音楽放談 pt.2

SEO強化をしていこう。

どこにいたの? ―Script Is Here

イメージ 1

音楽にも思い出というものは付き物である。

あの時聴いた曲が、やけに染みる、そんな経験は誰にでもあるだろう。

たとえその曲が好きでなくとも、ある情景とともに記憶されている曲というのはある。

だから最近その手のコンピレーションが売れているわけである。


必ずしも思い出というわけではないが、最近好んで聞いている音楽から考えるといささか結びつかないものでも、やけに好きで聴いているものがある。

Scriptという日本のバンドであるが、ご存知であろうか。

最初からぶっちゃけてしまうと、昔Moon Childというバンドをやっていたうちの二人が組んでいるバンドである。

バンドというよりはデュオというべきなのかな。

Moon Childのときは結構シニカルな歌詞もあって、そう言うところが好きだったんだけど、Scriptではそう言う要素はあんまりない。

むしろちょっと独特だけど、きわめてポップで甘めの歌詞をポップなメロディに載せて歌っている。


Moon Childといえば、もはや懐メロの定番ともなりつつある"Escape"で一躍有名になったバンドである。

しかし、その後目立ったヒットがなかったため世間的には一発屋のように見られている。

でも、実際に音楽を聴けば決して一発屋なんかではないし、すごくいい曲が一杯である。

単に世間がずれていただけとしか思えない。

まあ、Moon Childについてはまたおいおい書くにして、今日はスクリプトである。


Moon Childは、自分が中学1年のときに解散してしまった。

今でもそのニュースを知ったときの情景は思い出すよ。

まだそれほど音楽を一生懸命聴いてない頃だったけど、このバンドだけはやけに好きだったの。

で、がっかりしたままときは流れて、確か高校生になってからだと思うんだけど、本屋で漫画を立ち読みしていたときのこと。

ふと流れてきた歌声に聴き覚えがあった。

しかし、曲そのものは聴いたことがなかった。

でも、まもなく「これは佐々木収さんの声やんけ!!」と気づき、周章狼狽、これはどういうことかしら、となったのである。

当時はまだインターネットが過程普及率上昇中な最中であったので、我が家は導入するか否かで議論が繰り広げられている頃であった。

まあ、仮にネットが使えたとてそのバンドの正体がわからないため、そのまま時は流れてしまった。

で、インターネットが我が家にやってきて、エッチなサイトで地雷を踏まないように遊んでいたとき、不意にMoon Childのことを調べてみた。

すると、Scriptという、見慣れない名前がやけに引っかかる。

こらなんど?とクリックしたところ、佐々木さんと渡辺君に出会ったのであった。


すっかり前置きが長くなってしまったが、そうして買ったのが彼らのメジャー1st「Script is Here」であった。

ここにいたのか、と本気で思ったよ。

早速聴いてみたら、らしい歌詞はそのままに、どちらかとMoon Childの初期の頃のような、非常にポップ的な路線で、それでいて力強いロックであって、なるほどこいつはまた一味違うというわけか、と一人うなったのであった。

このアルバムには、彼らの代表曲である"Talking Heads"という曲が入っている。

やや皮肉を込めた独特の言葉使いがいかにもらしくてほんとに好きである。

また、"Brandnew Heavy Tie"などは、やはりScriptらしい曲で、ここら当たりに彼らの新しい側面を見出した思いであった。


私が今でも彼らを聴く理由のひとつは、彼の書くラヴソングゆえかな、と思うことがある。

彼らの書くラヴソングは、すごく温かみのあるものが多い。

昨今観られる過剰な自己愛とあなたを愛している私によっているだけのナルシストソングみたいな押し付けがましさはなく、あくまで相手を包み込むような空気がある。

聴いててすごく安心できるし、彼女に歌ってあげたラヴソングというのはこういうタイプの曲だと強く思う。

ま、いねぇけど。

Moon Childの頃は収さんが9割9部曲も歌詞も作っていたが、Scriptでは渡辺君もちょくちょく書いている。

比率的にはやはり収さんだが、渡辺君の書く曲も、結構いい曲があったりする。

彼もまた優しい歌詞を書くのである。

ちょっとかっこつけしい感じはあるし、収さんに比べると独創性にはやや欠けるようには思うが、人柄が出ていて好きである。


ちなみに彼らはこの後もう一枚アルバムを出して、またメジャーからインディに戻ってしまう。

理由はよくわからないけど、やっぱりメジャーのやり方がいやだったんだろうね。

現在までに彼らは7枚のアルバムと、2枚のタイアップシングルを出している。

今年の東京ゲームショーでも歌ったらしいので、思いがけず見た人はいるかもしれない。

アルバムとしては、メジャーから離脱して自主制作してたあたりがやはりいい。

「Domestic Industry」と銘打って3部作でも発表したりしてんだけど、ぶっちゃけ曲の粒には少し不揃い感は否めない。

でも、楽しげな空気は満載なので、聴いていて悪い気は決してしない。

目下最高傑作と思うのは、前作に当たる「10 Stroke」というアルバムである。

歌詞も曲も非常によい。

曲作りのバランスが半半なのも面白いしね。

で、今のところの最新作は「Newest Vista」というアルバム。

すごくきらびやかで、よりいっそうポップさは増しており、一番大衆受けしそうな感はある。

個人的には歌詞があんまり好きじゃないんだけど、もっと売れてもいいアルバムだとは思う。


それぞれのアルバムについてはまた今後少しでも書いてゆくつもりである。

カラオケなんかで歌うにはいささか恥ずかしい感じもする世界観もあるし、今の自分のモードからいうとまず聴かないタイプの音楽ではあるが、彼らについては何故か聴く。

なんか好きなんだよ。

収さん、いい声だしね。

まあ、無理には薦めないけど、よかったら聴いてみてください。

楽しんでいる人たちの心地よい空気の味わえる、それだけでも良質なポップミュージックですよ。