音楽放談 pt.2

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真実は自分の中に ―Don't Believe The Truth

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90年代も今は昔、当時の一線のミュージシャンは大半が解散、もしくは時代の波の彼方へと行ってしまい、既に懐メロと化しているバンドも少なくない。

Nirvanaは既に古典と化し、スマパンもなんかぱっとしない。

レイジは健在を示すが、それはあくまで存在感のみであってアーティストというよりはもはや活動家という肩書きの方がしっくりくるように思う。

新作を出しても今一ふるわない連中もいるしね。

悪くはないけど、かつてのような先鋭性のような感覚はどうしても感じられない。

NINは今でも好きであるが、どこか満足した人の音楽のような気が最近はせられる。

With Teethは聞けば聞くほど興味深いものがあったが、それ以降は単に楽しみたいだけ、的なスタンスで悪くないんだけどな、て感じ。

ほんとに悪くはないんだけどね。


で、長らくそうした過去のバンドとして語られており、現役なのに既に古典のような扱いになってしまっていたのが、Oasisであろう。

あまりに鮮烈なデビュー故、以降の評価が不当なまでに風当たりの強いものになってしまって、関係者、並びにファンに「もう終わった」と何度言われた事か。

それでも彼らは音楽を作り続け、歌い、ここ2作品は非常に評価もいい。

それも、悪い評価が1周回って、というものではなく、わりとちゃんとした評価のもとで、である。

彼らの音楽性から言えば、現代的な流行からはほど遠い、いわゆる伝統的な音楽である。

参照しているもの自体が、比較的シンプルで、わかりやすいものであるためよけいにそう感じられる部分はあろうが。

デビュー盤にしても、メロディ重視のやかましいロックンロールといった印象で、わかりやすく、それでいて勢いのあるどこか刹那性を帯びたような印象もある。

その瑞々しさが当時はセンセーショナルであったのだろう。

でも、そういう衝撃が大きいほど、ファンのイメージもそれに固められ、結句それに自信が苦しめられるという悲しい事になってしまった訳である。


で、彼らがらしい瑞々しさを取り戻した、という評価がもっぱらであったのが、2005年にでた「Don't Believe The Truth」である。

多分、自分が最初に聞いた彼らのアルバムはなんとこれである。

そう、やっぱりかなりの後追いなの。

3分前後の短い楽曲のまとめられたこのアルバムは、1stや2ndのような強烈なアンセムは、ないとは言わないがかつての衝撃を伴って受け止められるようなものはなかった。

それでも、コンパクトな曲がそれぞれに味を持っており、アルバムトータルではキュアリアでは一番ではないかと思う。

こうした幅を持ったのは、ノエル以外のメンバーの曲もウエイトが増えた事がやはり大きいのだろう。

彼は口は悪いが根っこではかなりまじめだと思うし、いいやつなんだろう。

それゆえ意識せずとも、Oasisらしさのようなものや、進化や変化に意識的すぎたのではないかと思う。

変化というのは面白いもので、確かに意識的に動かないとかわらない事もあるんだけど、内的な変化というのは得てして起こすものではなくおこるものである。

彼は変わろうとして、ドつぼにはまっちゃったんじゃないか、と個人的には思う。


それはともかく、このアルバムにはいい曲もたくさん入っている。

1曲目"Turn Up The Sun"もいいし、2曲目のヴェルベッツのリフをそのまま拝借した”Mockey Finger”の、奇妙に子供っぽい感じも帰って新鮮である。

そして3曲目"Lyla"はもはや説明不要であろう。

単純にポップで、暖かみのある歌詞も非常にいい。

何でもノエルが自分の娘に書いた曲だとか。

なるほどなと思う。

その後はリアム曲も挟みつつ、イントロがやや黄門様な”The Importance of Being Idle”なんかもあって、過去の曲群とは印象の違う曲である。

本人も偉く気に入っているらしい。

その後、自身の兄弟関係を歌った"Guess God Think I'm Abel"は、二人の関係性がよく見えて面白い曲である。

自分にも兄はいるが、正直この感覚はわからないけど。

仲いいんだよ、こいつらは。


で、個人的にかなり好きなのは、アンディ作の"Keep The Dream Alive"。

リアムのヴォーカルもいいし、曲も好きなテイストなのですね。

そんなに力強い訳じゃないけど、そこはかとなくぬくもりのある感じがすごくいい。

其の後のゲム作”A Bell Will Ring”も非常にポップで前向きなメロディのいい曲である。

この曲はファンの中でも結構人気みたいね。

そしてラストは珠玉のバラッド、兄弟のツインヴォーカルも聞ける"Ket There Be Love"。

「愛がありますように」という詞のごとく、なんだか夕暮れ時のやや寂しくて、それでいて遠くになにか暖かいものを感じるようなそんな曲である。

新しいライヴアンセムにはjふさわしい曲じゃなかろうか。


こうして観ると、このアルバムは総じて丸くなった、というとやや語弊があるが、かつてのギラギラした俺様感の薄い作品と感じる。

有り体に言えば大人になった言ったところか。

リアムのヴォーカルもがなっていたかつてと違い、より歌い上げているような印象があるし。

まあ、何よりノエル曲以外でもいい曲が入っているあたりが一番の要因かもしれないけど。


現在新作も出して、評価はおおむね好評、というか前作以上で、Oasisがようやく新たなフェーズに突入できたかのような印象である。

まだシングルいなった曲くらいしか聞いてないけど、「Don't~」よりもOasisっぽいかもしれない。

何ていうか、突っ切ってやるぜ的な勢いがあるというか。

3月には来日も決定して、これからまたOasisは若手に負けず突き進んでいくのであろうか。

実際すごいと思うよ、彼らは。

やっぱり「I need to be myself」な精神は健在てことかな。

当然のようでなかなかできないから、それが染み付いている彼らはやっぱり強いのかもしれない。

とりあえず、新譜を早く聴かないとね。