電車の中でもあれこれ検索をしては読みあさっているのだけど、いやはや便利な時代だ。
それにしても、雑誌メディアは半ば広告宣伝物でしかない時代があったが、最近はまた面白い記事も増えている。
個人的には淡々と楽曲について語るよりは、そのアーティストの価値観なり背景なりを語るものの方が興味深い。
やっぱり芸術というものは内側から出てくるものだから、そのベースに成るものを知ることでなるほどなと思うこともある訳ある。
で、最近読んでいて面白いなと思ったのは新譜を出したアナログフィッシュ。
あれこれ探していたら前々作の『Newclear』あたりのものまで見つかったのでそのあたりのものも改めて読んでいると面白いよね。
バンドの関係性なんかもすごく面白いバランスで、このバンドに観られるメンバーの近さと言うのはこういうところから来ているのかな、なんて思ったりね。
それこそ前作は佐々木さん作の曲が2曲だけとなったのだけど、そのときの佐々木さんのジレンマなんかも語られているのがなんだか良かったね。
以前ブログでも書いたけど、その時のジレンマを払拭するように出したソロ作は非情に良いアルバムだった。
素直に良い曲だなと思える良作で、未だに飽きずに聴いている。
個人的に斉藤さんの立ち位置ってどんなかな?と思っていたのだけど、この人は良い意味でプロに徹している感じである。
すごくバンドを客観視している一方で、2人のソングライターのやり取りを観つつ受け止めているというのがなんとも素晴らしい。
ある意味一番の職人タイプなのだろうね。
そしてバンドの音楽性についてはやはり下岡さんが握るところも大きいらしい。
ソロアルバムを聴いても佐々木さんはやはり正統派というか、一方で下岡さんの方が色々やりたい人なんだろうね。
実際アレンジが楽しいという発言もあったし。
それと歌詞から音楽を作る、歌詞ありきだというのもすごく印象的である。
彼等の曲には本当の意味での歌があるといつも思うのだけど、やっぱりそこに対する意識がこうやって出てくるんだね。
改めて彼等の曲を聴く時に、良い参照点になるよね。
その他、Plasticzoomsのヴォーカルで実質音楽の全てを作っているSyoのインタビューもあったのだけど、彼等周辺だとリリーズやノベンバ当たりがいる訳で、3バンドでBODYSというイベントもやったりしているため、改めて聴いているのだけど、彼等の音楽に漂う雰囲気がやけに好きで、特にそれが色濃いなと思うのがリリーズとこのバンドなのだけど、その理由がわかったのですね。
彼のインサイトの変化というのがちょうど語られていたのだけど、彼の価値観や人間観みたいものもあって、それがどう変化して、それが音楽にどう現れているのかというのがよくわかるものだった。
そして、その価値観というのがなんだか私自身もよくわかることで、更に図らずもリリーズの新作リリース時のインタビューと語られていることが本当に同じで、だから共鳴したんだろうね。
この人は見た目にかなり激しい格好をしているのだけど、そこからは想像できない感じの語り口で、それも面白かったけどね。
楽曲の音楽的な解説はそれはそれで面白いところもあるけど、一方で私のような聴き方をする人にとってはそういう切り口ではない方が面白かったりする。
ロッキンオンて割とプロモ的な内容が多いのであまり読まないのだけど、やっぱりこういう切り方も新しいリスナーの開拓にも寄与しそうだし、何より曲そのものを楽しむためにも必要だよね。
もちろんすべてを語ってもらう必要なんてないのだけど、読み物としても面白いのはこういうのだな、と個人的には思うのであった。