先日ちこっとだけ書いた八十八ヶ所巡礼というバンドである。
渋谷のクラブクアトロだったのだけど、私はここへ行った事がなく、初っ端から迷子に。
中に入って更に迷子に。
何故便所の前にわざわざスタッフがいるんだ、紛らわしい。
それはともかく、今回は新譜のリリースライブ、と銘打たれているもどうやら発売が延期されていたらしく、会場で先行販売となった。
私はまだこのバンドのアルバムは1stしか聴いた事なかったが、とりあえずライブあるなら行こうと、もしならここで新譜買ったろ、などと思いつつ。
で、会場に入った瞬間はフルフィルかと思ったが、実はフロアは結構空いていた。
入ってすぐのところにドドンと柱があり構造的に非常に観辛い。
で、始って少し立ってからどうも前の方へ行けそうだと思って行くと案の定。
割といい位置につけました。
始ってまず驚いたのが、ドラマーがいきなり裸で出てきた事である。
このバンドはヴィジュアル的に非常に統一感がなく、無駄に存在感がある。
ちなみにバンドの面々→
四国の八十八ヶ所巡りからバンド名が来ている訳であるが、こうして作務衣を来てはバンドワゴンに乗って全国をその名の通り「巡礼」している訳だ。
なかなかコンセプチュアル且つ実践的なバンドである。
ちなみにドラマーは一番右の人。
この人が裸で出てくればそりゃ驚くでしょう!という話である。
細い体躯ながらしなやかで艶かしいドラミングは観る者の心を揺さぶって男どもナニを揺さぶって、荒ぶるビートをたたき出していた。
・・・スイマセン、嘘です。
四国観光協会の人にも謝っておこう。
もちろんそんな訳はないのであって、本当はこちら。
何となく納得感はないかもしれない。
いずれにしても何となくいかがわしいのである。
裸のドラマーは一番下のドカチンである。
ちなみにメチャクチャマッチョで、完全に総合格闘家の出で立ちである。
その強靭な肉体から繰り出される力強いタフなビートは男子の闘争本能と女子の子宮にダイレクト!などと。
実際はあまりの調和のしなささに終止疑問符が着くのだが。
ちなみに一番上がベース/ヴォーカル。
この人は男なのだが女装しているので、パッと観は女の人に見える。
アマゾンのレビューにも一部勘違いしたコメントがあったかが致し方ないか。
声を聞けばわかる気がするが。
ちなみにこんな人。
マンガ家の辛酸なめ子に似ている。
今回ライブ会場におよそロックとは結びつかない大人系女性客が目立ったが、ひょっとしたらある種の層に受けているのかもしれない。
女装男子というジャンルがあるとかないとかいう話を聞いた事があるので、あながち外れてもいまい。
中断の独りだけロックっぽい人がいるが、この人がギター。
一見普通っぽいが、ライブ中はずっと風を浴びている。
ちょっとナルシーなステージングで腐女子をノックアウトやで!
・・・なんだか今日は我ながらノリが変だ。
表現古いし。
まあいいや。
こんな具合にヴィジュアル的に統一感もなく、過剰なまでに濃いメンツのバンドであるが、音楽的には割と真っ当。
軸としては初期ゆら帝系のロックンロール、音楽的にはミニマルなビートにメタルっぽいエキセントリックでトリッキーなギターが乗っかって、奇抜なヴォーカルが耳を惹く感じ。
ライブはかなり爆音である。
で、この人たち何気にテクニックはかなりすごいと思う。
特にギターは細かにフレーズをテロテロ器用に弾くし、ベースもしなやか。
ドラムはさすがのパワフルさで、実は見た目以外は極めて真面目な印象だった。
ステージングもかなり意識的で、ちょいちょいメタルのようにギターソロを入れたり。
ヴォーカル以外は基本的にしゃべらないし歌わない、ギターも前に出るけど会場を指差したりしてナルシーパフォーマンスをするくらい。
最後はグラサンを投げたのだが、実はそんなにイケメンではない。
しかし、いい人そうだ。
曲は1st収録のものしかわからないけど、全体的にもう少しメリハリを付けられると面白いかなと。
バラードを歌えとは思わないけど、ヴォーカルが特徴的でギターも変則的なプレーが多いため、翻って展開が薄くなる。
何気にインストパートが良かったり、機材トラブルが何回かあったけど、その間に即興でやってたインプロがいい味出してたな。
ただ、やはり”仏滅トリシュナー”は別格の曲だな。
ある意味このバンドの音楽的な特徴を一番よく表現している曲だと思う。
ミニマルでタイトなビートで、その上をエキセントリックなギターが浮遊する。
そしてサビでの爆発。
わかりやすくてキャッチーで、ちょっと怪しいけど実は現代的。
フォーマット化してしまうのは良くないが、こういう曲が増えるともっと売れるようにもなるのに。
ライブはおよそ1時間半くらいで本編終了。
その後アンコールもあったようだが、今日はもういいやと思い離脱。
帰りに新譜とオヘンロさんストラップを買ってしまった。
オヘンロさんとは彼等のマスコットキャラ?で、トップの画像の奴である。
なんて可愛いんだ!!と思ってつい手を伸ばしてしまった。
・・・こういう気持ち悪いやつ、何故か好きなんですよ。
憎たらしい顔してね。
で、バンドとして気になったのは、このバンド一歩間違うとゲイコミュニティとかにお呼ばれしそう。
実際がどうかしらないが、恐らくヴォーカルはそっちの人っぽいし、しゃべり方も。
そんでゲイに人気のゴリマッチョ。
グラサンはモテなさそうだが。
別にゲイの云々を否定している訳ではないのであしからず。
しかし、こういうバンドのパーソナリティ故に文系っぽい女の子が多かったのかな。
近くに普段はクラスの目立たない風な子がいたが、セットリストを手の甲に書きながら楽しそうに盛り上がっていたのがやけに印象的であった。
全体的に客が大人しい印象なのは、そういう層が多いからかもしれない。
色んなタイプのバンドのライブに行くと、そこに集まる人の層も違いがあって面白いよね。