音楽放談 pt.2

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ラッパーの一分 -The Boss

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私にはある癖があり、それはどうにも止められない。
 
何かと言うと、例えば映画館へ見に行った映画はDVDが出ると買ってしまうとか、行ったライブのDVDも出ると買ってしまうというものである。
 
とはいえ、一応の理由はあって、例えば映画であれば1度見ただけではわからなかったところも数回観る中でわかってくるところもあるし、ストーリーだけでなく各場面の意味もわかってなるほどとさらに面白く感じられる。
 
あるいは自分なりの感想を持つわけだが、他人の書評なんかを見てそういう見方もあるのか、と思ってみるとまた違って見えたりするから、それが面白いのである。
 
ではライブはというと、現場では音を聞きつつ、テンションも上がっているからよく見ていても細部はわからなかったりするから、後で映像で観ると演出も細かく見えたり、アレンジの違いもわかったり、曲の歌詞もしっかり入ってきたりと、やはり新しい発見があるのですね。
 
あとはライブの場合は、自分が一番テンション上がった瞬間などを思い出すスイッチにもなるから、喜びの反芻という役割もあるのだろう。
 
楽しかった思い出は楽しいままにしておきたいしね。
 
 
で、昨日は昨年末にあったTha Blue HerbのMC、The Bossのソロツアーの最終公演であったLiquid Roomでのライブの模様を丸々収めたDVDが発売されたので、それを買ってきたのですね。
 
2時間半を超える長丁場となったライブで、客演もあったところがTBH本体のライブとの違いだが、それ以外は普段のTBHとしてのライブと大きな違いがあったか、というとそこまでないかなというのが正直なところではあった。
 
ただ、ソロの方がBoss自身がいい意味でリラックスしている印象はあったかな。
 
彼らのライブはもともと頭からラストまで、それこそMCの内容に至るまで完璧に流れを構築していくスタイルなので、その緊張感とかもすごいけど、完成度が抜群に高い。
 
しかも2時間半を超える長丁場、言葉の数の多いHiphopのライブでとちることもなくつっかえることもなくできるのがすごいことだと思う。
 
 
このソロアルバムでのテーマというのは、あくまでThe Boss個人としてのhip-hop史というか、その活動の中でのあり方や自分の変化、周りとの関係性について丁寧に言葉を紡ぐものであった。
 
昨今の彼のラップは音感的な面白さというよりは、いかに内容を伝えるかにフォーカスしたようなスタイルになっているのだけど、それをさして「念仏みたい」という批判的な評価もあったけど、確かにそう感じるところもあった。
 
しかし、こうして改めて聞いてみたり、全体としての流れとかを改めて聴いてみると、さすがだなと感じる作品になっていると思う。
 
これが面白いかどうかは当然評価は分かれると思うけど、どういう視点で聞くかというところがポイントだろう。
 
刺激的ではないし、あくまでパーソナルな視点で描かれるからピンとこない人にはこない作品だろう。
 
DVDで改めてみると、MCの内容とかも踏まえて見たときにそんなことを思いましたね。
 
 
さてDVDの内容であるが、この手のライブ盤には珍しくほぼ編集はなくノーカットで撮り続けているものなので、本当に頭から最後まで入っていて、かなりのボリューム感だけど、曲が切られていないのでそこはありがたいよね。
 
ライブ盤だと幾つかのライブ映像をつないだり、あの曲は抜けていたりこの曲がなかったり、MCなんてほとんど入っていないことの方が多いから、それも嬉しいよね。
 
もっともそれも含めてライブだという思いから入れているのだと思うけど。
 
演出については、実質少しのライティングくらいで本当に音と言葉のみというストイックなものだったのだけど、そういえばそうだったな、という記憶感であった。
 
それだけライブ中は曲に集中していたのかもしれないね。
 
客演についても、かなり後半、ていうかほとんどはアンコールでの出演だったんだね。
 
当時のことも記事を書いているから読み返せば書いていたかもしれないけど、改めてみるとそうだっけ、なんて。
 
記憶なんていい加減なものだ。
 
 
それにしても、MCでも曲の一部をサンプリング(とはいわないかもしれないけど)的な使い方で盛り上げたり、フレーズをあちこちにちりばめたりしているから、1曲1曲披露していくというよりもやっぱり全体として一つのパッケージとしているのだろうね。
 
2時間半あってもダレないのは流石の一言である。
 
このライブの時、客席から一部のアホからMC中に「早く次の曲やれよ」的なヤジが飛んだ場面があり、そこだけ唯一場が乱れたのだけど、すぐにMCで丸め込んだ手腕はさすがだった。
 
完璧主義のBossなので、顔はイラつきを隠せなかったけど、すぐに言葉でも丸め込んで、そのヤジを飛ばした相手に「帰れ!」という声も制して、当時話題だったもので少し冗談交じりに入れて場を和ませた頭の回転もすごいなと思った。
 
そんなシーンもちゃんと入っているのがいいよね。
 
 
と、相変わらず内容そのものよりも各論の思い出と抽象的な賛辞で申し訳ないけど、やっぱりパフォーマンス力という意味ではこの人は抜群にレベルが高い。
 
今はフリースタイルダンジョンの影響でラップがにわかに注目を集めている。
 
フリースタイルこそかっこいい、的なことを思う人もいるから、やはりBossもそういう質問を受けるようだけど、「俺はそれはやらない」とあるインタビューでも明言していた。
 
どうしてもフリースタイルだと相手の言葉へいかにうまく返していくかという言葉の応酬になるのだけど、相手の欠点とかを指摘するビーフとかにはもう興味ない、ということである。
 
受け取る人が受け取れば「言い訳だろ」とかいうのかもしれないけど、彼の表現として今興味があるのはこういう大きなパッケージとして構築することなんだろうね。
 
それでいいと思うし、現にここまでのライブをできる存在はジャンル問わず稀有だと思うから、別に乗っかる必要なんてないだろう。
 
フリースタイルはフリースタイルで面白いから見るけどね。
 
 
いずれにせよ、こういう自分の見たライブを改めて振り返るは楽しいよね。
 
中古だけど過去のライブDVDも買ってきたので、こちらも見て比べてみよう。
 
でもやっぱり、ライブっていいですよね。
 
"We Were, We Are"feat. B.I.G. joe