音楽放談 pt.2

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サウンドトラックの妙 ―The Girl With The Dragon Tattoo

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昨日は久しぶりに映画を観に行ったのです。

何かと言うと「The  Girl With The Dragon Tattoo」。

何故かというと、私の敬愛するTrent Reznorがサントラを担当していたから。

昨年は『Social Network』でもフィンチャー監督と組んで、Attica Rossとともにアカデミー賞を受賞したのは記憶に新しい。

今回も同じ組み合わせだが、映画の色合いは大きく異なる。

前作はドキュメンタリー的な側面の強いものだったが、今回はサスペンス。

個人的な興味としては、音楽がどれほど効果的に使われているのか、という所が最も大きかったかもしれない。


私はこの映画に先立ってサウンドトラックを買って聴いていた。

印象としては、『Social Network』同様、『Ghost』の様なアンビエント的な音楽を主としている。

生楽器と打ち込みの同期は今の彼のスタイルだろう。

『Ghost』リリース当時、トレントは「こういう音楽をずっとやりたかった」みたいな発言をしていたから、きっと生き生きと作ったに違いない。

まあ、ぶっちゃけ言ってしまうと、二つの作品に大きな違いはない。

どっちの映画に使われていても違和感のない曲が並んでいると言っていいだろう。

とはいえ、『TGWTDT』の方がサスペンスという事もあり、不穏な音楽が多い。

『Social~』は、どちらかと言うと不安感というか、寂しさみたいなものを感じさせる音が多かった印象である。


とはいえ、2作品の大きな違いは、何と言ってもヴォーカル曲の有無である。

オープニングとエンディングの2曲ね。

一番わかりやすいところだけどね。

特にオープニング曲となったLed Zeppelineのカバーは、CMなどでもかかっていたため、多くの人が耳にした事があるだろう。

映画の冒頭でも映像とともに流れていたので、それだけでも印象的なはずである。

元々強烈なリフとドラムが印象的で、かつヴォーカルのアジテーティヴな叫び声が抜群にかっこいい訳であるが、ここでヴォーカルをYeah Yeah Yeha'sのカレンOを持ってくる辺りのセンスが最高である。

加えてトレント印のインダストリアルサウンドが最高にハマっており、もはや名曲の域である。

これだけでも価値のあるサントラだ。

ちなみにエンディングもカバー曲で、元ロキシーミュージックのブライアン・フェリーのカバーだそうだが、こちらは嫁&ロスとやっているHow To Destroy Angelによるトラックになっている。

原曲を知らないので何とも評価が難しいところはあるのだが、こちらは主人公の一人、リスベットのラストの心情を思わせるような風情があり、こちらもハマっていたね。


このブログでは音楽について書こうと決めており、かつこの書庫も音楽についてのところなので、映画については特に書かないけど、この映画でもトレント&ロスは非常に良い仕事をしていたと思う。

サウンドトラックは別にそれ自体が圧倒的に主張する必要はないし、むしろ場面を盛り上げる事が最大の目的である。

その意味においては、今回も抜群に良かったと思う。

前作で、アカデミー賞の書評だったと思うけど、それが印象的だったので引用すると、「このアルバムは最高の音楽アルバムではないかもしれない、しかし、最高の映画音楽だ」みたいのがあったのですね。

非常に的を射た発言だと関心したものである。

『Social~』の時はサントラを聴くだけでも映画の情景が蘇るほどに素晴らしく効果的であった。

今回のは3枚組と長編(通して聴くと3時間近くになる!)で、かつ映画自体も同様に長いので、そこまで鮮烈にという事はないのだけど、それでも劇中で観ていてすごく情景も何もぴったりで、さすがと唸った。


元々トレントはプロデューサー的な視点の強いアーティストでもあるから、余計にこういう仕事がハマるんだろうな。

自分のアルバムを作るときでも、ここではどんな曲が必要で、とか、ここでは何を感じてほしい、とか、そういう事を緻密に考えていそうなタイプなのである。

Nine Inch Nailsとしても、今年は再始動するとかしないとかいう話も漏れ聴こえてくるようになったが、それ以外にもこうして活動の状況が見えるというのは嬉しい事だ。

これで一般層にも多少の認知が広がったとして、NINのファン層の拡大にはまずならないだろうけど、やはり彼は才能豊かな人なのだな、と思うのである。


ちなみに、劇中でNINのTシャツを着た人が登場する。

事前情報を持っていたが、多分持ってなくとも気がつく位わかりやすいところで。

ファンは是非チェックされたし。

また、先にも触れたオープニングだが、映画館の素晴らしい音響で聴くとまたこれが素晴らしいのである。

そこだけでもにやけまくりであった。

映画共々、是非チェックされたし。