まったく、つい先週までは肌寒さを覚えるような毎日だったのに、いつの間にか半袖である。
もう少し春を感じさせてくれても良いじゃないか、なんて事も思うが、地球の知った事ではない。
大きい目で見れば人類だってゴキブリと同じさ。
ただ尊大でいたいだけでね。
そんな事はどうでも良くて、これから夏に向けて新譜もバンバン出てくる。
既にマンソン先生も新譜を出されて、さっそく日本盤で購入したのですが、洋盤でよかったなというのが正直なところ。
デップ参加の曲も聴いたけど、それほどピンと来るではなく、歌詞カードもなし。
故に輸入盤との1,000円近くの差を納得できる価値は皆無でした。
内容そのものは別に悪くはないけど、個人的には今更感かな。
もはや期待するアーティストにあらず。
歌詞もわかんないから余計にね。
5月頭にはTha Blue Herbのアルバムも出る。
6月にはMaximo Parkも出る。
NIne Black Alpsも新譜をそろそろ出すのではなかろうか。
あとはThe Velvet Teenとかも期待したいんだけどね。
ま、どうこういっても仕方ないか。
いずれにせよ新譜が待たれるアーティストを観る機会は、あまりなさそうなのが残念である。
そんな新譜ラッシュの中で、久しぶりにBlack Diceも出している。
洋盤は4月10日には出ていたのだが、5月頭になんと日本盤が出るとか。
歌詞なんて基本的になくうめいているだけで、しかもボートラも特に付かない。
解説と帯が付く以外輸入盤と変わらないので、一体どれほどの需要があるのか。
そもそも彼等にここ日本での需要って本当にあるのかがはなはだ疑問なのだが、少なくともここ3枚のアルバムについては日本盤が出ているのである。
いやはや、ホント不思議。
個人的には大好きなんだけど、どう考えても買う奴の方が少ないだろ。
てかそもそも知らないだろうし、知る場所もないし、聴いたところで良いね!ていう人少ないと思うよ。
今回は彼等の2ndに当たる『Broken Ear Record』というアルバムを掲載してみました。
お尻のアートワークがいかにもセクシーだが、スケベ心で買うと恐らく後悔しかしない。
細切れにされたようなノイズが規則的なのか不規則なのかよくわからないビートに乗ってやってくる。
なんだかやたらと攻撃的で実は大好きなアルバムなんだけどね。
なんとこのアルバム、ご丁寧にかのコピーコントロール仕様なのだ!
誰もコピーなんてせんて。
彼等の音楽の一体何が良いのか、正直私自身もよくわからない。
ただ、無秩序に感じる音塊の中に、実は規則性が潜んでいたり、何も考えずに聴いていると実は気持ちよかったりと、個人的にはノリノリな音楽なのである。
考えてもよくわからないから、聴くものに考える事を放棄させるような効果もあるかもしれない(一応言っておきますが、適当にいってます)。
こういうものを電車の中で大音響でかけてやったらどれだけ楽しいか。
でも、たまにこういう日常の風景にやけに馴染む瞬間もあるのだよ、これが。
大体において人生において目にする景色のほとんどが歪である。
人間の顔だって整ってないし、幾何学的に整っているものはおよそ人工的なものばかりである。
むしろ自然状態が歪であるが故に、そうした統制された美を求めたのかもしれないね。
でも、物事をより忠実に再現しようとすればするほど、世の中はやはり歪なんだ。
人間も、動物も、感情も。
そんな歪さを素直に表現したら、こんなものかもね。
あるがままを受け入れる、ていう姿勢ともいえるかもしれない。
というのは飛躍し過ぎだろうけど。
私は綺麗な音楽って好きですけど、綺麗な振りをした音楽は大嫌いですね。
例えばクソみたいなJ-POPに見受けられる純愛とかいうクソみたいな価値観ね。
そんなものを崇拝するくらいなら、歪でおどろおどろしい人間や社会の本性を描き出すものの方が、よほど美しいのではなかろうか。
彼等を称して変態とするものもあるが、欺瞞に満ちた普遍を追うくらいなら、ありのままの変態の方がずっと正常である。
ちなみに変態性はだれでも持っている普遍的なものだと個人的には思っているけど。
同じ在り方をするのが普遍であるとするならば、個性というものに目を向ければ変態ばっかだろ。
変態という言葉がしばしばネガティブに使われるからいけないのだよ。
ともあれ、純粋に意味不明な音の塊にやられるのも、たまには良いのではないでしょうか。
殊CDを買って後悔した、という経験すらない人は、その一歩として彼等を聴くのも悪くないだろう。
きっと新しい視点をもたらしてくれると思うよ、マジで。