The Nationalのデスナー兄弟がGrateful Deadのトリビュート盤を企画した、と言って話題になった。
アメリカのインディ系アーティストを中心に60組、かなりの名前が並んでいる。
日本ではThe National自体あまり認知されていないが、本国では数万人規模を平気で集める人気バンドである。
派手さはないが渋くていい曲を書いているのだけど、日本ではあまり受けないタイプだろう。
それこそR.E.M.と位置付けは近いかもしれない。
一方のGrateful Dead、いわゆるデッドについてもも向こうではぶち抜けたバンドなのだけど、日本ではそんな扱いはない。
まあ、それだけ本質的な意味でアメリカっぽい音楽なのかもしれない。
それはともかく、私はGrateful Deadはアルバム1枚しか聞いたことがないけど、このトリビュート盤は聴いてみたいよね。
でも、高い。
そんなわけで今日はトリビュートとかカバーの話。
以前に一度リミックスとカバーというテーマで書いたことがあったけど、そちらは批判的に書いた。
今回はむしろ好意的な内容にしたいと思っている。
と、いうわけでひとまずトリビュートの話。
まずはこちらどうでしょう。
ただでさえ好きな曲を好きなヴォーカリストがカッコよく歌っている。
ほぼ原曲ままなのだけど、イヤほんと、かっこいい。
私が買ったトリビュートでいうと、Back Drop Bombのやつもよかったね。
参加アーティストも彼らの同世代バンドを中心に、若手も出ていて一つのシーンのようだ。
ちなみによかったのはNovembersとLITE。
前者はパンクで疾走感ある楽曲をダウンテンポでドローンなアレンジをしていて面白い。
後者は歌のある曲をインストアレンジだ。
ヴォーカルパートのメロディをギターで再現する、こちらもテンポを落としたどっしりしたアレンジに。
ちなみに楽曲はそれぞれ"Mastadabestha"”Remaind Me”である。
トリビュート曲で一番ぶっ飛んでいるのはやっぱりTha Blue Herbの”未来は俺らの手の中”であろう。
原曲はご存知ブルーハーツの”未来は僕らの手の中”、スリーコードパンクって感じでしょ。
Ramonesとかみたいだよね。
それをHerbがやるとこうなる。
ダブっぽい楽曲にラップ、歌詞も全く違うものになっているが、楽曲の持つテーマはしっかり継承されている。
もともとはブルーハーツのトリビュート企画で依頼されて制作されたものだが、あまりに違うため御蔵入り、のち普通にシングルとしてリリースされたと言われている。
しかし、名曲だ。
ところで、トリビュートといっても基本的にはカバーと何が違うのかと考えてみると、なんだろうね。
まあ、企画としてトリビュートという名義をもっているという感じだろうか。
一人でやる場合はカバー集と言われるが、複数のアーティストが参加するコンピになると、トリビュートの名の下に集まった方がわかりやすいのだろうね。
単にそれだけの違いだろうと思うから、まあ気にしなくていいだろう。
それよりも、普段聴かないアーティストでも好きなアーティストのカバーを通して聴くことで、あ、いいじゃん、となることもあるので、ぜひいろいろ聴いてみることをお勧めしたい。
というわけで、他にも幾つかのカバーを紹介してこの記事は終わろう。
"Smells Like Teen Spirits" by Robert Glasper Experiment(ジャズ&ダビーアレンジ)
"Maps" by White Stripes (Yeah Yeah Yeahsのカバー)
"Love Tears Us Apart" By Depech Mode
最後は日本語の曲。
はっぴいえんどの”夏なんです”のカバー。
”夏なんです” By Yuck
カバーしているのはイギリスのバンド、Yuckで、元Cajun Dance Partyのメンバーが組んだと言って一瞬話題になったが、その後地道に活動している。
日本人メンバーがいるため、1stの日本盤ボーナストラックとして収録されている。
今年来日も決まっており、東京となぜか広島でライブする。
シューゲイザー入ったギターの心地よい楽曲なので、ぜひ機会があれば聞いてみてほしい。