音楽放談 pt.2

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踊るぜPEOPLE ―THE MUSIC

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2000年頃というのはロック的にはひとつの契機であった。

オルタナティヴのムーヴメントは完全に沈静化し、トラウマティックな世界観を暴露することに端を発するへヴィロックは完全に形骸化し、ただ暴れたいだけのクソ野郎のテーマ曲でしかなくなった。

日本ではちょうど遅れてミクスチャー全盛になってた時期だろうと思う。

そんな中颯爽と現れたStrokesにより、価値観は一気に書き換えられた。

スカスカでシンプルなそのサウンドは、まさに古くて新しいロックだったわけである。

しかもイケメンばっかりと来た日にはあんた、食いつかないわけはない。

もちろんそのせいでハイプ扱いされたりもしたわけだけど、真価はいずれ問われるものである。

それと少し前後して出てきたバンドのひとつが、THE MUSICというどストレートなバンドであった。

Libertinesなんかもあわせて御三家なんて日本では呼ばれていたが、それにしてもセンスないくくり方である

それはともかく、他の2バンドが60年代周辺を参照していたのに対して、彼らは90年代的な音楽を参照して、しかもグルーヴに焦点を当てた音楽で注目を集めることになる。


私が初めて聴いたときにはすでにセカンドも出した後であったが、やはりまずは1stを聴いた。

聴いたときには、確かに変わったというか、あんまり聴いた事のない感じであると思った。

ぶっちゃけグルーヴとかいう感覚もよく理解してなかったし、とにかく音がうねっているなあ、という感想であった。

何回か聴いても、実はそんなにピンと来なかった。

個人的にはStrokesの方がぴんと来たし、素直にかっこいいと思った。

もちろんアルバム中にはかっこいいと思う曲はあったけど、数曲だけで、あとはよさがわからなかったというのが正直なところである。


しかし、何年かして、久しぶりに聞いてみたところ、あれ?かっこいな、と思ったのである。

昔よりも楽器の音が一つ一つ聴こえるし、音楽で体が揺り動く感覚もすごく覚えた。

昔は単なる音の塊であったものが、すごくエネルギッシュでダイナミックな音楽として響いたのである。

彼らのライヴ定番曲である"THE PEOPLE"(曲名も基本的にシンプルである)も、はじめはピンと来なかったもの。

これがわからん奴がMUSICを好きなわけはない、といわれそうだが、仕方ない。

でも、今やすっか毒されている。

個人的には"THE TRUTH IS NO WORDS"や"GATAWAY"の方が好きだったんだけど、これらはますます好きになったね。

外の、やや暗い調子の曲なんかもなんとなくだけど、よさを感じるようになったし。

人って、成長するんだよ。


彼らは今年新譜も出し、それも友人に借りてではあるが聴いたのであるが、かなりかっこよかった。

それについてはまた別の機会に書ければと思うが(1記事1アルバムが基本ベース)。

で、昨日は彼らのライヴに行ってきたのである。

以前テレビで少しだけ見たライヴがめちゃくちゃかっこよく、また今年のフジロックでも評判がよかったので、一度は観たいと思っていたのである。

セットリストを書き出すことはしないけど、もうとにかく楽しかった。

踊りまくってやりましたよ。

新旧織り交ぜた選曲は、一切はずれなし。

Coralのジェイムスにも言われていたが、ぶっちゃけ名曲をかけるバンドではないと思う。

しかし、ライヴという場においてこれほど機能的な音楽というのもそうはない。

もともとジャムセッションみたいなものが好きなバンドであるらしいので、やはりそう言う場でこそバンドとしての真価は発揮されるということだろう。

ロブも多少ごまかしながらだったけど、ダンスも切れて声もよく出てたし、めちゃくちゃよかったよ。

おかげで今日は筋肉痛だよ。

足も重いし。

ラストの全員太鼓も最高によかったし、いやぁ、いいライヴでしたよ。

今日もあるけど、さすがにとらなかったが、とったらとったで余裕で楽しいだろうと思う。

ひょっとしたら当日券もあるかもしれないので、興味のある人はぜひいったほうがいいよ。

ちなみに前座はThe Whipという新人バンドだったのであるが、彼らも非常によくて、思わぬ拾い物をした気分である。

Daftpunkにも通じるテクノ的音楽に生楽器を同期させるスタイルなのであるが、MUSICとはまた違ったダンスライヴとなった。

というよりクラブみたいなノリだけど。


そんなわけで、いろいろつらい思いもした彼らだが、こうして元気に復活できたのはよいことである。

これからもがんばってほしい、そう思わせる良心的なバンドである。