音楽放談 pt.2

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Hiphopの野心 ―MOROHA

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話が前後するのだが、去る11月30日にあるライブイベントへ行ってきた。
 
先にも少しふれたMOROHAというヒップホップユニットの2ndアルバム発売イベントである。
 
目的は対バンで出るLITEであったわけだが、そこに出たアナログフィッシュと併せて結局MOROHAのCDも買ってしまった。
 
アナログフィッシュについてもまた別に書くと思うので、今回はその時の主役のMOROHAについて。
 
 
私は彼らの事は全く知らなかった。
 
ライブに行くことを決めてから雑誌に載っていたのを少し記憶している程度であったというのが正直なところ。
 
割に高評価であったので、ならいい機会だ程度のつもりだった。
 
だから、当日もLITE以外のときは後ろの方で偉そうに様子見を決め込んでいた。
 
 
ライブが始まると、出てきたのはなんだか目つきの悪いヌボッとした感じのギタリストに野球少年、もしくは少し若い宇野薫のようなMCである。
 
ヒップホップと聴いていたのでこの編成は実に特殊だ、と思い、そこではすでにキャッチーであった。
 
しかし、そもそも私自信ヒップホップと言う音楽そのものにはあまり興味がない。
 
いくつか借りたりして聴いたが、結局残ったのはTha Blue Herbのみで、理由はリリックに尽きる。
 
ヒップホップは言葉の音楽だから、そこで歌われる世界やテーマに共感できるかどうかなのである。
 
私は友情万歳とか、女に謝る情けない男の云々などクソほどにも興味がないので、その手のものならさっさと帰ろうと思っていた。
 
 
で、結論からいうと、彼らのリリックは至極人間臭くて、汗臭くて、暑苦しくて、ちょっとうっとおしくて、情けなくて、でもなんか熱かった。
 
基本的には自分の野心というのがまずあって、そして同時に周りへの感謝とか、いろんな気持ちが歌われる。
 
声や節回しなど、すべてにおいて好きとは言えないのが正直なところだが、彼らの曲に対しては何か批判めいたことを言ってもむなしくなるような強さがある。
 
つまるところ素直だからだと思う。
 
素直に吐き出した人間に対しては、それを受け入れるという以外の態度は個人的には正しくないと思っているのだけど、要するに彼らの音楽はそういうものだと感じたから、私は受け入れざるを得なかったのかもしれない。
 
 
中でも印象に残ったのは、半径数メートルの愛を歌った”ハダイロの日々””三文銭”、このあたりは当日も印象に残った。
 
人間なんてどんなに世界平和を祈ってみても、結局自分の半径数メートルの幸せがなかったら何も幸せなんてない。
 
綺麗事はいくらでも言えるけど、それが素直なところだと思う。
 
過剰に愛を叫ぶのでもなく、ただ日常の中に何気なくそこにある温かなものを大事にするという、それだけで良いのではないかと思う。
 
”ハダイロの日々”は、ロマンチックなんて欠片もない。
 
だけど、暖かい曲だと思う。
 
実際会場中、特に女の子が結構泣いてたね。
 
そして”三文銭”は、失敗して挫折して、だけど俺は負けねぇぜって感じで、その向こうっ気がいいね。
 
大御所相手だろうが青いと言われようが、俺は俺自信の力を確かめなけりゃいけないし、おもねっていれば、礼儀正しくあればそれが素晴らしいわけでもない。
 
時代は変えていくものだとね。
 
 
そんなわけで、後になってCDも買って、ライブがあればまたみたいなと思わしむるには十分でしたね。
 
戦うときは一人で、だけど支えてくれる人には感謝。
 
これでいいと思う。
 
そんな姿勢だけでも俺には評価に値するし、是非もっと売れてもいい音楽だと思う。
 
一生懸命言葉なんて聴かない奴にでも、彼らの歌は届くのではないかと思うね。
 
 
”ハダ色の日々”