今日は個人的にはお初のYogee New Wavesの単独へ、しかも彼ら初となる野音である。
ここ数日はだいぶ暖かい日が増えたが、いうても夜はまだ寒い。
そして、私自身の野音の思い出はいつも雨だったので、しっかり防寒していこうかしらと思いつつちょっと油断した。
まあそれはいいとして、1stが出た辺りで話題になっており、少し後追いだが2nd以降はリアルタイムで音源も買っている数少ない若手バンドだ。
最初にライブを観たのは確かSynchronicityだった気がするが、その時はまだチルアウトとかシティポップとかそんな言葉がよく飛び交っていた頃だ。
その後フジロックにもちょいちょい出演していたので、そこでも観てはいるが、途中からだったのでちゃんと観られなかった。
その後も単独とかあったのだけど、東京は平日開催が多く、また会場も会社からちょい間に合わない距離のところだったので、気がつけば単独を見ることもなく今に至っていた。
前にも少し書いているが、割とちゃんと音源も追いかけているし、若い子に好きな音楽を聞かれたら彼らを答えるようにしているし、聴いていてええやんけとか思いながらも、じゃあ彼らの何が好きなのかと言われたらこれと答えられなかったのが正直なところだ。
もちろん曲が好きというのはあるけど、今少し掘り下げようと思うとなんだかうまくまとまらないのだ。
半ば以上感覚の話なのでそれでいいのだろうけど、今日改めてライブでじっくり曲を聴く中で、なんとなくそれがわかったような気がした。
それは主に歌詞についてだが、彼らの歌詞はちょっとキザなんだ。
彼らというよりはソングライターの角館くんが、というべきか。
あるインタビューで音楽で語りたいことは一万個はあると発言していたが、それだけ色々と考えながら表現にしているということだろう。
また、自由でいいんだよということは伝えたいと言っていたが、この辺りは"Good Bye"という曲が結構直接的かもしれない。
でも、この曲でも伝えたいことはありながら、伝え方としてはちょっと透かすようなそぶりが見える。
根っこの真面目さがあるけど、真正面からの槍を避けられるようなスタンスの持ち方、というか。
多分独自の美学みたいなものがあって、それが彼の表現の根っこにあるように思う。
私はそういう表現は好きで、それこそポストパンクとかニューウェイブとか呼ばれていた連中はそういうものを感じることが多いし、日本で言えばLillies and RemainsやThe Novembers辺りはそんなバンドだという認識である。
音楽性は違うけど、精神性では似たところがあるのかな、なんて勝手に思っている。
そんな個人的な気づきはさておいて、ライブ自体は音が気持ちいいし、セットリストも進級織り交ぜた現時点でのベストと言っても差し支えない内容だった。
今回は2部構成とのことで、まだ明るい中で“Hello Ethiopia"から始まった第1部は、時間帯も含めて夕暮れ的なワードの登場する曲を多くチョイスしていた印象だった。
今日もっと快晴だったらもっとよかったろうなと思うが、そればかりは仕方ない。
とかいいながら最高なんだけどね。
今日はほぼ満席に近い形で客を入れていたと思うけど、これだけ多くの人のいるライブも久しぶりに見たんだけど、なんかいいよね。
隣に友人同士と思しき男二人がいたが、うち一人が独自性の高い創作ダンス的なノリを見せており、また少し離れたところには一人で来たと思しき年上女性が楽しそうに踊っている。
目の前では女の子二人組がキャッキャ言って騒いでいる様があり、音楽のいい塩梅の緩さも手伝っていい空気だったな。
遠くの方でやたらほたえている一群もいたが、ともあれ外だしみんなマスクもしてたので、声出してもいいと思うんだが、まあ運営側にしたら仕方ないか。
ともあれ、こういうライブ空間は幸せですね。
第2部はアッパーな曲も織り交ぜながら、楽しい時間だ。
ライティングもミラーボールも使って星のような演出。
"CAMP"の歌詞と相待って、いい塩梅だ。
これでもっと暖かかったら酒でも飲みながらポケッと聴きたいものだ。
今日は星がとってもキレイだから。
で、個人的には聴きたかった"How Do You Feel ?"はやっぱりよかったね。
あのイントロのギターリフだけで痺れてしまう。
歌詞の内容もちょうど今時分にもぴったりだし、年をとるほどに「段々時は経っていくよ、もうもう戻れはしないよ」という一節が重くなってくるんですよ。
でも、この曲ではその時間の積み重ねがよりポジティブなものをもたらしてくれるという内容なんだけど、ほんといい曲。
そして代表曲"Climax Night"も連続で演奏。
なんと冒頭の歌詞をミスるというびっくりもありながら、演奏は完璧。
デビューでこの曲を作っちゃったのはすごいな。
ライブ終盤でこの曲はいいよね。
本編ラストは"Dreaming Boy"だったが、本当にいい感じで新旧の曲が配されていてよかったですよ。
アンコールも2曲だけ演奏され、大円団は"Bluming Days"であったね。
素晴らしいライブでした。
初の単独はご期待に違わずよかったし、改めてライブで聴いたことで個人的なあれこれも整理できたような思いだ。
音に集中するというのもあるけど、キャラクタも含めて見えてくるから伝わる情報量も違うのだろうな。
それに、こうやってライブをみられること自体がやはり嬉しいね。
最近は見たいライブがあれば迷うことなくとりあえずチケットを買っているので、4月の立川のイベントもいくからそこでもまたヨギーはみる。
いやはや、楽しい夕方でしたね。
酒飲んで寝よう。