音楽放談 pt.2

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伝えるための音楽 -Rage Against The Machine

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今日は選挙の日である。

私は引越しのタイミングのせいで旧住所の投票権は持っているが、今の住所での投票権がない状態である。

こういうことってあるんだな、なんていいつつ元々政治的な事柄には無関心である。

それでも何かを言おうと思うならそれ相応の行動を伴わないと説得力もないもない。

ネットのニュースにコメントを残す程度の力しかなくなるから、やっぱりやるべきことはやるべきだよね、と最近は思うようになってきた。

しかしこの体たらくである。


それはともかく、別にその意識があってというわけではなくたまたまなんだけど、先日中古CD屋で見かけて購入したのがRage Against The Machineのライブ盤。

CDとDVDの同梱されたもので、リリースされたのはもう10年以上前である。

まあ、彼らの1stが数年前に20周年?記念盤とかいって再発されていたものね。

音楽的にはミクスチャーという便利な言葉で括られるが、いわゆるラップメタルの元祖と言われている。

それこそリンプとかは彼らから政治性を抜いた音楽だと揶揄されたりもした。

余談だが、一時MCのザックがNINのトレントと共作をしていたことがあったそうだが、その作品は結局世にでることはなかった。

その理由として、作業中にテレビではMTVが流れていて、そこに出ていたリンプに対してザックが毒づいた時に、トレントが「でも、こいつらを生み出したのは君たちの音楽なんだよな」みたいなことをいったことで噛み合わなくなった、という話がある。

一体どういう意図で言ったのかもわからないし本当かどうかもわからないけど、余計な一言だぜ、トレント


それはともかく、要するに音楽的な機能性は抜群というわけである。

ギター、ベース、ドラム、MCというシンプルな編成ながら、どっしりとしたリズム隊の上でスクラッチみたいな音も駆使するトリッキーなギターの上で、ややハイトーンでマシンガンのような攻撃的で激しいラップが絡み合って、単純にかっこいいのである。

日本でも格闘技好きなら多分1回は聞いたことがあるであろう彼らの楽曲は、プライドで使われていた”Guerrilla Radio”とか、映画「Matrix」の2作目だったと思うけど、"Calm Like A Bomb"あたりは、聞けば「ああ!」と思うはずである。

それだけのキャッチーさもあるというわけだ。

なんて言いつつ、私はこの手の音楽性はそこまで好きではない。

そもそもメタルというジャンルがそこまで好きでもないし、ラップ音楽もそんなに熱心に聞いていなかったので、かっこいいとは思ったけどそこまで夢中になることはなかった。

彼らの本領はもちろんその音楽の即効性もあるけど、その歌詞の内容にこそ本質があるわけだけど、私は友人から借りて聴いたため、何を言っているかもわからなかった。

音源も全部聴いているけど、たまに聴いているくらいだったんですね。

そんなわけなので、このライブ盤を見つけた時も狂喜したわけでもなく、ライブってどんなかしらという興味と、安いから買って聴いてみよう、というくらいだった。

しかし、久しぶりにしびれるライブ盤でしたね。


このライブは実質彼らの解散前のラストライブの模様らしいのだけど、CD、DVDともに内容は非常に充実しているし、彼らのベスト的な内容としても楽しめる。

しかし、そんなことよりも何よりも、これだけの熱量のあるライブ盤はなかなかない。

録音とかもあるのかもしれないけど、これを生で聴いたらじっとしていられないよね。

先にも書いたけど、リズム隊の重たいしっかりした音がしっかりと土台を作っていて、ギターは変則プレイ含めて演奏は鉄壁。

その上で切れ味抜群のザックのラップがこれまたカッコいいんだ。

彼らの曲にバラードなんて当然ないから、もちろん一本調子ではないとはいえ、アグレッシブは曲が続くので普通であれば疲れてしまうのだけど、そんな隙すら与えないくらい凄まじく迫ってくる。

彼らはゲリラライブとかもかなりやっていたらしいので、そういうタフな環境でも自分たちの音をきちんと届けるためにはこれくらいのシンプルさが必要だったのだろうし、楽曲としてのキャッチーさも必要だっただろうし、当然ちゃんと演奏して音を出せるスキルも必要だったから、こういう音になるのは必然だったのかもしれないね。


で、購入したのが日本盤だったので歌詞と対訳もついていたのだけど、そこで改めて歌詞も見ることができた。

改めて歌詞を見てみると、アメリカという国の問題とか、そういうものが非常に色濃く出ている歌詞なのはよく分かる。

その問題意識のあり方は日本のそれとはやっぱり違う。

彼らもマイノリティの民族なので、人種問題というものはやはり一番大きな問題意識としてあるようだし、アメリカという国の文化的な側面に対する言及もある。

そういう問題がまさに身近にある人たちの歌っているのはこういう風になるんだなと思う。

その意味ではこの音楽はアメリカでこそより価値のある音楽なのだと思う。

実際彼らの作品は危険著作物リストというものに全カタログが載っているのだとか。

要するに反政府的な思想を誘発する可能性がある、というわけである。

それもすごく不思議な感じがするけど、その構図こそが彼らが問題視して訴え続けているものの根本なのかもしれないね。


日本にも人種問題って少なからずあるわけだけど、そこまで表面化して言われるようになったのはごく最近の印象である。

これまで単に見えていなかっただけなのだろうけど、その意味では私らはアメリカでいうところの白人的なポジションなのかもしれない。

問題について認識すらしていないしね、恥ずかしながら。


それはともかく、音楽のメッセージ性という側面をわかりやすく体現しているバンドの一つだし、実際のその目的で音楽をやっていながら商業的にも成功している稀有なバンドである。

彼らには伝えたいことがあって、そのための手段として磨かれた音楽は、説得力がないわけがない。

スタジオ盤ではそこまで感じいることはなかったけど、このライブ盤は痺れたね。

いやほんと、マジでオススメです。

スタジオ盤ではなく、彼らの本質を知りたければ、ライブ盤を聴くべきであるし、やっぱり現場に行くべきバンドである。

"Bomb Track"※映像はライブ盤のものではないけどね