今日は台湾のポストロック系バンド、Elephant Gymの単独へ。
昨年末にリリースされた新譜に伴うワールドツアーの一環だが、日本では先に大阪、名古屋と回っており、東京が日本ラストだ。
一昨年のフジロックでかなり評判となったこともあり、その時の単独はLiquidroomながら早々にチケットがソールドアウト。
当時仕事の都合もありどうしようかしらと思っている間に売り切れてしまったので、こうして観られる機会はありがたいことだ。
大阪、名古屋は少し苦戦したようだが、東京はO-Eastにランクアップしたが無事ソールドアウトだった。
彼らは1stの頃はtoeとLITE辺りにかなり影響受けてるのかな、という感じですこの手のジャンルが好きな人にはツボを押さえまくったような曲だったが、アルバムを経るごとに音楽の幅を広げており、4枚目となる新作では曲によってはCorneliusのようでさえあった。
また前作もそうだが日本のアーティストも多く客演しており、お馴染みLITEの武田さんや、TENDER、さらには亀田誠治さんも参加ということでそうしたトピックも特にここ日本では話題の種であった。
そんな彼らのライブを生で見るのは初めてだったので、そりゃ嬉しいよね。
ホーンなども迎えての豪華編成と謳われていたので、その辺りも楽しみなところだ。
ライブの一曲目は1stアルバムの3曲目"遊戯"という曲だったのだが、とても好きな曲なのでいきなり盛り上がる。
ベースラインが印象的で最高なんだけど、ギターも軽やかでドラムもタイトになっていてとても心地いい。
あの複雑なフレーズをライブでも見事に演奏するし、なんなら動き回って歌ってたまにビールをあおっているのだからびっくりだ。
よく演奏に熱がこもるという表現をするのだけど、特にインスト中心の彼らのような音楽を聴いているとその意味がよくわかるように思う。
どの曲も音源で聴くよりも熱量が高いし、他方でやっぱりギターの音色が心地よさの根源のようにも感じられる。
いい。
MCもしばしば挟んでいたのだけど、カンペに書いてきたのだろう、辿々しいながらにこなれたような様は面白かったね。
基本的にはベースの子が話すことが多いのかしらと思ったら、メンバーみんな話すんですね。
慣れないながらに敢えてカンペスタイルをとっているところとか、諸所の発言を見ても、実はベースのKTはいわゆるサバサバした子で、本当はこういうの好きじゃないのかなと思ってしまったが、ともあれこういうのは日本人好きですしね。
変ないやらしさみたいなものはないですがね。
それはともかく演奏は流石のもので、ずっと気持ちがいい。
好きな曲も結構聴けたし、音源とはまた違った味わいもあってずっとよかった。
ゲストパートももちろん良かったけど、ギターの人は曲によっては銀盤を弾いて、その間は同期も使うなど3人ながら表現は最大限だ。
実質的な本編ラスト(と本人たちが言っていたが)は”Finger”を演奏。
ベースイントロのポストロック曲としてはトップクラスではないだろうか。
この曲はイントロのあのベースフレーズももちろん素晴らしいのだけど、曲が進むに従って徐々に盛り上がっていくような展開もとても気持ちよくて、何度聞いても素晴らしい曲だと思うよね。
そしてラストは再び金管楽器舞台を従えて2曲やって終演となった。
MCでも、アンコールはしないと明言していた通りそれで終了。
満足感も半端なく、素晴らしかったね。
3月にアメリカツアーをするようで、ラスト2曲は動画も写真もOK、でもSNSであげるときはちゃんと「最高!」て書いてね、We Need Promoteなどといってみせるものなんだかいいですね。
ライブは正味1時間半くらいだったけど、楽しかったですね。
4月には再びSynchronicityへの出演で来日予定だが、きっと入場規制だろうな。
いずれにせよ、演奏力も楽曲もいずれも素晴らしいので、今後の活躍にも期待だ。
アジアのバンドってあんまり知らないのだけど、知らないだけでいいバンドはたくさんあるという一つの証左だ。
それにしても、台湾のバンドでここまで受けているのって彼らくらいだろうか。
次の来日も期待だ。