
今日は会社帰りにAutechreの単独ライブへ。
来日は8年ぶりということらしく、そういえば昔彼らのライブの評をどこかで見たのを覚えていた。
真っ暗闇でやるという非常にとんがったパフォーマンスと聞いて、それで興味を持ったのである。
多分彼らをちゃんと聴くようになったのもその頃だったので、私は完全に後追いである。
それに、日々熱心に彼らを聞いているかといえばそういうわけではないんだけど、たまに思い出したようにアルバムを買ってはしばらく聴いている、という感じ。
私はチケットは先行で早々に抑えていたんだけど、即完であったらしい。
近年の作品には辛口な評価が多くなっているが、それでもAutechre、やっぱりコアなファンはいるのである。
今日はもう一人出ていて、その人もDJを1時間くらいやっていた。
聴くともなく聞いている感じだったんだけど、普通にかっこよかったですね。
私はDJ文化というか、この手の音楽の楽しみ方って正直あまりまだわからないんだけど、会社でDJをやっている人が何人かいるので、彼らに色々聞いて勉強している。
それはともかく、ひとまずビールを飲みながらゆらゆらしていたんだけど、この段階で既に会場は暗く、一応ライティングはあったけどこれもわずかであった。
彼が終わる頃にAutechreの2人が出てきて準備を始めると照明も音に合わせて徐々に消えて行き、終了とともに場内は真っ暗に。
ステージにかすみがかったようなうっすいライトがあるばかりで、ぼんやりと彼らが浮かんでいる。
暗転とほぼ同時くらいに彼らのライブがスタートしたんだけど、音源で聴くよりはわかりやすいというか、不可解な音塊という感じでもなくて、割とダンスミュージック的も聴けるものであった。
なんて思っていたら中盤に差し掛かるに連れて次第に彼らの音楽という感じの歪なものになっていった。
それにしても、こうして真っ暗闇で聞いていると周りにいる人の存在も意識させないようなところがあって、それが結構面白いというか、楽しくなってくる。
私は目が悪いので普段ライブの時はコンタクトをつけていくんだけど、今日は会社帰りということもあって度の弱いメガネだったのでなおさらステージのあかりもわからなくて、途中純粋に耳から入ってくる音だけが意識されるようで、不思議な体験でしたね。
中盤の歪な展開の中で、多分何人か倒れたみたいでしたね。
ソールドアウトの超満杯、周囲の様子も全くわからない状況なので、ある種のトランス状態になったのか、あるいはストレスが強烈すぎたのかわからないが、この中で倒れるのは結構大変だよね。
そんなライブも終盤には暴力的でノイジーな激しい展開になって、そこでさすがに会場もテンションアップ。
激烈な展開を以ってライブは終了したのであった。
正味1時間くらいだったと思うけど、なんか奇妙な感じだったな。
最近ライブ中でも、音はしっかり認識しているのに、頭では全然関係ないことを考えているようなことが多いんだけど、今日は何考えていたかもう覚えていない。
無我とかではないし、割と客観的に楽しんでいるところはあったけど、変に冷めることもなくて、ふわふわした感じだったな。
彼らの音源については過去に何個か記事を書いていて、そこでも同じようなことを書いているんだけど、彼らの音楽はいわゆるダンスミュージック的なノリで聴くようなものではなくて、どこか自分に向かわせるようなところがあると私は思っている。
最近あんまり聞いていなかったけど、改めてそんなことも思ったものだ。
とにかく、チケット取ってよかったね。
ただやっぱりというか、残念なことも。
このライブでは入場時にもポスターにも、なんなら彼らのファンであれば当然わかっているはずのこの真っ暗闇を壊さないために、ライブ中は携帯をしまえ、ということが繰り返しアナウンスされていたにも関わらず、ライブ中にスマホで録画しているバカとか、平気でいじっている奴が何人かいて、通常であればそんなに意識されない程度の光でも、周囲が真っ暗だからそれがとっても眩しいし、そもそも彼らのライブの大きな要素の一つがこの暗闇という演出である。
それをぶち壊すようなやつがいたのがとても残念であった。
流石に中盤くらいにはいなくなったが、どこかで「消せよ!」というような声も聞こえたので、そりゃ怒るよなと思ったものだ。
マナーは守ろうよ、ちょっとの間くらい携帯見るのは我慢しうよ。
あと、私のいた位置だとどうも機材関係の灯りがわずかに漏れていて、完全に真っ暗でもなかったのもちょっと残念だったところ。
なので途中から目を瞑っていたんだけどね。
またしばらくは来日はないのかもしれないけど、いずれにせよなかなかない経験なのでよかったね。
最近色々ストレスも多かったんだけど、それもなんだかスッキリした。
落ち込んだ時とかしんどい時に明るい曲が必ずしもポジティブに作用するとは限らないし、むしろこういう曲の方がヒーリング効果があったりしてね。
また折を見て音源を聴いて、辛い時を乗り切ろう。