貧なんて価値観ばかりにとらわれてないで、金取るべきは取る、その分価格に見合った価値を提供する、それを徹底することで好循環になっていくだろ。

 

結局安さは言い訳にもなりうる。

 

価格に見合ったもの以上の期待なんてしないから。

 

その見方の方が結果的にストレスも少ないんだよな、がっかりしないから。

 

ともあれ、日本がどんどん後進国になっていく理由ってこう言うところにも出てくるよね。

 

金に汚いのはよくないが、金は汚くないから。

 

欲しがりません、勝つまでは、なんて時代じゃないからね。


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