音楽放談 pt.2

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アイドルというフォーマットとコアな音楽

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最近のアイドルグループがなんか凄まじい。

 

ヒットチャートを観れば、乃木坂とか日向坂とか、あるいはモー娘。ら所謂昔ながらのグループが出てくるわけだが、それらとは違う文脈で、ジャンル特化的な音楽で打ち出しているグループが散見されるようになっている。

 

その何が凄いって、楽曲提供しているのがゴリゴリのその領域のトップクラスの人だったりするのだ。

 

私の好きなアーティストもしばしば楽曲提供しており、聴けばその人の1番ポップなエッセンスが詰め込まれているので、悪いはずがない。

 

面白いのは、作者本人のパーソナリティとして表現するわけではないのでかなり好き勝手気にやっている感じがあること。

 

コンセプト自体を音楽性を下敷きにするので、その領域の様式美的なものになっていくので、実はその領域の入門としても機能しそうだ。

 

また、いうてもアイドルとして表現するので楽曲としての機能性も求められるから、そりゃポップになる。

 

一方でそもそもトンがった人が多いから、こだわりとか遊び心と称した狂ザマが潜んでおり、それにニヤリとさせられることもある。

 

それが面白いのよ。

 

昔は、アイドルなんて舐めやがって。。とか思っていたが、いい加減そんなこと気にしないし、何より若くて可愛い女の子がキャピキャピしている姿は(略)。

 

ともあれ、そんな形でトンがったアーティストの提供しているアイドルソングをいくつかご紹介。

 

 

まずは、まずはこちら。


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今や世界的な人気となっているBabymetal、その一つの契機となったのがこの”ギミチョコ”だが、作ったのは元The Mad Capsule MarketsのUeda Takeshiだ。

 

元々ハードコアパンクに根っこを持ち、一方でYMOなどのテクノポップにも触れ、ポップにも通じている彼らしく、アグレッシブでありながらポップでキャッチーな楽曲はさすがの一言。

 

彼女たちのコンセプトであるメタル音楽と重低音もブリブリで、マッド時代にはなかったギターソロまで書いている。

 

そんな楽曲の上で結構な歌謡力とザ・アイドルな甘い声が乗っかって、立派なアイドルソングとなっている。

 

 

ちなみにTakeshiは、これ以前にもアイドルに提供している。


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楽器を持たないパンクバンドと言って一世を風靡したBis。

 

よりデジタルハードコアな楽曲を提供しており、こちらはこのグループのプロデューサーの要望によるものだったそうだ。

 

シンガロング不可能な凡そアイドルらしからぬ楽曲で、好き勝手にやっているなというのがこれでもかと伝わってくる。

 

サビの歌メロはいかにもらしさもあって、聴いているとTakeshiの曲だなとよくわかる。

 

既にAA=で評価を固めつつ、まだマッド的なものを抑えていた時期だったので、こうしてアーティスト自身の活動では逆に見せないらしさをこういうところで発揮して見せてくれるのも面白いところだ。

 

 

ちなみにBisは今はメンバーが変わっているようだが、最新の曲ではBoom Boom Satellitesの中野さん、ノベンバの小林くんのやっているThe Spellboundが楽曲を提供。


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グループ自体もかつての過激さを抑えて、もう少しアイドルチックになっているのかな。

 

ともあれ、この長ったらしく意味不明なタイトルはおまじないような言葉だそうだ。

 

曲も歌詞も歌メロも彼ららしさを感じられるので、ファンとしては嬉しい限りだ。

 

しかし、まさか違うバンドとしてとはいえ、小林くんがアイドルに楽曲提供する時代がくるとは。

 

そんなこともしょっちゅう起こっているのがアイドル業界だ。

 

 

既にメジャーになったももクロにも多数のアーティストが関わっているが、個人的に意外だったのがこちら。


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オーケンである。

 

この曲名をみた瞬間に、往年の筋少ファンならすぐにピンとくるはずだ。

 

