音楽放談 pt.2

SEO強化をしていこう。

NatsuFish!! -アナログフィッシュ

イメージ 1

昨日は毎年恒例のツアー「NATSUFISH」であった。

今年はファンからリクエストを募ってその中から曲をやるという企画があったり、これまでで一番の長尺セットでやると宣言していたりと、今の彼らの上り調子の彼らのモードが現れていた。

会場はファンが集まっているのでいい感じに盛り上がっていたし、メンバーも終始リラックスしたムードもあってなんだかよかったな。

なんやかんや数ヶ月に1回くらいのペースでアナログフィッシュのライブは見ているけど、最近は曲数も増えて、その度にこれまで聞いたことのなかった曲も聴けるのはやっぱり嬉しい。

それに定番曲でもその時々によって響き方も変わるから、そういうのも面白いのである。

今日は都合26曲ほどやって、時間にして2時間半ほどの長丁場だったのだけど、本当にあっという間だった。

1曲1曲かなり聴き入ってしまったな。


最近の彼らのライブは、冒頭は"Phase"からスタートすることが多い。

これは彼らなりの今という時代へのスタンスを表明しているのだろうと思う。

この曲の「失う用意はある?それとも放っておく勇気はある?」というラインはやっぱりすごい。

そこから序盤は新譜から、中でも下岡さんの曲が立て続けに披露されて、"No Rain, No Rainbow"も。

え、ここでやっちゃうの?と思ったけど、そこからがこのライブの本番みたいなものである。

健太郎さんの”LOW”は旧曲の中でも割とよく披露される曲だけど、この曲の感じってやっぱりこの人の根本の一つが現れている気がするね。

「僕が歌を歌うのはアイデンティティとかそんなんではなくて・・・」というところが好き。


ライブ中盤でリクエストタイムになったのだけど、ここで披露されたのは5曲。

やはり初期曲と、やや谷間的な時期の『Life Goes On』から2曲だった。

"Iwashi”から始まったけど、こうしていろんな曲を聴いて思うのはやっぱりいい曲が多い。

この曲もなんというか、いい感じのフィーリング。

仕事から帰って一息つきながら聴いたらこれはいいですよ。

同じく『Rock Is Hermony』から”マテンロー”も演奏されたけど、こうやって改めて聞くといいんだよな。

そしてかなり、そうとういい曲ながらあまりライブでは披露されていない”Life Goes On”も演奏されたのだけど、この曲は本当にいい曲。

すごく前向きというか、優しい歌詞の曲なのだけど、曲の終わり方もまたいいのである。

何かを見送るような感じがまた・・・。

”Light, Bright”も披露されたのだけど、このアルバムってやっぱりその前後とはちょっと毛色の違う曲が多い。

もっといろいろやってほしいよね。

ちなみに途中ドラムのハイハットが壊れるというトラブルが発生。

すると、即興で下岡さんと健太郎さんが”Queen”を演奏しはじめる。

なんでコレやろうと思ったかわかんないけど、なんていいつつ、歌詞忘れてるし。

でも、ちょっと得した気分だ。

歌詞を忘れた下岡さんを健太郎さんがフォローしてたりね。

いい関係性のバンドだと思う。


リクエストが終わるとまた通常ラインナップの曲へ。

”Anthem”も披露されて、さらに”Fine”もやったらラストに向けての流れである。

健太郎さんの右腕グルグルがあって、その後に来たのが最近のラストの定番”Hybrid”。

この曲の歌詞のアンビバレントな感じもまた秀逸だ。

最後は愛で終わるのが重要だよね。


と、通常であればここで終わるが今回はもう少し続く。

ここでは久しぶりの”抱きしめて”が演奏された。

ややアレンジバージョンながら、この曲は好きだな。

この曲も彼らのキャリアの中ではちょっと異質な感じのする曲だと思う。

この曲で本編は終了。

シリアスな曲ではなく、こういう暖かな曲で締めたのは彼らなりのこのイベントへの思いかもしれない。


今回はその後2回アンコールがあったのだけど、そこでも懐かしい曲が披露される。

健太郎さんの”行くのさ”という曲だけど、なんだか今の私には妙にしみましたね。

ある意味彼らしい前向きさのある曲で、ロックってこうだろ!って自分に言い聞かせながら突き進もうとするような歌詞がなんかいいよね。

「嫌な気分なんてそのうち消えるさ」ていうのが、妙にいいんだ。

1回目のアンコールはこの1曲ではけたのだけど、その後Wアンコールでは2曲。

そこでは”出かけた””Nightfeever”が演奏されて終演となった。


年代も跨いで聞いてみると、初期曲は妙に90年代っぽいというか、熱っぽい曲調だと感じる。

彼らのデビュー自体は2000年になってからなのだけど、ちょうど影響された音楽のせいだろう。

一方で近年の曲はやっぱりちょっとスタイリッシュな感じがするというか。

下岡さんのギターの使い方とか、健太郎さんのベースラインもミニマルなものが多くなっているし。

歌詞の内容についても下岡さんの場合、4畳半の部屋から外を眺めて思いふけるような視点で描かれている印象があるが、今はもっと高い視点と目の前の現実が融和しているから、それだけ表現力が上がったということだろう。

健太郎さんは感情に基づく表現が多い感じがするのは変わらないけど、最近の曲だとそこから少し距離を取ったような視点で描かれるものが増えている気がする。

でも、根本には彼なりのロックっぽさ、みたいなものがずっとあって、そういうところが熱っぽさを失ってない要因かなと思う。

2人に共通しているのは、自分と外のあり方に何かしらのズレみたいなものを感じていて、そことの付き合い方みたいなものを常に考えているような印象のあるところかもしれないと思っている。

いずれにせよ、彼らの音楽はほんとうにこう、いい具合に染み込むのである。


そんな感じで非常にいいライブであったね。

何回聴いてもやっぱりいいし、その時々の自分の状態によっても響く曲も違うけど、それだけ彼らの曲の幅もあるということだろう。

新曲も披露されており、年内には何かしらのリリースがありそうだ。

10月のタウンミーティングのチケットももう抑えたし、対バンイベントも引き続きあるようなので、これからも楽しみである。

ほんと、いいバンド。

”行くのさ”