音楽放談 pt.2

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小休止133「音楽番組のあり方」

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『ヒットの崩壊』という新書が音楽関係のメディアなどで話題になった。

ある音楽ライターの人が90年代頃のJ-POPバブルの頃と今の状況を比較して、日本の音楽ビジネス業界について論じていて、非常に面白い本である。

実際よく売れているらしく、発売当初は方々で欠品が出たとか。

その内容については興味があれば読んでもらえればいいのだけど、その中で音楽番組がまた増えてきている、とりわけ長時間に渡り放送される、いわばテレビフェスのような形態の番組の増加が顕著だ、といったことを論じているところがあるのだけど、確かに節目節目にそういう番組は増えている。

5時間とか十何時間もやっている場合もあって、正直私はみていられないし、そこまで好きなアーティストも出ないのでほとんど見ることはない。

構成的にもとにかくたくさんのアーティスト、アイドルが出ますよ、という感じなのだけど、だいたい目玉的にCMされるのは90年代頃を中心にバカ売れしたアーティストが中心で、それは制作側の何かしらの意図なのか、あるいは結局視聴者に求められるものがそこだからなのかはわからないが、いずれにせよ国民的と呼べるくらい知名度のある人はなかなか新しくは出てきづらい、ということかもしれないね。

それこそ音楽を聴く手段もCD、ラジオが中心だった時代からDLやYoutubeが中心になってくるから、接し方も変わってくる分広告、宣伝で同じ方向に向かせるということも難しくなるだろうから、聴く人はよほど熱心でない限り自分の好みのジャンルを掘り下げる方向に鹿向きにくいのかもしれない。

一方でフェスのような多様な音楽に触れられるイベントも好評を博して、それこそロキノン系フェスの活況は大したものである。

しかし、いく子達も大半は音楽そのものよりもそれを通してやり取りする友人関係のつながりとか、集まっている感を楽しんでいるのがかなり大きな比重な気もする。

だから、実は聴く音楽もそのフェス内のアーティストで完結してしまうことも多くて、それが国内フェスの活況に繋がっている反面洋楽にまで興味を示さない結果にも繋がっている感じもある。

それはそれで別にいいのだけど、なんだかその偏り方がもったいないな、なんていつも思う。

一方の私も邦楽洋楽とか、ロックとかヒップホップとかそういう意味では幅広に聴いている方だとは思うけど、いわゆるJ-POPな音楽は好んで聴くことはほとんどない。

考えてみればあまり知らないし、嵐とかAKB的なアイドルだったり、そのほかのオリコン上位の人たちの音楽は正直興味が持てないのである。

どこかで線を引いてしまっている自分がいるのだと思うから、実は自分も同じような状態なのかもしれないなと思う時がある。

とりあえず自分が興味のあるところでもまだまだ聴けていない音楽もたくさんあるから、それらをまずは網羅しないとあえてチャレンジする暇もないというのが正直なところでもあるが。


で、普段からやっている音楽番組としてはミュージックステーションミュージックフェアと、あとはNHKなんかでやっている年寄り向け番組だったりするから、昔ながらの音楽番組が生き残っている格好である。

中学生くらいまでの頃はそういう番組も見ていたし、もっとバラエティ色の強い番組もたくさんあったけど、最近は見もしない。

好きな、興味のある人も出ないというのがあるけどね。

ところが、最近面白くて見ている番組があって、関ジャニ∞のやっている関ジャムという番組である。

毎週テーマごとに音楽関係の人が講師として出てきて、専門的な内容を紹介していくという番組なのだけど、これが非常に面白い。

講師役には現役のアーティストからプロデューサー始め裏方さんも出てきて、ヒットチャートに縛られない楽曲も含めて紹介している。

何が面白いかって言えば、音楽的なことを非常にわかりやすく紹介しており、それこそ歌詞の解釈の仕方、曲の構成の意図、楽器のこと、ダンスのこと、広く当時の状況なんかも含めて話をしていること。

1時間弱と短い時間だし、関ジャニというジャニーズアイドルの冠番組にも関わらず、内容はかなり濃いし、音楽の聴き方を見せていく、というコンセプト?が非常に秀逸である。


音楽の聴き方なんて個々人の好きなようにすればいいし、そうしたうんちくのような話はともすれば蛇足でしかない。

直感的にいいと思える曲をただいいと思っているという感情だけで聴いていることの方は本質的には正解だと思う。

だけど、一方でこういう意図で作っているのかとか、そういう解釈もあるのか、といった別な視点をあたえてくれることもとても面白いことだと思うし、そういう裏側をしることでやっぱり見方も変わるから、より楽しめる要因にもなるだろう。

番組自体は全然難しくないし、むしろ非常にわかりやすい。

関ジャニも彼ら自身バンドとしてもやっているようなので、変に茶化すことなくちゃんとやっているのもいい。

彼らは結構地に足がついている感じがするよね。

むしろゲストで出るお笑い芸人の無駄なボケなんかが邪魔で、こういうのはやっぱり適材適所ってあるよね、タレントでも。


私自身、音楽の詳しいことはよくわからないし、感覚的に聴いているのが実際で、日本語の歌詞だったらそこについては多少思考することができるくらいである。

その割にあれこれ聴くので、こういう話を聴いて改めてあれこれ聞き返して見るのもとても楽しい。

なるほどぉぉ!!などと戦慄いている訳であるが、この番組は面白いのでぜひ見てみて欲しいですね。

エンタメ全開の番組、とにかく歌をたくさん聞かせる番組など、そういうのももちろん在りだし、音楽の出会い方としては必要だと思うけど、こういうちょっとマニアックな方向のものもうまく世間にアピールできるといいよね。