彼らにも”労働者M”という曲があり、オーケンがちょっと病んでいたっぽい時期の曲なので、皮肉たっぷりで、90年代にリリースされていたと思うとなかなか感慨深いものもあるが、さすがにアイドルの曲だ。

 

そこまで重くはないが、石川啄木の一握の砂をオマージュしたような歌詞になっており、一聴すると労働者にポジティブなメッセージソングとなっているようで、ちょっと捻くれが潜んでいるように感じるから、オーケン節はしっかり健在だ。

 

大体啄木はその作品のイメージとは裏腹に、一言で言えば女好きのクズである。

 

それを綺麗な言葉でさも日本人的な清貧、真面目で実直、みたいな感じの詩を書いて名を残したのだけど、実態が違いすぎるが知らない人も多いだろう。

 

オーケンがそれを知らないはずはないので、絶対ブラックジョーク的なことをやってやろうとしたんじゃないかと個人的には思っている。

 

 

最近ではジャンル自体がニッチでコアな領域にも関わらず、そこに飛び込んでいくグループも出てきている。

 

その最たるものの一つが既に解散してしまったが、sora tobu sakanaだろう。

 

なんとポストロック。

 

プロデューサーはハイスイノナサ、Siraphというバンドで活動する照井さんという人で、まさかのアイドルと合体させるとは。


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エレクロトニカな要素もあって、こんな曲の上で歌えとはなかなかのオーダーだが、それとなく調和しているし、そもそも音楽としてクリアな楽曲も多いので、その空気としてはアイドル的なものともマッチするのかもしれない。

 

既存のアイドルファンにしても、バンドのファンにしても、実に実験的な試みだったろうが、しかし一部で高い評価を得ていたところからも、一つの成功事例だったのだろう。

 

 

そして私が最近気になってしまったのがこちら。

 

 

RAYというグループだが、基軸になっているのがまさかのシューゲイザーだ。

 

ジャンル的には90年代をピークにして、いまだにフォロワーは数知れず存在するが、結局のところマイブラはじめオリジナル世代以外は成功していないのではないだろうか。

 

エッセンスとしては数多のバンドが取り入れているものの、もはや一部の好事家の好む世界だ。

 

以前に一度シューゲイザーフェスというイベントに行ったことがあるが、場所は高円寺のライブハウス、そのジャンルに全然明るくなかったので、全部知らないバンドだった。

 

しかしだ。

 

このRAYの楽曲提供者を見ると、その時のイベントにも出ていたバンドも名を連ねており、驚いたものだ。

 

中でも、今では私も好きなバンドの一つとなっているCruyff In The Bedroomのハタさんがシングルクラスの曲では結構な頻度で提供している。


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こちらがデビューシングルにも収録されているハタさん作の曲だが、この曲のイントロから曲の流れ全体が好きすぎて痺れている。

 

そして、シューゲイザーといえばマイブラ的なウィスパーヴォイスな囁くような曖昧なヴォーカルスタイルがある種の様式美となっているわけだが、そんなジャンルなので意外と若い女の子の軽い声がハマるのだ。

 

なんなら曲の持つなんとも言えないあの感じと、彼女たちの持つ青春性みたいなものが意外と相性がいいのである。

 

ちなみにこのグループには、他にも元ZAZEN BOYSのベース、吉田一郎さんのやっている不可触世界、For Traycy Hide、Ringo Desthterなど、錚々たるメンツがおり、10月に出る新作ではなんとdowny青木ロビンが楽曲提供、さらにギターにはノベンバのケンゴマツモト、ベースは元ナンバガの中尾さんである。

 

なんだこれ。

 

まさかあのdownyとアイドルが関わる世界がくるとは。

 

ちなみに、私がこのグループを知ったきっかけというのは実は曲ではなくて、メンバーの一人がやっているnoteだった。

 

なんの記事か忘れたが、たまたまSNSのタイムラインに流れてきたんだけど、見ると若い女の子がずいぶんハードコアな音楽をなかなかコアな視点でレビューしており、しっかり記事を書いている。

