この頃は洋楽情報が極めて少なくなってきていると嘆いて久しい当ブログであるが、雑誌ですらメジャーと言われる連中以外は扱おうとしないというのは嘆かわしい限りである。
ジャンル不問も総合洋学雑誌として老舗のロッキンオンもTalor Swiftとかを表紙にしてくるくらいだから、もはやロック雑誌ではない。
まして売れているものしか扱わないのであればもはやアイドル雑誌と変わらないではないか。
Cross BeatもSnoozerもなくなった今、もう少し気を吐いてほしいところだ。
もっとも、ウェブ媒体でもないからどうしても最低限度の費用は稼がなければならないから、それも致し方なしか。
サインマグに期待しよう。
さて、そんな感じでちっとも情報誌でも扱われなかったので見逃してしまっていたが、我らがCoralがいつの間にか新譜を出していた。
昨年の9月くらいに出ていて、もちろん日本盤は出ていない。
どころか2000年代にあれだけ衝撃を与えたバンドかつその後も良曲を量産しまくった素晴らしいバンドなのに、輸入盤情報すら出さないとかあり得ないだろうと思う。
たまたまアマゾンを回遊していたら見つけたのだけど、全くこまったものだ。
で、そんなCoralのメンバーも結構ソロ活動をしていて、数年前にドラムのIan Skellyはサイケデリック前回のアルバムを出していたが、既に脱退してしまったがギタリストのBill Rider JonesやヴォーカルのJames Skellyもソロを出している。
全部買って聴いているけど、メインソングライターであるJamesのソロだから当然その楽曲に注目が行く。
Coralの近作ではデビュー当時のサイケ色がやや薄れてかなり王道な楽曲路線であったので、多分そういう方向性だろうとは思っていたけど、思っていた以上に王道なUKロック。
そしてやっぱり、期待に違わない良曲満載である。
レコーディングにバンドメンバーもほとんど参加しているし、アートワークやプロデュースにはIanの名前も。
またSkellyという人がその他数人いるため、多分家族なんだろうと思う。
そんなホームメイドなソロ作だが、1曲Paul Willerとの共作もあるため、その辺りはやっぱりUK色を強めて行くよね。
楽曲はIanのアルバムとは打って変わって、ストレートな仕上がり。
でも基本的な楽曲の良さがあるから、とにかく聴いていて心地いい。
また彼のCaptain Beefhaertみたいなしゃがれた声が更にいい味を出している。
デビュー当時のフリーキーな楽曲ではイカれ具合に響いていたのが、落ち着きに変わっている。
純粋に楽曲の良さで良いアルバムに仕上がっている。
やっぱりこれが才能というものだろう。
こんなアルバムが日本で紹介されないなんて。
最近はアヴァンギャルドなものも相変わらず聴いているが、こういう純粋な楽曲で勝負しているようなアーティストもやはり聴いていていいものである。
ちなみにCoralのアルバムも期待に違わず良い仕上がりである。
前作までだとそれこそクラシックな色合いだったが、今作はやや初期のようなサイケ色も戻りつつという作品である。
また機会を見て感想を書きたいですね。