昨日ほしいCDがあって出かけたのだけど、当初買う予定だったものは見つからず、何の気なしにみていて目に入ったものをつい買ってしまった。
何かと言えば、Joy Divisinのボックスセットというか総編集盤というか、彼らのキャリアで録音された音源はほぼ網羅されているらしい。
トータル80曲という大ボリュームなので、これがあれば全ての曲を聴くことができるだろう。
私は既にオリジナルアルバムは全て持っているし、ベスト盤とかも被り曲のないものはほぼあると思うけど、曲順も独自編集になっているし、ライブ音源もたくさんはいっているし、せっかくなら買ってしまおうというわけだ。
さすがにまだ全然聞けていないけど、こうやって曲順を変えて聴くとアルバム全体のムードとは切り離されるから曲自体として聴くことができて、それがまた新しい発見になる。
『Unknown Pleasure』に入っている曲は、曲調そのものは重たいけどある種のきらめきを感じるものが多い。
アルバム未収録の曲は総じてパンクな側面があるし、そこにデジタル的な音が乗っているのは確かに当時は画期的だったのかな、なんて思う。
ベースが中心にある曲も多いのだけど、やっぱりかっこいいなと思いながら聴いている。
なんでかわからないけど彼らの楽曲って私の中の何かにフィットするらしく、心地いというのは少し違うけどそんな感じを覚えるのである。
それこそ90年代のNine Inch Nailsとかもそうなんだけどね。
このセットでは曲順も解体されているけど、"Disorder"はやっぱりかっこいいし、"Ice Age"の性急な感じもかっこいい。
"She's Lost Control"はあの危うい感じが素晴らしいし、"Shadowplay"はポップだしね。
とりあえず1枚目だけ聴いたのだけど、このディスクの曲は総じて聴きやすい曲が多く、JD初体験の人にはオススメしやすい内容になっている。
とはいえ、手始めに聴くにはこのセットから、というのもハードルが高いので難しいところだが。
彼らの音楽は未だにフォロワーを生み続けている。
フォロワーというよりは大きな参照元になっているという方が正しいかもしれないけど、今や一つの古典になっているわけである。
演奏力は素人が聴いても上手くないのはよく分かる。
楽器をやっている人からするとハラハラするらしい。
拙い演奏なのは間違い無いのだけど、音楽はそれだけではないということをこれでもかと示している好例だろう。
彼らはもともとピストルズなどのオリジナルパンクに影響を受けているので、スタンスはそこにありながら、IanはLou ReedやDavi Bowieも好きだったようなので、そうしたところから受けた影響も歌詞や音にも滲み出ているのだろう。
そこにKraftwarkなんかも好きだったというから、そこにデジタルの要素が入って、さらにプロデューサーの手腕(というかアイデア)も手伝って、新しい音楽が生まれた。
今聴いてもかっこいいなと思えるのは、やっぱりオリジナルだってことだろうしね。
まいいや、無理にあれこれ書いてもなんなのでここらでしめるけど、いずれにせよ彼らの音源は未聴のものもまだあって、未だに迷っているのは『Unknown Pleasure』『Closer』のライブ盤付きで再発されたやつ、それとLiveのブート盤などなど。
もう絶対にライブの見られないバンドなので、少しでもそういう音源を聴いてみたいと思うのである。
暗いといえば暗い曲の方が多いので、合わない人には合わないとは思うけど、一度は聞いてみてほしいバンドですね。
"Disorder"