 

何者だ?と思い、フォローしてちょくちょく記事をみていたんですね。

 

それが内山結愛さんという子なのだけど、なかなかキャラの立った面白い子である。

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54-71をレビューするアイドルってなんだよ。

 

先日はPink Floydの『狂気』のサラウンド視聴会?かなんかに行って、それについての対談もしていた。

 

ソロでもライブをしており、やりたいことがたくさんあるんだろうなと見ていて面白くなってくる。

 

初めてアイドルのライブ行こうかなと思っているくらいだ。

 

できれば生バンドの演奏で聴きたい曲たちだが、ともあれおそらく初めてアイドルのアルバムを買ったもの。

 

 

他にも私が知らないだけで、バンドマンがアイドルに楽曲を提供している例はいくらでもある。

 

Moon Childのオサムさんもベースのわりっちもやってたしね。

 

ただ、元々ポップなイメージのある人だけでなく、こんなとんがったその界隈でもマニアックな存在でも関わってくるところが面白いところである。

 

そもそもアイドルというフォーマットの可能性みたいなものを改めて示しているように思うよね。

 

彼女らにはプロデューサーがいて、自分たちのやりたいことというよりは、その裏方の表現を演じる役割である。

 

必ずしも楽曲自体を作っているかいないかというよりは、誰かの憑代して存在しているかどうかという違いだと思う。

 

そう思うと、こういった存在にアイドル(偶像)という言葉をあてがった最初の人はすごいセンスだと思う。

 

それはともかく、そうして存在するからには、ジャンルという枠組みを設けた瞬間にその枠組みにおける様式美を求めることは必然である。

 

わかりやすくジャンルを定義しないと、コンセプト似合わないからね。

 

それで言えばプロダクト的な側面は強いから、昔の私はそういう側面が受け入れがたかったものだ。

 

だが、一歩引いてみるとその裏側で曲を作っている人たちはガチンコに力のあるアーティストが多くて、その人たちが自分の顔では色々の思いだったり表現としてできない、あるいはやらないことを、他人がやるならやっちゃおうと言って遊び出す感じがあるから、それがこういうアイドルの存在を際立たせるのだろう。

 

もちろん彼女らにもそれぞれに何かが芽生え出すこともあるだろうから、先々までどうなるかはわからないにせよ、こうしてジャンル特化していくことで結果的にコアな世界の入り口になる可能性もあるし、その意味で実は多くの可能性を孕んでいる存在なのかも知れないね。

 

歳をとって良かったと思う一つは、こうした変なこだわりを持たなくなることだな。

 

まあ、違う面倒臭さも出てきているが、ここでは置いておこう。

 

いずれにせよ、自身のバンドだけでなくさまざまな形で音楽の仕事がきちんと生まれるためにもいいし、今後も色々見ていきたいものだ。

 

今後またポストパンク系アイドル、アンビエント系アイドルなど、可能性はまだまだたくさんだ。

 

 

最後にバンドマンではないが、今や世界的な知名度を持ったこの人の提供楽曲を。


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千葉のご当地アイドルとして登場したC-zoneというグループだが、デビュー当時楽曲提供をしていたのは当時底抜けエアラインだった小坂大魔王だ。

 

私はオンエアバトルめちゃ見ていたので知っていたのだけど、大学生になって千葉県に引っ越して、ある日千葉テレビを見ていたら登場した彼、彼女らをみてびっくりしたものだ。

 

今改めて聴くとなかなか曲としてトンガってやろうとしたのかなという感じもするよね。

 

まあ、売れなそうだけど。

 

ちなみにこのグループも何度か世代交代しているらしいが、昔バイト先にこのグループに絶賛所属中という子と一緒だったことがある。

 

当時本当は歌手になりたいのにアイドルやらされている、と言っていたが、調べてみたらあまり情報は多くないが、どうやら歌の仕事をやっているらしい。

 

よかったね。

 

 

いずれにせよ、今後もさまざまなコラボに期待である。