音楽放談 pt.2

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つながるシーン -Kyono

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コロナもだいぶ落ち着いてきた感があるとはいえ、まだまだ世間はまだまだコロナ感。

 

とはいえ徐々にライブイベントの開催数も増えてきたし、これまで配信だったものが有観客にもなってきているので、私としては嬉しい限りだ。

 

この間でのせめてもの成果としては、この配信という仕組みが一般化したことで、アーティストにとっては集客自体の母数を増やすことができたことだと思うし、これをきっかけにと映像作品として2次的なものにもつながったことだろう。

 

私の買ったものでは、アナログフィッシュの『Townmeeting By The Sea』とThe Novembersの『At The Biginning』の再現ライブ、それとDownyの3つだったが、いずれも音源とは違い、また現場でのライブとは違う形の魅力を伝えるに十分な作品であった。

 

私が聞いたもの以外にもそうしたものは多くリリースされているだろうから、これはこれで良かったところもあるよね。

 

そんな映像作品としてちょうど今日リリースされたのが、Kyonoの配信ライブのDVDであった。

 

私は当時仕事が忙しくて配信は見られなかったが、おそらく映像作品としてリリースされるだろうと思っていたので、ちゃんとリリースされてよかった。

 

こちらは今年リリースされた2ndソロアルバムのリリースライブとして行われたものであるが、このアルバム自体、やはりKyonoの音楽だなという作品だった。

 

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私はご多分にもれずThe Mad Capsule Market'sからのファンで、ハードコア系のヴォーカルとしては今も一番好きだし、最高だと思っている。

 

どちらかと言えばキーが高い声だが、エフェクトをかけているとは思うけどシャウトやデスヴォイスの時の拡声器から放たれるみたいな声の割れ方というか、爆撃機の様と形容されるあの声がとても好きなのだ。

 

他方でメロディパートの声はとても穏やかで、その対比も聴いていてそれぞれが際立つので印象的なのである。

 

ソロでは彼が全曲作詞作曲、そしてアレンジもほぼやっていると思うが、Wagdug Futuristic Unity名義の作品含めてやはり彼らしさがよく出ている。

 

曲展開が転調するタイミング、曲の構成など、マッドを感じさせるところもありつつより、メロコア的なメロディが諸所に感じられるところにある意味彼のソロ作品の感を覚える。

 

また歌詞に目を向けると、おそらく世の中的にはラウドロックといえば攻撃的で世を呪うような歌を歌っていると思っている人も多いだろうが、全然そんなことはなくて、むしろ世界平和とかを切に願うような歌詞が彼には特に多い。

 

元々まっとのときから、初期は全方位に撒き散らすような感じだったが、中期以降はシステムや社会という総体に対して発信しており、少なくとも特定の何かや誰かを指すことはほとんどなかったので、その辺りの価値観は変わらずに軸としてあるんだろう。

 

また、ラウド系と言いながら、特にKyonoの曲はアコースティックですごくいい味を出す。

 

いつかはアコースティックアレンジのアルバムを出してほしいと本当に思っているが、それは今後の楽しみにしておこう。

 

面白いなと思うのは、AA=でのTakeshi同様、ソロになってからの当初の方がマッドらしさをあえて避けていたようなところがあったのだろうが、近年ではやっぱり好きなことやろう、という感じになっているところである。

 

マッドという形ではなくても、いつかまた二人の音楽での共演を見られたら、ファンとしては嬉しい限りだ。

 

 

それはさておき、このライブではアルバムで客演していたヴォーカルたちも参加。

 

KjにJesse、TakumaにMAH、演奏でもMIYAなど、この辺りは流石である。

 

セットリストは新作を中心にしているものの、客演のあった前作の曲も一部披露されており、会場は彼らのホーム、横浜のベイホールだ。

 

配信ライブと現場ライブの一番の違いは、やはり音響面になると思うが、やはり体にずしんと響くのはライブならでは。

 

ましてKyonoといえば爆音なわけだが、それであればこそ尚更その差分がどないやねん、となるところだが、音響チームが結構頑張ったんだろうね。

 

スピーカーで聴いているのでそりゃ現場にしくはないにしろ、いい感じの爆音であった。

 

Kyonoのボーカルも乗ってるし、他のアクトもバッチリだ。

 

無観客なので、普段は観客席となっているスペースも使ってパフォーマンスする姿は、やっぱりかカッコよかったよ。

 

曲を聴いて改めて思うのは、どれも激しさはあるにせよポップだし、メロディアスなところもあって、やはり彼はこういう曲が好きなんだろうなということである。

 

収録は13曲で1時間ほどと短めではあるが、配信・映像作品としては丁度いい尺だろう。

 

これはあえてそうしているらしいしね。

 

まさに駆け抜けるような時間で、とても聴いていて幸福ですね。

 

 

また、この作品では当日のバックヤードドキュメンタリーも収録されているが、そこではKyonoの穏やかな人柄や意外な?マメさもみられるのがまた興味深い。

 

今回のライブ用に、演者のために自身でTシャツをプリントしたものを用意して、自ら手渡しで配る。

 

特にゲストボーカル陣は、元々彼の大ファンばかりということもあり、みんな嬉しそうにそれを受け取っている。

 

個人的に面白いなと思ったのは、KjとJESSEが同じ楽屋に控えているところにKyonoが入っていって渡すシーンがあるのだが、先に近くにいたJESSEに渡している間、Kjがちょっと羨ましそうというか、「俺のもちゃんとあるのかな?」みたいな顔をしながらじっと見つつ髪の毛を触っているシーン。

 

緊張したりすると髪を触る癖のある人は結構おり、髪でなくともムシャクシャすると頭を掻きむしるのも、そうした背景によるとか。

 

Kyonoの足が向いた瞬間スッと立ち上がって、アーッス!とか言ってるのが何か一ファンになっているようで微笑ましいのだ。

 

Dragon Ashは今でこそ独自の進化を遂げたものの、初期はパンクから入りミクスチャーに変貌していく過程など、まさにマッドが辿ったような軌跡とも重なるところがある。

 

それになりより、バンドを始めた時からの憧れの存在だろうから、そりゃ嬉しいよね。

 

そんな人間関係も見えるのが面白く、またその声とは裏腹にまったりとしたKyonoの喋り方や態度がなんだかほんんかする。

 

ライブ直前になって、「マスクは付けていって、そこで外す方がカッコいいかな?」とボソっというが、みんなポカーンとした後爆笑するというのもなんだかいい空気感を感じさせてくれる。

 

 

そんな訳で、音楽作品としても長さ含めていいパッケージになっているし、バックヤードから見えてくるシーンみたいな存在も、ファンには嬉しい映像だろう。

 

今は現場ライブも増えているので、今度はちゃんと生で観たいですね。

 


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