音楽放談 pt.2

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小休止105「英語の発音問題」

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日本の音楽が海外で勝負できない理由として挙げられるものの一つに、言葉の問題がある。

日本語で歌う限りにおいて、日本語を解さない大半の世界の人には良さが伝わらず、故に世界的に売れないという訳だ。

必ずしもそうではない事は坂本九の時代から証明されているし、今現在も歌詞がフル日本語であるにも関わらず海外を拠点に活動するBo Ningenのような例はあるし、もっと一般的ナポップフィールドに近い事例でいえばBaby Metalあたりだろうか。

その他にも、実は日本のフォークシンガーとかアングラサイケな人々を崇拝する外人も思っている以上に世界にはいたりする。

あるいは逆のパターンを考えても、日本人で英語などしゃべれなくても英語の歌は聴くし、日本の歌手も英語詞を織り交ぜながら歌詞を構成するものの方が圧倒的に多い訳だから、実はそこは本質ではないことは説き伏せるまでもなくわかってくれるだろう。

先の主張も実は確たる根拠がないからなんとなく言っているに過ぎない、というが実際だろう。

音楽の楽しみ方はそれだけではないのは皆知っているはずである。


とはいえ、言葉がわかる方がより音楽を楽しめる事は確かである。

意味として、情報として入ってくる要素が増える訳だからそれだけ立体的な解釈が出来る事になるし、音で表現される感情とかそういうものを補完する働きもしてくれるかもしれない。

それに歌謡曲文化の根強い日本では、言葉に共感するという人もやっぱり多いとは思うから、そこに拘ってしまうのも当然なのかもしれない。

だから海外志向のバンドはハナから努めて英語詞で曲を書いて歌っている場合も少なくない。

ある世代には圧倒的な存在感を今も持っているHi-Standardとかなんかはまさにそうだろうし、実際アメリカでも一定の成功を収めている。

最近でも先のBo Ningenとは違った形で海外に活路を見出しているThe Suzanという女の子バンドも英詞で歌っているから、聞く人のハードルを下げるにはやはり言葉は重要である。

ちなみに言語学的には、言葉の役割は情報の伝達よりも仲間意識の共有という役割が強いそうだ。

方言をしゃべる友人の口調がいつの間にか移ってしまうというのも、其の友人と心理的距離を縮めたいという思いがあるから移るのであって、そうでなければ影響される事はないだろう、多分。

女子高生とかの間で暗号のような文字が流行ったりするのも、自分達だけのコミュニティ意識みたいなものを築く為ではないかと思う。

そんな事例を見ても、言葉ってやっぱり共有されるから意味があるとも言える訳である。


しかし、日本のバンドで英語で歌うバンドに対して向けられる批判の一つに、発音の問題がある。

英語など自分だってしゃべれないくせに、発音が悪い、などと宣う訳だ。

まあ、私も彼等の言わんとする事はよくわかる。

別に私もしゃべれないが、しゃべらなくても世の中で流れる英語と明らかに発音とか違うやん、と言うくらいはわかるし、昔はそれがかっこわるいな、なんて思ったものである。

そしてその代表格のようにやり玉に挙げられるバンドの一つがインディズの雄、Brahmanだろう。



ヴォーカルToshi-rowの発音はお世辞にもうまいとは言えないし、英語の上に独特の発音なので歌詞を聞き取る事は至難ではないかと個人的には思っている。

その他に英語で歌うバンドには私も大好きなLilies and Remainsとか、54-71とか、国内だけで活動しているバンドも結構いるけど、アマゾンのレビューを見ても「英語の発音が気になる」とかいう人は少なからずいる。

■Lilies and Remains

54-71


一方でThe Mad Cupsule Marketsは英語の発音上手、などという評価もあるから面白い。

The Mad Capsule Markets (in Ozzfest)


それにしても、何故彼等は英語で歌うのかというと、先に書いたように海外でもやっていきたいという思いから英語を取り入れる場合もあるが、作曲する人が洋楽、英語の歌をメインに聞いて育ったので、歌の載せ方が英語じゃないとうまく行かないと言う事もあるらしい。

先の2バンドはそういう理由らしいし、マッドなんかは世界市場を意識してだろう。

ブラフマンについては前者の類いだろうね。

彼等の音楽を聴いていると、詰まる所発音など些末な問題でしかないということがよくわかる。

Toshi-rowにしても、彼のヴォーカルは独自過ぎてもうカッコいいのである。

54-71にしても、独特すぎる歌唱も相まって、もはや発音とかどうでもよくなってくる。

結局重要な事は形よりも本質である。

本気かどうかだ。


そんな訳で、発音とかそんな外面に振り回されることなく、もっと音楽として楽しめるようになってほしいですよね、みんな。


■The Suzan

■Bo Ningen