急に寒くなってきましたね。
夏の装いをした翌日にコートが欲しくなるという意味不明な気候変動である。
さすがにみんな飽きたのか、異常気象だとは言わなくなったが、ともあれこうもガクガクと変動が大きいと体が少ししんどい。
とはいえ、私は寒い季節が好きで、その手前の秋の季節はもっと好きだ。
肌寒いくらいの風が吹く中で、あったかい格好でほけっとしているのは何者にも代えがたい幸せである。
雨なのが残念だけど、いい季節である。
仕事的にも今は少し落ち着いて、ようやく時間をかけて考えられるようになったので、来週はより頭を使う1週間だろう。
さて、こうして空気も冷たい季節になると、静かな音楽が心地よくもなる。
最近改めて聴いているのは今年フジロックで来日し、そのライブも大盛況、そして来年早々単独公演も決まったThe XXである。
すでにデビュー当時から話題になっていたので名前は知っていたし、音楽の特徴を目にするにつけ多分好きだろうなと思いながらもなかなか聞く機会がなかった。
1年くらい前にようやく1stアルバムを中古で買ったのだけど、当時はR&Bとかヒップホップとか、いわゆるブラックミュージックを新たに開拓し始めていた時期だったので、彼等のアルバムは実はほとんど聴いていなかった。
しかし、今年フジロックでも見て、いいじゃないと思ったので改めてちゃんと聴いているわけである。
アルバムについての前に少しだけ彼等について紹介すると、彼等は幼馴染3人組のバンド(というべきか難しいが)で、曲はジェイミーという人が作っており、ソロ作も出して今やインディー業界で注目の存在である。
フロントは男女2人で、一方はモデルもやっているイケメンな伊達男オリヴァー、もう1人は女の子ロミーで、私の感覚からすると可愛いとも綺麗ともいえないというのが正直なところだ。
左からオリバー、ロミー、ジェイミーだ。
ちなみにオリバーはゲイでロミーはレズビアンだったと思う。
なんとなく垢抜けない3人組である。
音楽性としてはポストパンクが引き合いに出されることが多いように思うが、打ち込み主体にギター、ベースと男女混成ヴォーカルである。
音数はかなり少なめだし、全体にテンション低めの楽曲、ヴォーカルもウィスパーヴォイスなので、なぜこの音楽性でここまで彼等が大きくなったのかが個人的には不思議である。
しかし、今年のフジで見たライブがこれまた良くて、この密室的な音楽のくせに解放的な空間でもドリーミーに響く不思議。
それを見て私は改めて聴いているわけである。
彼等の音楽は派手さはないし、わかりやすく盛り上がる展開があるわけでもない。
一聴して暗いと感じるけど、実は暗いというわけでもないのである。
どこかで聴いたことがあるような感覚を所々に覚えるのだけど、明確にこれだと思い出せないのが歯痒いんだけど、ともあれこんな季節に聞くにはなかなかいい塩梅なのである。
現在のところ彼等は3枚のアルバムを出しており、2ndは1st路線の成長、3rdになって少し趣向が違うらしいので、また順を追っていきいていければと思っている
ちなみに2月の来日は東京では豊洲でやるようだが、チケット代が高くてびっくりした。
最近来日が減っている中で、今年は個人的にも好きな奴が結構きているから嬉しいのだけど、その中でも結構高い価格帯である。
まあでも、仕方ないのかもしれないが、そのことで客足が鈍って却って人が来ないとかだと切ないので、その辺りはブッカーがうまく調整してほしいものだ。
もっとも、彼等の世界的な人気と日本での人気はギャップがあるから、ある程度仕方ない部分もあるのかもしれないが。
ともあれ、これからの季節にはオススメの静かで、しかしどこか高揚するようなところもあるいい音楽である。
"Island"
フジんライブ映像もフルで上がっていたので、よかったらチェックされたし。