音楽放談 pt.2

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偽物じゃないよさ ―R.E.M.

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最近疲れてるな、と思う事の方が多い。

朝は5時半に起きて6時半前には家を出る。

夜は11時前に家に着く事はほとんどないし、昨日も一昨日も終電だった。

元々体力の在る方ではないので、こういう生活はかなりくる。

仕事も変わって3ヶ月目であるが、我ながら自分の鈍くささと要領の悪さに情けなくなる。

そうはいってもやる事やるしかないし、頑張るけどね。


そんな疲れた状態だと、あんまり能天気な音楽は聴きたくない。

もっとも普段からそれほど好んで聴くタイプの音楽ではないけどね。

どんな音楽が恋しくなるかったら、やはりゆったりと心癒してくれるような音楽である。

先頃出たBSSの新譜のボーナスとして入っていたEPが実にいいあんばい。

これはこれで別で出してくれても十分金を出す価値が在ると思う。

まあ、地味だから売れないと思うけど、良い作品なのは間違いない。

静かで、穏やかで、優しくて。

やっぱり疲れている時にはこういう音楽がしみるんだよね。

これが単純な肉体疲労なら、多分もっとアッパーな奴が欲しいはずである。

昼間は最近XTCの「Oranges & Lemmons」を好んで聴いている。

良いアルバムですよ、こちらも。


個人的癒し系上位にくるのは、すでに御大R.E.M.である。

一昨年の新譜ではかつてないアグレッシヴさで世間を驚かせたが、彼等の一般的なイメージとしては、やはりもっと純粋なポップと言う印象ではなかろうか。

特に近年の作品はそういう傾向が顕著で、そこから入った私のような人間には殊更そのイメージが強い。

で、初めて聴いた彼等のアルバムと言うのは「Reveal」というやつ。

近年の最高傑作との呼び声も高い今作であるが、実際いい。

はずれ曲は一切ないし、アルバムとしてもいい。

シングル向きの曲もあるし、全体的なトーンも素晴らしい。

まあ、地味では在るけど。


彼等の音楽の何が好きかって、まずはなんといってもフィーリングである。

明るいと言う単純な言葉で表現したものかはわからないが、根っこに暗さがないのである。

かといってもちろん能天気と言う意味ではない。

なんというか、それでも前向かなきゃしょうがないでしょ、みたいな強さというかな。

しかもその言い方がすごくこちらに寄り添ってくれる優しさをもっている。

ただ闇雲に頑張れとか、そんなことを言っているのではなくてね。

うまく言えないけど。


それと、そのフィーリングを醸し出しているマイケル・スタイプのヴォーカルである。

彼の独特の声は、本当に神がかっていると思う。

こんなに優しい声の人がそうそうあろうか。

うまい下手ではないのである。

歌詞自体もやや抽象的なものが多いけど、この声と合わさるとそれが実に心地よくてね。


で、このアルバムでのキラーといえば、なんと言っても"Imitation Of Life"である。

最強のポップソングといっても過言ではない。

詞の受け取り方もきっとひとそれぞれに違うと思う。

また、"I'll Take The Rain"もかなり名曲だと思う。

すこし切ないフィーリングの曲だけど、この曲もいい。


本国アメリカでの人気と日本での人気の温度差が激しいアーティストとしても有名な彼等であるが、もっと認知されて、もっと売れても良いと思う。

内の母親(50)でさえ良いと言った音楽だから。

こういう本当の意味での優しさみたいなものを感じさせてくれる音楽が、良い音楽と言うもんである。