音楽放談 pt.2

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奇才な人 -Blood Orange

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今日はサマソニで来日しているBlood Orangeの単独公演であった。

よくある抱き合わせ公演なのだけど、今年の2月だったかにも単独があり、その際は恵比寿ガーデンプレイスでソールドアウトしていた。

その時のことがあるから今回は赤坂Blitzとなったのだけど、蓋を開けて見たら客の入りはかなり厳しく、後ろの方を取り潰してなお余白のある状態なので、実売では4割あるかないかだったのかもしれない。

平日のお盆明け、そしてサマソニの前ということもあって、条件的にはかなり厳しいのは間違いない。

今日はリアムの単独もあったのだけど、そちらはさすが元オアシスのリアムである。

それだけで集客できるくらいの力は今も余裕である。

片やBlood Orange、現役バリバリの超売れっ子プロデューサーであり自身のこのプロジェクトも絶大に評価されていて、海外のフェスではかなりいい位置でブッキングされるかなりの大物である。

デビュー当時はTest Iciclesというかなり激しい系のバンドでデビュー、その後Light Speedchampion名義でソングライティング主体のアーティストとしてインディ界隈では結構な評価をされていた。

そして今はBlood Orangeなわけだけど、今はR&B的な音楽を軸に、様々なジャンルを横断した音楽をやっている。

要するに現役の状態でいえばもっと注目されるべき存在である。

まあチケ代も6,500円と決して安くないので、サマソニに行く人は多分行かないし、先にも触れたけど時期的にこのお盆休み明けてすぐの会社員たちは19時の公演に間に合うのはなかなかハードルが高いだろう。

実際彼らもステージに登場した瞬間に、明らかにテンションが下がっているのが顔からにじみ出ていて、メインのデブ・ハインズは逆にテンション上げているような感じだった。

ちょっと胸が痛い思いだ。


そうはいってもライブ自体はいいライブだった。

正直もっとノッテいるときの彼らだったらもっとよかったんだろうなと思うけど、そもそものポテンシャルが違うんだろうね。

まず曲はムーディでメロディアスでいい曲満載だし、細かな手数もありながらどっしりと叩くドラムと、静かにリズムを刻むベース。

これまた静かなキーボードがたまにギターもかき鳴らして、管楽器の人はラッパを吹きながらたまに前に出て歌っている。

見た目は野球のコーチみたいだった。

そして男女のコーラスが綺麗な歌声を響かせるのだけど、その中心で技銀盤やギター、時にダンスをしながら歌うデヴがカッコよかった。

私は新作に入っている”Best To You”という曲が好きなのだけど、この曲はアルバムではゲスト女性ヴォーカルが歌っているが、今回はコーラスの人が歌ったんだけど、これがよかった。

ヴォーカルメロディがとても跳ねていて、そのリズムがとても気持ちいい曲なんですよ。


今回は新曲を2曲やった他はほぼ2nd、3rdからの曲だったように思う。

いずれもいい感じのチル感とリズミカルなパートではとてもノリノリで、歌声のハーモニーも心地よくて、いい感じでした。

集まった人は好きな人ばっかりだから、会場の空気自体はあったかかったし、メンバーも精一杯やってくれている感もあったし、よかったんだけどね、やっぱり熱量が足りなかったというのは正直なところだ。

だけど、デヴはかっこよかったし、ショートのコーラスの女性が歌声も出で立ちも綺麗でした。

ライブはわずか1時間でアンコールもなしというさっぱりしたセットリストでそれが非常に残念だったのだけど、まあサマソニ前なので仕方あるまい。

しかし、それならなおさら5,000円くらいにしてくれたらよかったのに。

まあでも、このクラスのアクトがきてくれるだけでもファンとしては嬉しいんだけど、もう2度と単独はないかもしれない。

今新作を制作中なので、懲りずにきて欲しいものだ。


ちなみに私は2nd『Cupid Delux』から聴いて、この間ようやく3rdも買って今聴いているんだけど、音源も非常にいいんですよ。

基本的にはR&Bな音楽だけど、元々ロック的な音楽靄もやっていた人だから、それだけじゃない。

曲はポップだし色気もあるし、ちょっと不思議な曲もたくさんあるし、何よりジャケットのセンスは謎だが、聴いていてとても心地いいのである。

この点ジャンルに手を出して間もないので、上手く紹介できないんだけど、彼のアルバムは素直におすすめできる。

しかも割と定期的に新譜も出していながら人のプロデュースもして、しかも活動名義変えながら音楽性自体も大きく変えてここまで成功しているので、本当に才能のある人なんだなと思う。

ライブでびっくりしたのが、ギターも弾くんだけど、そのプレイが結構エキセントリックで、それこそメタルのソロばりの主張をしているのだ。

それでもちゃんと楽曲にはそこはかとなく調和しているから面白いんだけど、改めて音源でも傾聴してみよう。


とりあえず、個人的には見たいアーティストだったので見られて満足でした。

サマソニに行く人は是非見てみてほしい。

多分暑い中で聴くと、これがまた良さそうだし。

もっとも、週末天気良くないみたいだけどね。


それにしても、こういう海外の現役バリバリの人が来てもこの集客で、過去の人なリアムにばかり集まる現実だから、ますます私の見たいアーティストは遠ざかっていく気がするな。

だけど、今年は先のフジロックQueens Of The Stone AgeLCD SoundsystemAphex Twinから始まって、今日のBlood Orange、ホステスではStVincent、Horrors、Beakと見て、10月はTVT、11月にはこれまた念願のFeistである。

結構観たいのがちゃんと観られるんだよね。

6月のRobert Glasperは仕事絡みで行けなかったんだけど、洋楽系アーティストをここまでがっつり観られるのも随分久しい気がする。

新譜もこれからQOTA、LCD、Horrors、National、Liarsと控えている。

嬉しいな。

"Best To You"