音楽放談 pt.2

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iPodと私

先日、遂にiPodの生産停止が発表された。

 

そもそもスマホの機能やらストレージやらが進化しすぎてポータブルオーディオ自体が斜陽であるといえる。

 

ついでにいえば、今はSpotifyのようなサブスクがスタンダードになりつつあり、音源を買うという人の方が少数派ではないだろうか。

 

音楽はアルバムではなく曲で聴くというリスニングスタイルも手伝って、どうしてもライフスタイルとマッチしなくなっている現実は否めない。

 

もちろんある種のマニアやこだわりのある人にはまだまだニーズがあるのかもしれないが、それでは商売にはならないし、少なくとも機能においては完全に代替可能である以上、企業としては当然の判断だろう。

 

しかし、そもそも今のようなリスニングスタイルの基礎を作ったのは間違いなくこのデバイスが一因であって、それを考えればお役御免と言ったところだろうか。

 

 

私が大学生の頃にこのiPodは登場して、当時もあのAppleらしいスタイリッシュなCMが印象的だった。

 

曲はインディーズ系のアーティストのものを起用しており、FeistCSS、フージャーズとかフランツなど、割と当時の若手の先端アーティストばかりで、洋楽の聴く幅も広がっていた私にも非常に刺さった記憶だ。

 

大学に入ってすぐはまだMDウォークマンを使っていたが、大学で必要になりノートPCを購入、そして大学でできた音楽好きの友人がすでに使っており、めっちゃ便利やで、というレコメンドもあって使い始めた。

 

彼はクラシックを使っていたが、私は価格なども考慮してnanoを買ったのだ。

 

確か第一世代。

 

ちなみに、その友人は今に至るも親交のある数少ない友人である。

 

まさにこれを書いていて思い出したが、随分と時間が経ったものだ。

 

そして一度使い始めると実に便利で、バイトも初めていろんな新しい音楽を聴くのが楽しくて仕方ない私は、新しいCDを買い漁ってはiPodにぶち込んで、暇があれば聴きながら大学の中庭で缶コーヒーを啜っていた。

 

その時間がとても幸せだったな。

 

かなりの時間使いまくっていたので、バッテリーの消耗が激しかったのか、何年に一回かは買い替えていたが、その頃はAppleも主力商品としてアップデートもしまくっていたので、最新モデルが出るとニヤニヤしながら欲しいな、欲しいなとか思ってたな。

 

 

その後確か第7世代くらいまでnanoについては出た記憶だが、私はとりわけ第5世代がお気に入りで、このモデルだけで都合3回くらい買い替えた。

 

理由は、まずデザインがこの型以降大きく変わって、サイズ的にはshuffleみたいな感じになって、さらにそのあとはタッチパネルも採用して小さなiPod touchみたいな感じになったのだけど、胸ポケットにこいつを入れて聴いていた私にはあの縦長デザインが取り出しの際なども使い勝手が良かった。

 

加えて、私はアルバム毎に聴くのが好きなんだけど、第5世代まではアルバム単位でのシャッフル機能があったのだ。

 

それを重宝していたので、例によってバッテリーがなくなるとネットで探しては買い直していた。

 

色も多様化が進んだのはこの頃で、私はメタリックな緑のモデルに青い半透明のカバーをつけて使っていた。

 

色味がエメラルドグリーンのようになってカッコよかったのよ。

 

余談だが、この第5世代から動画も見られるようになり、またカメラも搭載された。

 

ただ、色々の問題もあったので次の型ではカメラは消えたが。

 

 

そして、やはり時間が経てば在庫も少なくなっていくし、徐々に謎のプレミアもついたりし始めて入手が困難になっていった。

 

加えてスマホに切り替えたり、仕事が忙しくてそもそも音楽を聴いていられる時間が少なくなったりと、さまざまな背景もあり我がiPodは引退となった。

 

今ではすっかりiPhoneがその代替をしてくれているが、本体は家で静かに眠っている。

 

音自体は出るし、何より捨てることがなんだか忍びなくてね。

 

 

そんなわけで、すっかり使わなくなって久しいとは言え、こういうニュースを見るとちょっと寂しい気持ちにもなってしまうよね。

 

寂しいというか、ノスタルジーに近いが。

 

まあでも、文字通り時代を変えたプロダクトのひとつだろうし、何より私の音楽体験を劇的に広げてくれたツールの一つだったので、素直に感謝よね。

 

今の20代前半くらいの子にとってはすっかり当たり前のようなツールやソフトも、実はここ十年で急激に浸透したという事実は驚異だし、図らずもリアルタイムでそれを経験できたのはいい時代に生まれたと思うよね。

 

まだまだオンタイムで新しい価値観に塗り替えられている世界なので、なんだがんだ結構楽しんでそれを見ている。

 

なんだか悲観的に語られることの多い現代社会だけど、ちょっと考え方を変えて、これまでを変えてやろ、という好奇心があれば面白い時代なんじゃないかな、なんてことも考えてしまうよね。

 

 

ともあれ、素直に感謝したい製品でした。

 


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