
7年前にアルバムを1枚出して活動休止状態に合ったバンドで、私が彼らを知ったのは半年かそこら前である。
そのときに記事も書いているのだけど、たまたまネット上で「狂ったバンドがある」という旨の紹介を受けて聞いてみたのであった。
カオスでありながら人懐っこいところもあって、それでもやっぱり複雑怪奇。
曲の途中で時空が歪むような展開があって、これ一体どうやって再現するんだろう、なんて思っていたらライブやる!という告知があったのでチケットを取った。
どうやらほぼ即完だったらしく、取れて良かったよ。
今回はライブでは3組のゲストを迎えてのライブとなった。
基本的には彼らの拠点である京都界隈の繋がりと、音楽性もかなり違うながらPredawnも出るとあってラッキー、てなものである。
1発目に出てきたのは、1人でやっている人がライブごとにバンドを組んでやっているWOZNIAKというもの。
変拍子満載でどうリズムをとっていいかよく分からない系である。
爆音のままに過ぎ去って行ったが、カッコ良かったな。
続くはOUTATBEROというバンドで、このバンドも結構活動は長いらしい。
『King Of Limb』あたりのRadiohead感の強い印象である。
調べると結構海外でも評価が高いらしい。
知らないバンドって本当いっぱいあるよな。
これもかっこ良かったです。
ちなみにこのバンドのドラムは先のバンドの人であった。
こういうあり方もシーンを感じさせるところがあるよね。
次に登場したのはPredawn。
このバンドの中で1人だけ明らかに音楽性は異なるけど、これくらい幅がある方が面白いかもしれない。
今回はギターの弾き語りスタイルだったけど、これがいいんだな。
ギターうまいし歌はうまいし声はいいしキャラもいい。
かわいいしね。
相変わらずちょっととんがったMCをぐずぐずな調子でいうのが素敵である。
今回も良かった。
そしてついに登場のnuitoである。
メンバーのことも詳しく知らなかったのだけど、平井さんという人が中心にいて、この人がちょっと変な人らしいのである。
Twitterもやっているらしいのだが、かなり面白いのだとか。
その前段のバンドのライブ中もフラッと現れて茶々を入れていくという姿が目撃されていたが、そうはいって愛されキャラなのかもしれない。
人懐っこい感じで客席に話しかける場面もちょくちょくあったが、ライブが始まると狂ったギターをかきむしる姿は別人である。
てか曲どうなっているのか、手元もよく見えなかったので余計にわけわからなかった。
このバンドはギター、ベース、ドラムの3人編成で、もちろんエフェクタとかは使っているとはいえなんでこの編成でこんなに音の密度が高いのかわからないくらい凄まじい轟音をかましてくれる。
音源以上に破茶滅茶感のある演奏で、左右から無軌道に頭を殴りつけられるような、そんな感覚に陥れられる。
ぶっちゃけ曲として明確に「あ、あの曲」とわかったのはアルバム1曲目で「例の曲、やります」といって演奏されたものだけだったけど、ぶっ飛ばされた。
ちなみに始まって数分後、客席から2人引っ張り上げられてギター、ベースを引かされるという状態に。
演奏途中で急に知らない人がステージにいて、困ったような顔をしながらギター、ベースを弾いている傍らでゆっくりタバコを吸っているのである。
自由すぎるだろう。
都合2分かそこらその状態であった。
その後もブレイク合間に顔芸を披露したり、何事かつぶやいたりと彼ら自身も楽しんでいる感じもあって、いいライブでしたね。
ライブ自体は30分強くらいで終わってしまったのだけど、そんな時間をぶっ飛ばすくらい濃密なライブであった。
アンコールもなく終焉したけど、終わった後すぐに物販のあたりにメンバーもいて、こういうところになんかまたシーンというか、コミュニティみたいなものを感じる。
ファンとの距離感も近く、彼らも普段は別な仕事もしながら活動しているのだろうし、いわゆる友人的な関係の人も多かったのだろうけど、こういうところがインディっぽいなと思うのである。
私もそんなにでかいバンドは見に行かないから、いわゆるインディ的なバンドばかり見ているけど、関西のバンドって特にこういうあり方のバンドが多い気がする。
ある意味バンド音楽がカルチャーとして根付いているのだろう。
goatにしろ下山にしろ、そしてこのnuitoとその周辺バンドにしろ、そういう環境だからこそ出来たこともあるのだろうなと思える。
次にいつやるのかはわからないし、なんとなくアルバムを作ることもなさそうな感じはするけど、それだけにこうして生で見られたのはよかったね。
京都では先週ライブをやっており、その時の映像は丸々YouTubeに上がっている。
30分強の映像なので、よかったらその熱量の一端でも感じてもらえればいいんじゃないかな。
nuito are back in Kyoto.