音楽放談 pt.2

SEO強化をしていこう。

頭の中をグルグルと ―TagoMago

イメージ 1

音楽を聴いていて不思議だな、と感じることは結構あり、先日Joy Divisionのときにも書いたことといくらか重複する要素もあろうが、また書くね。

音楽は、いってしまえばノイズの羅列であり、楽器によるそれらの単なる構築である、といえる。

一定のテンポやリズムを刻むことで心地よかったり、よくなかったりするわけであるが、そういた単純な反応以上のものを感じるものもある。

例えば、60年代くらいの音楽(たって自分が聴いている奴だけだけど)なんかは特にそうなんだけど、やたら気迫みたいのが満ち溢れているのである。

Velvet Undergroundなんかはいい例であろうと思う。

あの退廃的で、いかにも裏路地の雰囲気が透けて見えてくるような楽曲は、単なるノイズの羅列以上である。

ひょとしたら他の感覚器官にも影響しやすいパルスを発するのかもしれないね、なんて。


で、そう言う音楽というのは、すごく刺激的な一方で少し怖いような気持ちになることもある。

一歩間違うと、本当にその向こう側に言ってしまうような錯覚を覚えることがある。

経験的には面白いんだけど、ちょっとあぶないなあ、なんて思うのである。

そんな危うさを感じる音楽には、CANなんかもあげられるであろう。


カタカナで「カン」と書くと、心配ない感じになるんだけど、そうでない。

CANである。

先のような冗談を言うことさえ憚られるほど偉大なバンドというほかない。

自分の持っている音楽言語では到底説明なんて出来ないし、すばらしいプレゼンをすることなど出来ないが、それでも触れておきたいバンドである。


彼らは60年代のドイツで生まれたバンドであり、現在ではクラウトロックなどと称されており、!!!なんかはその影響を強く感じる。

で、どんな音楽やの?というと、いわゆるミニマル的な感じかな。

・・・・早速駄目やん。

まあ、そういうところはぜひ他のCDのレヴューなどを読んでいただいたほうがいいでしょう。

ここでは浅薄ながら個人的な感想に止めておこう。


自分はまだ3枚のアルバムしか聴いたことないんだけど、その内で今回は「Tago-Mago」というやつを。

このアルバムはファンの中でもかなり評価の高い作品のひとつで、中には最高傑作という人もあるだろう。

そんな評判を聴いて買ったんだけど、正直聴いていて怖くなるアルバムである。

疲れたようにつぶやくヴォーカル、ひたすらリズムを刻むドラム、グルグルと回るようにうねるようなギターなど、どこか呪術的なのである。

すっかすかの音の隙間に次第に巻き込まれて、そのうち頭がおかしくなりそうな気さえする。

それほど複雑なことをやっている印象もなく、むしろそれゆえにそうした感覚になるのかもしれない。


ダンスミュージックというものは、同じフレーズ、リズムの反復である。

そうして変化のない中で次第に忘我の境地に導き、いわゆるトランス状態になるわけである。

彼らの音楽にもそうした側面が多分にあり、しかもフロアミュージックのような強引な仕方ではなく、自分からそちら側に進んで入っていくような感じがあるので、余計怖いのである。

ちなみみ、たまたま実家でこれを聴いていたとき、漏れ出る音を聴いたわが両親は「なんか不気味な奴きいとるなぁ」なんて訝っていたが、まあ自分の息子がこんな音楽に没頭していたら、さすがに心配にはなるだろう。

一応言っておくが、自分は正常だし、この音楽だって別に害悪のあるものではないよ。

ただ、人によっては本当にまずいことになりかねない可能性は否定しない。

まあ、ちょっと大げさではあるけど、それほどの魔力を持った音楽であることは間違いない。


それにしても、ドイツという国はそれほどメジャーな音楽で有名なバンドていないんだけど(Ramsteinくらいか?)、実は非常にオリジナルで、現在のロック、とりわけ意志の高い人たちにはかなり強烈な影響を残している。

それこそKraftwarkもそうだし、Neu!もそうである。

Kraftwarkなんて、もはやすべてのポップの祖といってもよいし、とりわけJ-POPにとっては需要な存在である。

なんといってもテクノを発明した人たちである。

Perfumeだって、元をたどれば彼らだぞ。

また、Neu!なんかは、自分は一枚しか聴いたことないが、やはりミニマルで独特なリズムを刻む。

ポップとは必ずしも言い難いが、聴いていると結構面白い。

当時はまったく世間には理解されなかったし、圧倒的なマイノリティであった彼らが、今や誰もが重要な影響源に挙げるほど評価されている。

こういうのを時代が追いついた、というのだろう。

すごいなあ、と思う。


ともあれ、聴けば刺激的で他のも聴きたくなり、それを聴くとやっぱり刺激的だから他のももっと聞きたくなる。

そんな螺旋にほうり込まれるような魔力が、彼らの音楽にはある。

あ、最後に、このアルバムのヴォーカルは、日本人のダモ鈴木という人である。

一部日本語の歌詞もある。

ストリートで偶然メンバーに拾われたのだとか。

いろんな意味で奇跡なのか、すべてが計算なのか。

そういえばドイツは数学の国。

やはりすべては計算どおりであったのか。

でもビールの国でもあるしね。

実は単に酔っ払った勢いとかだったりしたら面白いのに。