音楽放談 pt.2

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小休止107「ラブソングのあれこれ」

ポップソングの王道と言えばなんと言ってもラブソングだろう。

反骨の音楽、ロックと言えどもエルヴィスの昔から今も残っているのはそのジャンルである。

一つは時代背景を持った所謂社会的な音楽というのは、時が変わればリアリティがなくなるから一つの参考資料、テキストになってしまうだろう。

それがローカライズされればされるほどその傾向は強くなるし、仮にリアルタイムであっても焦点が絞られるほど当然だけど他人事にしかならないから、聴く状況をより選ばれるジャンルになってしまうだろう。

一方でラブソングはそもそもの根っこは普遍的だし、国や人種や文化や、もっと言えば種族さえ越える普遍的な概念になるから時代よりも内容によりフォーカスされやすいのは間違いないだろう。

All Need Is Love。


ところで、一言にラブソングと言ってもいくつかに分ける事が出来るだろう。

わかりやすいところで言えばそのラブの対象である。

家族愛、友人愛、恋人愛などなど、最近であればペットとかもあるのかもしれないが、何に対して歌う曲かというのもポイントなんだろう。

それこそエルヴィスの"Love Me Tender"なんかは恋人同士の歌だろう。


ちなみに私はエルヴィスはちゃんと聴いた事ないので、今度ちゃんと聞き直します。


一方みんな知っている平和ソングの代名詞、ジョン・レノンの"Imagine"は人類愛と言ったところなのかな。


こちらは90年代のオルタナ系アーティストが集まったスーパーバンド、A Perfect Circleのカバーverである。

フロントマンは今もって謎多きプログレメタルバンドToolのヴォーカルのメイナード、その他スマパンのジェイムズ・イハなんかも参加している。

こんなダークでも世界をLoveだ。

Beatlesつながりで行くと、彼等の曲の中でも一部では最高との評価も高い"She Loves You"。


まだアイドルだった頃の彼等のライブ映像があったので載せてみたが、狂ったような女どもの絶叫で曲が聴きとりにくい。

いつの時代もアイドルとはこういうものかもしれないし、一方でライブで無闇に絶叫する女ども、これがお前らの姿だ。

頼むからちゃんと曲聴こうぜ、と思う。

あの絶叫ってなんだろうね。

なんて話はともかく、この曲は好きな彼女の好きな人は友人だった、チクショー!!みたいな実は切ない曲なんですよね。

「あの子お前の事好きなだってよ!(涙)」みたいな感じで、愛の複雑さを暗に孕んだ曲でもあるだろう。


と、昔の洋楽の曲を一先ずいくつか引っ張ってみたけど、日本ではどうだろうというと、伝統的には家という概念の下での愛を歌った曲が多いのかなという印象である。

まあ、これについては私自身の知っている音楽の偏りが故だと思うけど、例えばフォークソングでも演歌でも、夫婦の歌でも有名な曲は昔ながらの家督制というのかな、そういうテーマの曲が多い気がする。

さだまさしの”関白宣言”にしても、風の”22歳の別れ”とか。



でも吉田拓郎の”結婚しようよ”とかはもっとプライヴェートなあなたと私の歌か。

この辺りのテーマとか背景の在り方って、やっぱりある時期から変わったりしたのだろうか。

知っている人がいたら教えてほしいな。


其れはともかく、最近のJ-POPに置けるラブソングのスタンダードは基本的にあなたと私の世界だし、個人的には愛というよりは恋の方のモチーフが多いように思う。

何が違うかと言えば、恋は感情、愛はもっと安定的にあるものという認識なのだけど、基本的に感情を元にした曲の方が売れているんじゃないかなと思っている。

特に若い子に支持される曲ほどその傾向は顕著だろう。

尤もそれは多分日本に限った事じゃないし、先の曲達もその感情の曲だとは思うから、共感を得やすいのはそういう感情なのかもしれないね。

そもそも共感と言うときの「感」はまさにそれだからな。

そんな視点に立つと、私の大好きなアナログフィッシュの"Baby Soda Pop"の曲の歌詞に瑞々しさを感じる理由がわかる気がするね。


世の中で流行るラブソングに今一共感できないな、なんて感じる人がいたとしたら、それはきっと恋を知らないからですよ。

間違えてはいけないのは、そう言う人が別に冷たいとか、人間的に愛がないとか、そう言う事ではないという点である。

個人的に恋は感情の一つだと思っているから、その意味ではある種の感情が人よりも表出し辛いのは間違いないとは思うけど、そう言う人の方が、愛は深かったりするんだぜ、なんて。


さて、今回一体何を書きたかったという話なのだけど、一言にラブソングと言っても愛と恋でモチーフが微妙に違うよねということと、流行るのは概ね恋の歌ですね、ということである。

だから私は流行の歌には昔からあまり共感できなかったし、一方で最近しみじみいいなぁと思って聴く曲もラブソングではあったりする訳だけど、歌詞の受け取り方も幅が広がってくるとその対象が見えてくるからフラットに評価できるようになってくるんだろうね。

多分一般的とされる中高生はイマジンとか聴いていい曲と思っても染み入ることはないだろう。

まだ感情の生き物だから。

だけど、少し年を取ると視点も変わるから、きっと愛の本質と言う奴が、わかるようになるんじゃないかな。

まあ、今の世の中は愛のない世界が広がりつつあるし、きっと多くの人が感情のそれと勘違いしているからちょっと狂ってんじゃないかと思うよね。


ともあれ、これは一体何愛だ?と言う事を考えて聴いてみると、また違って聴こえてきて面白いんじゃなかろうか。

最期に2つ、大人のラブソングと、ある意味子どものラブソングを。

Feist "1234"

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