音楽放談 pt.2

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音楽は時代を超える ―ばちかぶり

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最近日本のバンドをまた聴くようになっている。

別になにか特別の理由があった訳ではないのだけどね。

友人からは日本人のバンドを借りる事の方が多いので、ありがたい事に放っておいてもそれなりに紹介してもらえるのである。

最近借りていいな、と思ったのはHeavenstampというバンド。

女性のヴォーカルが特徴的で、UKロックの薫りを感じるバンドである。

まだEPしか出してないが、日本のバンドっぽくない曲と非常にポップな歌メロ、そして表現力豊かなヴォーカルと、多分これから売れるだろうな、ていう感じがする。

ていうか既に売れているのか?

彼等の曲で特に出色と感じるのが"Morning Glow"という曲。

切なさというフィーリングを非常にうまく表現している。

特に女の人の支持を集められそうな曲だと思うけど、とりあえず聴いてみてほしいですね。

幸せ真っ盛りな人にピンと来ないかもですがね。


さて、そんな新人バンドを聴く一方で、私は日本のロックが次第に世間に認知され始めた80年代頃のアーティストに非常に興味を惹かれるのですね。

例えば、パンクシーン。

INUスターリンあぶらだこといったある種カルト的なバンド達。

あるいはじゃがたらとか、有頂天とか、なんかアングラ臭の拭いきれない濃いバンド達が良いのですね。

そんなバンドの一つがばちかぶり。

知っている人はかなりコアなパンク野郎ではなかろうか。

実はこのバンドのヴォーカルは田口トモロヲである。

最近俳優やナレーターとしても仕事の幅を広げているので、多分知っている人もたくさんいるだろう。

少年メリケンサックという宮韻△いの主演した映画でも、バンドのヴォーカル役として出ていた。

始め観たときにはわからなかったが、歌った瞬間なんか聴いた事ある声だな、と思ったらこの人でした。

そう、この人は歌い方が非常に特徴的なのですね。

当時はあぶらだこの模倣ともいわれたようで、歌の中で自嘲的、かつ確信犯的に歌っている。

まあ、はっきり言って大衆受けなど全くしないその音楽は、だからこそアングラ臭がたっぷりで素敵なのである。


私はもちろんリアルタイムで聴いた訳ではなく、近年出たナゴムレゴード(有頂天のケラが主催したインディレーベル、筋肉少女帯電気グルーヴもここでした)の過去音源ベストみたいなアルバムで聴いたのですね。

そもそおCD音源はこれ以外出ていないのではないだろうか。

それくらいコアなバンド。

このCDは2枚組で各ディスク1時間ほどと、非常にボリューミー。

1枚目はパンクサイド。

アングラ臭しかしないハードコア系。

歌詞も下劣だし、まあぶらだことかその辺のバンドのオマージュ的なバンドと思われても仕方ない。

ただ、”Only You”という曲の歌詞は割とまっとうなラブソング。

とはいえ、殺し文句は「君の子を産みたい」である。

激しいね。

2枚目はファンクサイド。

じゃがたらが好きだという事でその影響を強く感じる。

こちらの方がオリジナリティが強い気がする。

音楽的にはこっちの方が面白いと思う。

歌詞を観ても、単にメチャクチャなパンク期よりも面白いし。

中でも”大貧民”という曲は大好き。

人生て、別に希望とかもなくても笑っておこうぜ、という変なポジティヴィティ。

ここが地獄で何故悪い、という開き直り方は、ある種現代的な感じもするな。


ばちかぶりは現在活動休止中という体らしいが、恐らく再始動はないだろう。

それだけにこのベスト盤は非常にありがたい。

この頃のバンドの人はやはり非常に多才で、町田町蔵は今や芥川賞作家。

ケラは劇団主催して一定の評価を得ているし、筋少電グルも、音楽その他で多方面で活躍中。

ミチロウは今はアコギを持って独自の表現を模索中、今も変わらぬハードコア精神。

あぶらだこはバンドとして変わらずライブも行っていて、カルト感を強めている。

じゃがたら江戸アケミは既に他界してしまっているが、この頃に出てきたバンドって本当にエネルギッシュだったんだな。

ちなみに今や世界のBoredoms山塚アイは、当時はハナタラシとしてハードコアノイズバンドとして活動していた。

もはや都市伝説並にぶっ飛んだバンドだったので、興味がある人はググって下さい。

数々の伝説(事件)を起こしているから。

表現衝動という奴が今時のバンドとは桁違い過ぎて、ちょっと間違っちゃった感はあるんだろうね。

それ故に今の成功は目を見張るものがある。

田口トモロヲは俳優、ナレーションとテレビで活躍中である。

ちなみにこのジャケットデザインは蛭子さんである。


話は大分ずれたが、日本のバンドも昔のに限らず良いバンドはいる。

冒頭のHeavenstampや、8otto、LITEといった新人、Back Drop Bomb、AA=、Wagdug Futuristic Unityのような90年代のAirjam世代など、面白い要素は一杯だ。

私は洋楽の方が聴いている数は多いけど、別に洋楽コンプレックスなんてない。

それ故に日本のばかりにこだわって、わざわざ洋楽聴く必要なんてないね、ていう人は詰まらん奴だと思う。

好みはあるのだろうが、変なこだわりは視野を狭くする。

古くても、海の向こうのでも、別に何でも良いのである。

極論アイドルでも良いと思うけどね。

ピンと来るか来ないかは、聴いてみて判断するのが正しい在り方だよね。

まあ、私はやはり今のJ-POP的な音楽は聴いてもピンと来ませんが。

聴いてみると言うことがまずは重要なんですよ。