音楽放談 pt.2

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現代的であるという事 ―Black Dice

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最近出張で方々の町へ行くのですが、特に関西方面への出張が増えている。
 
大体大阪駅付近に宿をとっているのだけど、やはり地方によって町の雰囲気というのは違うから面白い。
 
大阪とかだと、耳に入ってくる言葉も関西弁なので、なんだか新鮮なのである。
 
語尾の「ですぅ~」と上がり調子にいうのがいいですね。
 
丁寧語というと、やはり東京だと基本的には語尾は下がる。
 
しかし、大阪では上がる。
 
それがなんだか人懐っこい感じがして、実にいい味を出していると思う。
 
とはいえ、街中はなんだか猥雑としていて節操がないというか、むやみやたらに騒がしい感じがしてしまうのは気のせいだろうか。
 
関西弁というと、どうしてもテレビの中のお笑い芸人が使っているイメージが強いので、少なからずバイアスはかかっているのだろうけど。
 
まあ、実際私はこの街が嫌いではないですね。
 
 
さて、そんな猥雑な町に似合う音楽と言えば、やはりBlack Diceであろう。
 
めでたく新譜も発売されて、しかも日本版も出ているという、意味不明なバンドである。
 
バンドというよりは、音楽性的にはユニットという方がいいかもしれない。
 
デビュー当時はBoredomsを想起させる音楽性であったが、ここ2~3枚でアヴァンポップと呼ぶにふさわしいカオスっぷりを発揮している。
 
その上でアルバムを重ねるごとにポップさをましていくのだから、実に私は嬉しいのですね。
 
 
彼らの音楽は、いわゆるノイズミュージックに属する。
 
奇怪な音をつなげる中で音楽として成立させている。
 
人によっては成立してないと思うだろうけど、少なくとも私にはポップに響くのですね。
 
彼らの音楽には基本的に意味がない。
 
でも、なぜかポップなんですね。
 
不思議と明るいし、でもポジティブではない。
 
不思議な音楽です。
 
そんな聞いているこっちまでカオスにさせてもらえるので、いいんです。
 
 
今回のアルバムも、かつてないほどのポップさである。
 
それでいて相変わらずのカオスっぷりはもちろん健在で、彼らの作品史上もっともメロディアス?でもある。
 
一定のリズムが刻まれていることがまず驚きという奴だ。
 
思わず体が動き出すリズム!
 
まあ、そう思う人はあんまりいないかもしれないけど。
 
 
以前にも書いたのだけど、彼らの音楽は町の猥雑さが実にマッチする。
 
むやみやたらに行き交う人々、よくわからないけど道端に座り込んでいる人、桁下でごみにくるまるホームレス、サラリーマンにOLにギャルにヤンキーに、実に様々な人たちは思い思いに過ごしている。
 
自由だね。
 
統一感のない町の景観は、なによりそこを構成する人々の属性によって描かれる。
 
電車に乗ってもみんな周りに興味はなく、それぞれの予定の中で生きている。
 
電車を降りて行った人たちの人生なんてものもあるんだろうが、せいぜい可愛い子の人生以外には興味はない。
 
それとて自分が電車を降りる頃には既にどうでもよくなっているのだから。
 
世の中の大半は無関心の中で過ごされいる。
 
そのカオスっぷりといったら、もはや綺麗事など寄せ付けない。
 
そんな景色に、彼らの音楽は実になじむんですね。
 
そんな猥雑さは嫌いじゃないから、彼らの音楽を好きなのだろうな。
 
人生の大半は意味不明。
 
そもそも意味なんてないし、混沌の渦の中で気が付いたら死を迎える。
 
その時に初めて人生に平穏が訪れるのかもしれない。
 
それまで混沌を楽しもうではありませんか、なんて。