音楽放談 pt.2

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音楽の音響効果 -Dirty Projectors

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音楽を聴いていて気持ちいいなと感じる瞬間の一つが、いろんな楽器が絡み合って一つの音楽を奏でている主観である。

それこそが音楽じゃないかという人もいると思うけど、メロディだけで綺麗なものだってたくさんあるし、別に楽器の絡み合いだけが音楽ではない。

とはいえ、やっぱりそれも重要な要素なのは確かだけどね。

私はポストロックとかマスロック系の音楽も好きで、その中でもLITEなんかは大好きなのだけど、彼らの音楽でいつも身震いするのは、一つ一つの楽器は割とエキセントリックなフレーズを弾いていてもそれが全てカチッとはまった時に繊維が整然と組み合わさっていくようなカタルシスがあるのである。

それで一つの曲になって盛り上がっていく展開も相まって最高に気持ちいい。

ライブでもそれが体感できるから、彼らのライブは飽きないし、単に曲を聴く以上の感動もそこにはあるのである。


こうした楽器の絡み合い以外にも、音源で聴いてて面白いのは右から左からいろんな音が飛んでくるようなものもある。

これって音源ならではだと思うし、聴くたびにこんな音が入っていたのかとか、こういう鳴らし方になっているのかとか、そういうのをヘッドホンで聴いているのも面白いのである。

例えばNine Inch Nailsの『The Fragile』なんてそんな音響満載で何回聞いても飽きない。

またステレオ録音のものが今は普通だと思うけど、左右別れたスピーカーで、少し離して聴くとどっちのスピーカーから鳴っているかがよくわかるからこれもまた面白い。

たまたま、という言い方も妙だけど、暇な時に何とはなくiTunesの曲をチコチコ聴いて回るのが趣味なのだけど、次に何を入れよっかな、なんて思いながら聴いている中にDirty Projectorsがあって、特に今のところの最新アルバム『Swing to Magellan』をクリックしていると、左右でまったく違う音がなっていることにはたと気付いて、つい全曲聴いてしまったのである。


Dirty Projectorsアメリカのインディバンドなのだけど、なんとカテゴライズしたらいいのかわからない非常に独特の曲をやっている。

精神性というか、そういう部分ではVampire Weekendなんかと通じるところはあるのだけど、彼らの実験的な部分を集めたような感じで、とにかく彼ら以外に作れない曲をやっている。

だからと言って小難しいわけではなくて、普通に聴いていれば素直にいいなと思える瞬間もあるし、基本的にはポップな曲である。

彼らの曲で大きなウェイトを占めるのがコーラスである。

メインヴォーカルはバンドの中心でもデイブ・ストレングステンという人なのだけど、女性ヴォーカルも2人いて、ライブの時にはもう1人増えることもある。

そのうちの1人はあちこち引っ張りだこのDeradoorianという人だったのだけど、この人は既に脱退して今はソロ活動もしている。

1stネームがエンジェルというのだけど、その名に負けないまじの美人である。

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ラフでもこの美しさ、素材の良さを感じずにはいられない。

私は一度ホステスでライブを見たことがあったけど、そのライブがすごくてびっくりした。

コーラスも楽器の一つのような感じで使っていて、みんな歌も上手だから響きも良くて身震いがしたものだ。


で、そんな彼らの音楽はスピーカーで聴いていると、ギターは右で鳴ってドラムとかは左で鳴って、ヴォーカルがちゃんと中央で響いいてくる感じが面白い。

もちろんイヤホンとか聴いてもそういうのはわかるのだけど、スピーカーであえて少し離して聴いているとそれがより鮮明になるのである。

混ざるポイントが遠くなるからだろうね。

こういうのが音響効果か、なんて思いながら聴いているわけである。

普通だと、右がギターの音を大きくして、左をベースにして、みたいな感じでライブ感を重視した配置をする場合はあるのだろうけど、そういうのとはまったく違う、それも一つの表現としてなされるものはそれだけでもまた聴きどころになるのである。

音の大きさを操作する作業だと思うけど、どういうバランスで配置して、どう推移させるかによって音が過ぎ去っていくかのような演出にもなるから、凝っているやつはほんと凝っているよね。

ライブとは違う音源ならではの体験がこういうところにあって、そういうところにもこだわるアーティストもたくさんいるから、曲そのものではなくそれをどう聞かせるかという仕掛けとして、そういうのもチェックしてみると楽しいよね。


ちなみに画像はジョジョの奇妙な冒険の一コマで、波紋使い・ツェッペリがカエルに波紋を打ち込む印象的なシーンである。

音の重なり合いはまさに波紋疾走と同じ原理だ。

ジョジョも漫画表現として音にこだわりのある漫画である。

登場するスタンドもバンド名だったりもするしね。

音楽の入り口も楽しみ方も、多面的に捉えると面白いですよね。

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