最近洋楽の日本盤にはボーナストラックは当たり前として、CDエクストラとしてPVが収録されている事も多くなった。
単純に洋楽CDの売上げがかつてほどない事と、洋楽を買うにしても、今やネットで音源が流布してしまっている状況なので、何かアドヴァンテージがないと売れないと言うのが大きいだろう。
時間制が重要でもあるから、日本先行発売なんてのも増えているしね。
それでも売れないのが今の世の中である。
要するに、既に需要がないのかもしれない。
それでも私は相変わらずCDで買っている。
洋楽も邦楽も。
私の場合は単に収集癖が在るだけだが。
そんな私に取ってそうした日本盤の特典はありがたいが、一方でボートラ以外はどうでも良いと言えばどうでもいい。
結局曲が聴きたいのだから。
洋楽系アーティストでは、時に太っ腹な人もいる。
例えばLCDなんかは、見た目も含め、1stアルバムが2枚組で、しかも2枚目も名曲ずくめという太っ腹ぶりであった。
関係者からしたら、別々に出せばもっと儲かるのに、と言う話だろうが、既に出した音源だから、と言う理由だったそうだ。
これぞアーティストというものだ。
そんな太っ腹なアーティスト2010は、先日も書いたBroken Social Sceneである。
2枚目ではなく、あくまでCDエクストラという形ではあるが、ミニアルバム並のクオリティがあった。
データとして入っておったのですね。
で、このボーナスは本編とは全く趣を異にする作品で、これはこれで出してくれても買っている。
これ単体で金を出す価値は十分にあると言えるのである。
全体的には非常に静かで、穏やかで、夜に聴きたくなる曲群である。
最近では、特に会社帰りの疲れた電車内で聴いていると心地よくて仕方ない。
アコースティックでありながら、随所にちりばめられたアレンジが凝っている。
収録時間は10曲で20分かそこらだが、その尺もちょうどいい。
もう少し聴いていたいという気持ちと同時に、ちょうど気持ちを落ち着かせてくれる長さでもあるのである。
本編が昼間に聴いていたい音楽だとしたら、こちらはまさにその反対側にある。
あくまで優しさとぬくもりだけはそのままに。
だからこそすごく癒される思いもするし、全く別のものとして存在している。
いわゆるアウトトラック集ではないのである。
洋楽を聴かない人の聞かない理由は、概して歌詞の意味が分からないから、という。
しかし、音楽の楽しみ方はもっと多様だし、そんなこだわりと言うか、レッテルと言うか、それを捨ててしまえばもっと世界は広がるし、もっと面白い事が増えて行くはずである。
音楽性の好みは在るから、最終的に好きか嫌いかは別れると思うけど、それは結果論だし、まずは聴いてみるのもよろしいかと。
特にこの時期には各誌でベストアルバムとか、そんなのも発表されるから、そういうものを参考に新たな世界を覗いてみるのも良いんじゃなかろうか。
とりあえず、BSSはオススメである。