
私の音楽の趣味がいわゆるメジャーフィールドからふみはずすきっかけとなったのは、中学時代に手を出したオーケンの本、そして当時中部地区でやっていたラジオのせいだ。
そもそもオーケンに興味を持ったきっかけは音楽とは全く関係ないし、別に彼のタレント活動のファンだったわけでもない。
だいたいこの人が音楽をやっている人だと知ったのは本を読んでから。
当時はまだインターネットも今ほど普及していない時代だったので、調べる術なんてなかったから。
ともあれ興味を持って本を読んだりしている間に色々なアングラアーティストを知り、そこから何かのきっかけに爆発して、こんなインターネットなんていうものが普及してしまったばっかりに今はこんな体たらくだ。
ちなみに私が紹介している認知度低めのアーティスト名を検索すると、このブログがまあまあ上位に表示される。
嬉しいことだ。
で、私をこんな道に連れ込んだオーケン、最近は筋肉少女帯でロッキンオンフェスの常連となっているし、年配だけでなく若年層にも知れ渡りつつあり、一方で盟友の人間椅子ともスプリットだしたりと、今は本業で絶好調である。
彼はもう一つ、特撮というパンクバンドもやっているのだけど、最近は2つのバンドを並行して活動している。
ライブも精力的にやっているので、充実していることだろう。
そんな彼は、ライブではある演出が話題になったことがある。
今ではすっかり馴染んでいるのかもしれないが、一時本当にやばいんじゃないか?と囁かれていたり、メンバーもその間苦笑いするしかない、という状況だったのだが、慣れというのは恐ろしいものだ。
トップ画にも後ろ姿が出ているが、ぬいぐるみのブースカを我が息子とのたまって、色々の服を着せたり、腹話術(実はただの裏声)で話をさせ、自宅には専用部屋まで設けるほどのかわいがり具合である。
なお、名をボースカと呼ばれている。
40過ぎ、もう50か、その男がぬいぐるみを可愛がる姿は不気味ではあるが、実は世の中には存外多くのぬいぐるみを可愛がるおっさんがいるらしい。
今日も朝テレビにいとうせいこうが出ていたのだけど、この人は最近オランウータンのぬいぐるみを可愛がっているとか。
あるとき急に可愛いと思えてきて、今では「俺のことをわかってくれるのはこいつだけだ!」と思って可愛がっているとか。
その他、谷原章介さんもそうだというし、カミングアウトしていないだけで実は多いだろう。
かくいう私も幼い頃はぬいぐるみ大好きだったし、実家のタンスには今も小学生の頃に北海道旅行で買ったキツネのぬぐるみが眠っている。
でもこう、やっぱりふわふわしたものっていうのはなんとなく安心感を与えてくれるし、可愛いものは嫌いではない。
そもそも男がそんなものを可愛がるのは変だ、というのは完全に社会的な通念でしかなくて、だからぬいぐるみ男子などと言って話題になるのは、〇〇女子などと言って取り上げられるのと構造的には同じだろう。
いいじゃないか、誰も迷惑してないし。
私も頭が古い方なので、大の男がぬいぐるみに話しかける姿をみたらびっくりしてしまうが、でも否定はできないし、なんなら気がついたら将来自分がそうなっていないとも限らない。
それになにより重要なことは健全に生きてることだから、裏側でどうだろうとそれはいいのである。
結局この記事のテーマが何かと問われれば、なんとなく思ったから書いただけだし、なんなら音楽の話なんてしていないから完全に中身のないものを無理やりそれっぽくしただけだ。
だからせめて、最後にこの音源を載せて終わろう。
MCと併せてオーケン劇場を楽しんでほしい。