音楽放談 pt.2

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チルな波 -Toro Y Moi

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今年は本当に新譜が続々出てきていて楽しい限りだ。

今月は末頃にCharlotte Hatherleyがリリース予定、7月にはBSSにArcade Fire、9月にはLiarsにThe Nationalと、もう何回も書いているけど嬉しい限りだ。

すでに先行してシングルを出している人もあるが、私はあまりそういうのは聞かない。

アルバムとして聴きたいという思いがあるし、あれこれ期待きたりするのがなんか嫌なのだ。

こうなるんじゃないか、という予測をするのも楽しいのは確かなんだけど、自分に都合よく考えてしまうのが嫌なのですね。

好きなアーティストにはその好きな理由があって、それは自分が彼らに求めているものになることが往往にしてある。

新しいアルバムが出ると無条件に喜ぶ熱心なファンもいるだろうが、一方で今回のはちょっとちがう、と思ってしまう人もたくさんいる。

それは結局それぞれに期待しているものが違うからそういう反応になるんだろうけど、ある意味ではそうしたファンの反応から、そのアーティストのニーズのあり方みたいなものも見えてくるように思う。

それこそ何出しても歓迎されるのは、もはやアーティストではなくアイドルの領域だろうし、ずっとらしさを見せるような場合はある種の伝統芸でファンが固定化している可能性が高い。

ただ、逆に変化をこそ期待されることもあって、次の一手はなんなんだというベクトルの期待値もある。

どれにしたって、当人たちにしてみれば困ったことなのかもしれないけど、でもやっぱり聞く側としてはそういうのはあるよね。


最近は同じタイプの音楽性のアルバムを出し続けることにはやや批判的な空気があるように思う。

常に新しいことに挑戦して、アルバムごとに違うものを示し続けるというのは生半可ではないし、それで一定以上のクオリティのものを出す人は実際すごいと思うしね。

それをあえてやっている人たちもいるけど、それを普通にやっているような人もいて、そういうのを見るとこの人って天才の部類なんだろうなということを思うのである。

個人的にRadioheadとかDamon Alburnとかって前者的な人なのかなという気がしている。

もちろん才能自体は天才的なんだけど、ひらめきよりも知的に詰めていくタイプの人なのかなというイメージがある。

もっとも、どちらも全然熱心には聴いていないんだけどね。


一方でなんとなく天才的な感じがしているのはToro Y Moi。

トロイ・モアとカタカナでは表記されるけど、いわゆるチルウェイブというような括りで注目され始めた人である。

チャド・バンディックという確かアジア系の人だったと思うけど、もじゃもじゃヘアーに丸メガネという割と印象的な見た目の人で、ぱっと見本当にアジアの大学生みたいだ。

だけど、彼はToro Y Moi名義以外にも様々な活動をしていて、かなり多作なアーティストだと思う。

Toro名義ではアルバムは5枚出ていて、2011年くらいからアルバムを出しているからほぼ1年に1枚くらいのペースで出している。

うち1枚は25曲くらいのボリュームのものをフリーダウンロードでふらりとリリースしていた。

他にもLes Sinsとか本人名義とか出していて、この間も他のアーティストとのコラボアルバムも出していたね。


私は彼の大ファンというわけではないけど、気がつけばとりあえずToro名義のアルバムはすべて持っている。

なんとなく聴いているといい感じに心地よいのである。

好みとしてはチルウェイブ的な初期3作なんだけど、今は1stを聴いている。

そもそもチルウェイブって何?と聞かれると上手なレビューはできないが、肩に力の入っていないふわふわしたサウンドがなかなか心地よい。

特に1stについてはドリームポップとか、ギターサウンドではないけどシューゲイザー的な浮遊感である。

音的にはコラージュサウンド的な感じで、歌もあるけどそれも含めて切り貼りされて、音質的にはローファイだけどなんか夢見心地サウンドである。

ん~、うまく表現できない。

こんな感じである。


アルバム1曲目の"Blessa"。

基本的に穏やかなメロディも心地いいし、雨でも晴れでも気持ちいい。

酒でも飲みながら聴くには最高じゃないか。

まさにチルウェイブ。

どこか耳馴染みするような側面もあるから、すっと入ってくる。

もっとアンビエント感のある曲や、インストのみの曲もあるので聞きどころも満載だ。

この路線では3枚目くらいまでで、4枚目はもっとエレクトロっぽい感じになっていたり、フリーダウンロードのものはもっと実験的な感じであまりなつっこさがない。

それもあって初期作の方が聴きやすくて好きなんだけどね。

別名義でやっているものはまたかなり色の違う音楽をやっているので、同じ人かと疑ってしまう。

また彼はライブもかなり評価も高く、同じ曲でも大きくアレンジを変えながらやっているので、毎回の楽しみに事欠かないとか。

2年くらい前のフジできていたようだし、何度か来日はあるようだが、私はまだライブを見たことがないので、次の来日の時にはぜひ見に行きたいと思っている。


単純に彼の見た目とか、音楽性的なこともあるけど、彼はいわゆる天才的なタイプで、何気無いものをアウトプットするだけでいろんなものを生み出せるタイプなのかなと勝手に思っている。

もちろん何も考えていないとかそういうわけではなくて、ナチュラルにできちゃう感じがするんだよな。

今これを書きながら何曲か改めて聴いているのだけど、これまで気がつかなかったようなところに改めて気づいたり、この曲ってこんなことしてたんだ、なんてことも気づかされる。

今度また改めてじっくり聴いていきたいですね。

PVのセンスが本当独特なので、それもまた面白い存在である。